Namazu: [説明]

        Q&A本文(No8701-8850)

No
Q(お客の質問) A(答え)
8701 トウネズミモチとは(女貞子/じょていし) 関東地方以西に栽培される中国原産の常緑樹で、明治初年にわが国に入ったもの。  
高さい1.2mで全体無毛。葉は厚く革質、広卵形、先は細くとがり、基部は円形、長さ5〜15m、幅3〜5cm、表面は濃緑色で 光沢があり、裏面は淡緑色で多くの細点がある。花は6〜7月、 円雄花序に白色花を多数つける。花冠は4裂、雄しべは2本で花冠から長く突き出す。10〜11月に紫黒色で楕円形、長さ約1cmの果実を多数結ぶ。

類似植物 ネズミモチ:わが国西南の暖地に自生し、庭木や公園樹として栽培される。トウネズミモチより葉や果実がやや小さめで、葉の先も元も同じように細めなので区別がつく。

名前の由来:果実がネズミのふんに、葉がモチノキに似るのでネズミモチの名があり、これに似たものは中国(唐)原産によりトウネズミモチとなる。

採取時期と調整法:果実は晩秋に採取し、さっと洗ってから日干しにする。

成分:果実にオレアノール酸、ウルソール酸、アセチルオレアノ ール酸、マンニットなどを含む。中国ではトウネズミモチが生薬 女貞。女貞子はその果実を乾燥したもの。わが国ではネズミモチの果実も女貞子として使用している。成分は共通であるから、どちらを用いてもよい。

薬効と用い方:
1)強壮に女貞子酒を:
乾燥した果実200g、グラニュー糖50g、25度のホワイトリカー1.8gを広口びんに入れ、3〜6ヵ月冷暗所におき、ときどき菜箸でかきまぜる。果実はそのままおき、1日1回20〜40cc服用する。
2)白髪防止に:女貞子酒を服用するほか、乾燥果実をフライパンなどで焦げない程度にいって、1回に数粒ずつ食べる(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8702 ハイネズとは 北海道、本州、四国、九州の海岸砂地をはうように生える常緑低木。サハリンに分布する。  
四方に枝分かれして広がり、大群落をつくる。葉は針形でかたく、先が鋭くとがり、この先にふれると痛い。長さ約1.5cm、幅1o、帽I 四、上面中央部がへこんで、白色の気孔が並ぶ筋が見える。葉は3本ずつ輪生する。雌雄異株で、4〜5月に開花。雄花は葉腋につき、黄褐色の楕円形、雌花は緑色の楕円形。果実は球形で径1cmほど、熟して紫黒色となる。

類似植物 ネズ:本州、四国、九州の日当たりのよい山林丘陵地に生える常緑針葉樹。高さ2〜3m、ときには15mにもなる。樹皮は赤みを帯びた灰褐色で、縦に裂ける。葉は針形で3本ずつ輪生し、先端は鋭くとがる。雌雄異株で、4月に開花。雌雄花とも前年に伸びた枝の葉腋に1個ずつつける。雄花は4oの楕円形、 雌花は卵円形。果実は径6〜9oの球形で、翌年、また翌々年の秋に黒紫色に熟す。

名前の由来:ネズの葉に似て、幹は地面をはうように伸びるので、 この名となる。

採取時期と調整法:10月ごろ果実をとって、陰干しにする。

成分:葉、果実に精油を含み、これらの中に、ジテルペノイドの 3ーβーハイドロオキシサンダラコピマリン酸、ノートカチノール。セスキテルペノイドのαーアコラジン、βーアコラジン、γーアコラジン、αーアコレーン、βーアコレーン、カジネノール、カラコレインなどの成分を含むとの報告がある。

薬効と用い方:
果実をネズの代用として用いる。
利尿、発汗に:乾燥した果実1回量2〜4gに水200ccを加えて、半量になるまでせんじ、これを服用する(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8703 アリノトウグサとは わが国各地の日のよく当たる山野に生える多年草。中国にも分布する。  
茎の高さは10〜30cm。葉は卵円形で対生し、秋の初めになると多数の小花が枝先に総状花序となって下向きにつく。一つの花は 萼片4、花弁4。花弁は黄褐色か、ときに紅色で、萼片より少し長い。雄しべは8本、雄しべが先に熟し、これがしぼんでから雌しべが熟してくる。雌しべの最盛期の柱頭は羽毛状に裂け、紅い絹毛状になって美しい。

水中に生育するグループ:アリノトウグサは地上に生えるが、アリノトウグサ科には水中にのみ生育するもう一つのグループがあ る。フサモ、ホザキノフサモ(別名キンギョモ)、タチモなどがそれで、特にフサモは金魚とともに鉢に入れて観賞用にしている。

名前の由来:蟻の塔草であるが、漢名の蟻塔より由来したもので あろう。1個の花の形が蟻に似ている。この花のつきぐあいが穂 状花序につき、その様子が塔のようである。それから塔草の名が つけられたのだろう。中国では小二仙草を正名とし、別名に蟻塔、砂生塔がある。

採取時期と調整法:夏より秋に全草を採取し、水洗いの後、日干しにする。

成分:まだ研究されていない。

薬効と用い方:
1)せきに:
乾燥した全草を1日量5〜10gに水400ccを加え半量に煎じ、3回に服用する。
2)便秘に:乾燥した全草1回量5gを茶こしに入れ、熱湯を注ぎ、 朝食前に服用。1日1回でよい。
3)打撲傷に:乾燥全草10〜20gを水よりせんじ、煎汁で患部を洗う。
4)月経不順に:乾燥全草1日量10〜15gを水400〜600ccでせんじ、3回に分けて服用(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8704 イワヒバとは 北海道より沖縄まで各地に産し、東アジアより東南アジアでは高山に分布する。  
山地の岩壁に生える常緑多年生草本。多くの根の集まりの株より四方に展開する枝は、何回も分枝してほぼ平面に広がり、こまかい葉を密生する。葉は枝の変形したもので、上面は暗緑色、下面は淡緑色か白緑色。乾燥すると内側に巻き込み、湿めると展開する。左右に出た葉は大小の2型で4列に並び、葉の縁にこまかい鋸歯がある。胞子葉は縁にこまかい鋸歯があり、先端は鋭く糸のように伸びる。

名前の由来:岩場に生える桧葉(ひば)の意。桧葉は葉が桧類の葉に似たのでつけられた。別名のイワマツは岩松の意で、イワヒバが松柏類に似ているのでつけられた。中国名は巻柏。

採取時期と調整法:多年草なので、年間必要なときに全草を採取 し、水洗いして日干しにする。

成分:配糖体のトレハローズ、セラギノーズが含まれているという報告がある。

薬効と用い方:
1)月経痛に:
乾燥した全草5〜10gを水400〜600ccで煎じてこれを1日量として、3回に分け服用する。
2)痔の出血に:乾燥した全草5〜10gを水400〜600ccでせんじ、これを1日量として、3回に分け服用する。
3)園芸品種が出て日本独特の栽培ブームとなる:栽培植物の指南書ともいう元禄8年(1695年)に出た『花壇地錦紗』は、「葉の見事なる類」の中にイワヒバを記し、長生不死草とも、また岩松ともいうと述べ、多くの栽培品種のあることを述べている。そして江戸時代から各地にイワヒバ品評会が開催された。今日でも多数の品種が保存され、わが国独特のイワヒバの名品にお目にかかれる(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8705 ベニシタンとは 中国西部の山岳地帯が原産の小低木。大正末期にわが国に入っ た。暖地では常緑であるが、寒地ではときに落葉する。  
木の高さは1m。枝は水平に、また地上をはうように伸びることもある。葉は濃緑色で厚く、円形で小さく、2列に互生している。上面は無毛、下面は微毛が生える。6月ごろ淡紅色の5弁花を開く。秋に紅熟した実が鈴なりに小枝につく。これがみごとなことから盆栽に仕立てることも多い。実は球形で径約5o、中に淡褐色でほぼ扁平な種子2個が入っている。

類似植物 コトネアスター・アドプレッサス:ベニシタンの近縁種で、地上を平伏するように伸びる。中国原産で、中国名を匍匐枸子と書き、ベニシタンより匍匐性が強い。コトネアスター・アドプレッサスは、学名を日本語読みにしたもの。

名前の由来:中国では平枝枸子と書く。和名のベニシタンの由来は不明。シタンは紫檀のことである。ベニシタンの材の色素はサ ンタリンで、羊毛を紅く染めるのに用いられる。これからベニシタンの名がつけられたのではないかと推測される。

取時期と調整法:必要なときに枝葉と根を採取し、洗って刻み、 日干しにする。

成分:材の色素サンタリンを含む。

薬効と用い方:
1)せきに:
乾燥枝葉と根を1日量5〜8gに水400ccで約1/3量に煎じて、3回に服用。
2)月経痛に:乾燥枝葉と根を1日量約10gに水400ccを加えてせんじ、 3回に服用する。
3)止血に、鼻出血に:約10〜20gを水400〜600ccでせんじ、これで患部を洗う。
4)歯ぐきの出血に:鼻出血と同量の煎汁でうがいをする。
5)子宮出血に:1日量3〜9gを水400ccでせんじ、3回に服用。いずれも乾燥枝葉と根をせんじる(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8706 ミツバアケビとは(木通/もくつう) わが国原産のつる性落葉樹。北海道、本州、四国、九州に自生 し、特に東北地方に多い。  
葉は小葉3枚の複葉。1枚の小葉は広卵形で、縁に波状のへこみがある。春先、穂状花序を下向きに伸ばし、その先に多数の淡紫色の雄花を密につけ、その上のはうに雄花より大形の雌花1〜3個をつける。花には花弁はなく、濃暗紫色の萼片3枚からなる。
果実は秋に果柄の先に数個輪状につくが、色は淡紫色。熟すと果皮が裂け、果肉があらわれる。

類似植物:
アケビ、ムベ:アケビ、ミツバアケビが落葉樹に対し て、ムベは常緑樹。また、アケビ、ミツバアケビは熟すと果皮が割れるが、ムベは割れない。アケビは小葉5枚、ミツバアケビは 3枚、ムベは5〜7枚などで、区別できる。

名前の由来:小葉が5枚のアケビに対し、3枚の小栗からなるので、ミツバアケビとなった。

採取時期と調整法:つるを薬用にする。秋の終わりごろ、つるの太いところを切りとって輪切リにし、日干しにする。

成分:ヘデラゲニン、オレアノール酸などのトリテルペンやカリウム塩を含む。

薬効と用い方:
1)腎炎、尿道炎、膀胱炎などによるむくみの利尿に:
1日量として乾燥したつる10〜15gをせんじ、3回に服用する。
2)おできに:乾燥したつる15gをせんじ、患部を煎汁で洗う。
3)その他の用途:
@山菜に:
新潟県下では、ミツバアケビの若芽、若葉を木の芽と呼び、春の山菜として賞味される。
A果実は生食や果実酒に:熟した果実は甘くおいしいので、そのまま生食に。果実酒は3倍量のホワイトリカーに漬ける。
Bアケビ細工に:つるは強くしなやかなので、アケビ細工を作る(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8707 ムベとは 関東以西、四国、九州、沖縄の山野に自生する、つる性常緑樹。  
つるは近くの木に巻きつき、約5mの長さに伸びる。葉は互生 につき、葉質は厚くつやがあり、裏側は淡緑色で網の目のように脈が走っている。1カ所から柄のついた5〜7枚の小葉が手のひら状に広がっている。開花期は4〜5月。この時期になると、新葉のわきから短い柄が出て、長さ2cmほどの黄白色の花を3〜5個、総状につける。ムベの花は雄花と雌花が入りまじってつくのが特徴。10月ごろ長さ5〜8cmほどの果実を結ぶ。最初は緑色、 熟すと皮が暗赤色になるが、この果皮は割れることはない。

名前の由来:天智天皇のころ、ムベの果実を大贄(おおにえ)として、毎年宮中に献上していた。大贄は別名包且(おおむべ)とも呼ばれ、ムベという名はこの包且に由来してつけられたという。

天智天皇とムベ:ムベの果肉はアケビの果実より甘く、おいしい。 加えてすぐれた滋養強壮効果があることが、昔から知られていた。 今から1200年前に編纂された近江国・奥島の古記に、その記述がある。天智天皇が琵琶湖のあたりを行幸した際、休息のために立ち 寄った一軒の農家の老夫婦があまりにもかくしやくとしている。 壮健の秘訣を尋ねたところ、ムベの果実を食べているので元気だという。感心した天皇は、ムベの果実を大贄として毎年秋、宮中に献上させることにしたという。

採取時期と調整法:つる、葉、茎、果実を秋に採取、果実以外は刻んで日干しにする。

成分:茎葉に配糖体スタントニン、ムベニン、果実にβージ トステロール、アミリン、ルペオールを含む。

薬効と用い方:
1)利尿に:
乾燥したつると葉を1日量10〜15gを水600ccで煎じて、3回に服用する。
2)駆虫に:乾燥果実、茎葉1回量5gを水200ccでせんじ、服用(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8708 イヌマキとは 関東地方から沖縄にかけて、海岸に近い山地に分布している常緑高木。古くから庭木や生け垣に用いられてきた。  
木の高さは、野生のものでは20mに達するものもあるが、ふつうは2〜5mくらい。葉は長さ10〜20cm、幅7〜10oの披針形で革質、表面は深緑色、枝先まで密生してつく。開花期は4〜5月。 雌雄異株で、雄花は雄しべが集まって、長さ3cmほどの穂状をな す。雌花は直径5oほどの小花が多数集まって、径3cmほどの球状になる。花後、径5〜10oの果実を結ぶが、10月ごろになると、真っ赤に熟し、濃い緑の葉に映えて美しい。果実はやわらかく、 甘ずっぱい味がして、食べられる。

名前の由来:スギを古い時代にマキと呼んだが、これより材が劣るので、イヌマキというようになった。

採取時期と調整法:夏から秋に一つずつ果実を採取し、洗ってよ く水けをふき、薬用酒にする。

成分:フラボンのポドカルプスフラボンA、ポドカルプスフラボンB、スチアドピッシン、ステロイドのマキステロンA・B、テルペノイドのマクロフェリン酸などを含む。

薬効と用い方:
薬用に使うのは果実の部分。滞った血の流れをスムーズにする駆オケツ作用があるので、オケツが原因の胃のあたりの重苦しさや、全身のだるさ、頭痛、顔色の悪さなどを改善するのに、効果を発揮する。
オケツの改善にイヌマキ酒を:広口びんの半分まで果実を入れ、肩まで25度のホワイトリカーを注ぎ、蓋をして冷暗所で2ヵ月はどおく。毎日就寝前に20ccずつ飲む。  
酒が苦手なかたは、乾燥した果実10gに水300〜400ccを加えて火にかけ、沸騰したらすぐに火を止め、熱いうちに茶こしでこす。これを朝夕2回に分けて飲む(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8709 センリョウとは 本州中部以西、四国、九州、沖縄の樹林の緑に自生している常緑低木。栽培も盛んで、茨城県波崎町や静岡県浜松地方が有名。 朝鮮半島、台湾、中国、インド、マレーシアに分布。  樹高は40〜100cm、幹、枝は緑色で、節が隆起している。葉は長さ6〜16cmの楕円形で対生、表面はなめらかでつやがあり、縁にはあらい鋸歯がある。開花期は7〜8月、枝先に白い小花がかたまって開き、花後、直径5oほどの果実がつく。果実は冬になって熟すと、鮮やかな赤、または黄に色づく。

名前の由来:ヤブコウジ科のカラタチバナはセンリョウに似て、中国ではこれを百両金と書く。これに対して千両の名がつけられた。中国では茎に節があることから九節紅、九節風と呼ばれ、茎葉の乾燥したものを九節茶と呼んで、古くから生薬、また健康茶として用いている。

採取時期と調整法:夏に枝葉をとって刻み、風通しのよいところで陰千しにする。

成分:フラノボイド配糖体、タンニン、精油分などを含み、関節痛やリウマチなどの痛みの改善や、かぜのひき始めに効果を発揮する。

薬効と用い方:
1)リウマチや神経痛に:
1日量として、乾燥枝葉15〜30gに水600ccを加えてせんじ熱いうちに茶こしでこし、朝、昼、晩の3回に分け、食後に飲む。飲むたびにあたためること。早い人で10日、おそい人でも1カ月つづけると驚くほど痛みが軽くなる。
2)かぜのひき始めに:乾燥した枝葉10gに防風6g、グラニュー糖2gを加え、400ccの水でせんじ、1日3回あたためて服用。
3)打撲傷、関節炎などの痛みに:新鮮な枝葉を刻み、日本酒少量を入れたなべでいためるようにあたため、これを患部に塗布する(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8710 レモングラスとは(イネ科) ススキに似た多年草で、アジアの熱帯が原産地。インドより東南アジアまで広く栽培、現在野生地は不明。わが国には大正の初めに渡来、葉にレモン様の芳香があるので、当時、レモンガヤと呼ばれた。寒さに弱く、温室でないと越冬は困難。わが国西南の暖地や沖縄では畑で栽培できるが、なかなか開花しない。  高さ1〜1.5mになる多年草。葉は線形、長さ50〜60cm、幅約1cm、先は下垂しない。ススキに似ている。

名前の由来:葉にレモンのような芳香のある草による。

採取時期と調整法:使用する直前に採取し、そのままを使用し、乾燥しない。乾燥中精油分か少なくなるからである。また、必要があって乾燥するときは、葉を刻み、風通しのよい日陰に広げ、 急速に干すことが必要。

成分:わが国での最近の学会発表によると、レモングラスに血圧降下作用や血小板凝集抑制作用のあることが相次いで明らかにされた。血圧降下作用は、主要成分であるシトラールであるとされている。また血小板凝集抑制作用は、シトラールのほかに含まれているゲラニオールやネロールに強い作用のあることが発表にな った。脳血栓、脳梗塞、心筋梗塞の予防に用いるとよい。

薬効と用い方:
脳血栓、脳梗塞、心筋梗塞の予防に:
刻んで陰干しにした葉を茶こしに入れて熱湯を注ぎ、お茶代わりに飲む。
つづけていると効果があらわれる。インドでは、その日に採取した葉を刻んで、水と氷を加え、市場で売っている。手元にあれば健康飲料として飲むとよい。
その他の用途:
せっけんや合成香料に:
葉より水蒸気蒸留によってレモングラス油をとり、せっけんや合成香料とする。レモングラス油はシトラールを85%も含み、これを原料としてスミレに似た香りのヨノンを合成し、バイオレット系の香料にする。 (伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8711 ピーマンとは(シシトウ) 八百屋の店頭でおなじみのピーマン。緑色のピーマンは青くささがあるので、人によってはきらうが、ビタミンA・Cが多い緑黄色野菜の代表。栄養たっぶりの健康野菜である。  
ブラジル原産で、トウガラシの仲間。明治の初めに日本に入っ たが、当時は気ちがいナスと呼ばれ、あまり食べられなかった。 一般化するのは、昭和25年ごろからである。熱帯では多年草で木状に伸び、温帯では1年草として栽培される。出盛りは8〜9月だが、最近はビニール栽培の発達で、一年じゆう栽培、出荷される。また、品種改良が進んで、青ぐさみのないものが売られている。ビニール栽培より露地栽培のほうが、ビタミン含有量は多い。

黄や赤のピーマン:若い果皮は、つややかな緑色だが、熟するにつれてカプサチンという赤色色素がふえ、黄、朱、赤へと色が変化してゆく。日本では青いほうが好まれるが、ヨーロッパでは赤いピーマンがよく料理に用いられる。赤いほうがカロチンが多く含まれ、体内でこのものがビタミンAに変わる。

名前の由来:ピーマンはフランス語のピマンから由来し、辛みのない甘いトウガラシという意味。

成分:可食部100g中、ビタミンA150IU、カロチン270μg、ビタミン C80mg、ちなみにトマトはビタミンC20mg。最近の研究では、ガン抑制効果がある野菜の中に、ピーマンがあげられている。

薬効と用い方:
健康増進に:
ピーマンは、焼く、いためる、 揚げる、生食といろいろに調理される。特に油との相性がよい。和洋中とどんな料理にも向くので、毎日の食卓に加えてほしい。
ガン予防に:一つの方法として、ミキサーに種子を除いたピーマ ン1個と生卵1個を入れ、牛乳200ccを加えて数秒攪拌し、朝食前 に服用するとよい(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8712 コーヒーノキとは 原産地はエチオピアの山岳地帯1400〜1800mの高地。古い時代より、 葉や果実をせんじて飲用、また薬用にしていたが、13世紀ごろアラビア商人によってアラビア半島に移植栽培が始まると、コーヒ ーの飲用はヨーロッパ中に広まってゆく。

栽培品種いろいろ:
1)アラビアコーヒー:
エチオピア、スーダン原産で、樹高約6〜8m、樹幹は緑灰色、枝は水平に出て先は下垂する。葉は対生。果実は楕円形で長さ1.2m、熟して濃紅色。コー ヒーの最優良種で、世界の消費量90%はこれである。南アメリカ、 アフリカなど熱帯地方で栽培される。
2)ロブスターコーヒー:中央アフリカのウガンダ原産。葉は大きく、淡緑黄色、質は薄い。果実は小さいが種子は大きく、アラビア種の補給用。品質はアラビア種より劣る。インドネシア、ジャワ、インドに栽培。
3)ブルーマウンテン:香味がすぐれているが生産量が少なく、価格は世界で最も高い。西インド諸島のジャマイカの1000‐2000mの高地に栽培される。

名前の由来:エチオピアの西南部の原産地にカファという地帯があり、この地名よりコフェーアの学名がつけられ、アラピカはアラビアで栽培されているのでつけられた。英語のコフィーも、フ ランス語のカフェも、エチオピアのカファに由来する。

採取時期と調整法:産地により収穫時期を異にするが、果実は脱殻、選別などをへて生豆を得る、その間にコーヒ豆は発酵し、 独特の酸味を帯びる。

薬にはしないが興奮剤に:コーヒー豆にはアルカロイドのカフェインが含まれ、このものは中枢神経、心臓、腎臓の興奮作用がある。コーヒーの濃いものを飲むと眠れなくなるのは、中枢神経の興奮作用によるもの (伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8713 カカオノキとは 南アメリカ熱帯地方原産の常緑樹。チョコレートやココアはこの木の種子から作られるので、わが国の植物園で温室に入ると、 ほとんどのところで見られる。  葉は長楕円形で大きく、長さ30cmほどになる。大きな特徴は、 花が太い幹に直接つき、花後の果実も子どもの頭くらいの大きいのが直接幹につく。一般の植物では、樹木のものは幹より小枝を出し、その先に花柄をつけた花が咲き、花後そこに果実ができるのがふつう。このカカオは太い幹に直接つくので、たいへん珍しく奇異な感じがある。萼は桃色、花弁は黄色で5弁からなり、雄しべ10本、うち5本は退化して小さい。雌しべ1本。年間を通して開花するが、結実するのは200〜300花に1個ほど。果実は長さ約20cm、径10cmの紡錘形で縦溝があり、濃黄色に熟し、20〜50個の 種子がある。

チョコレートとココア:種子を木箱に入れ、特殊な方法で発酵させると、香気が出て種子の表面は赤褐色となり、これを乾燥したものがカカオ豆。カカオ豆の種皮を除いて粉末にし、砂糖、ミルク、香料を加え、固めてチョコレートを作る。また粉末を圧搾して脂肪をとり除いたものがココアである。

名前の由来:メキシコ土語より転訛したスペイン名。中央アメリ カのアステカ族、マヤ族は、この樹木や実をカーカーアトルとか カカウと呼んでいたのが、語源とされる。

成分:種子にアルカロイドのテオブロミン約3%、カフェインは少量の含有で約0.08%、脂肪約50%、その他デンプン、タンパク質、 タンニンなどを含む。  

薬効と用い方:
脂肪は痔の坐薬原料に:
脂肪はカカオバターと呼び、人間の体温で軟化するのを利用して痔の坐薬原料とする(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8714 エブリコとは(えぶりこ) 日本では栃木県日光の高層湿原戦場ケ原以北、北海道に産し、サハリン、千島列島、シベリア、中国東北地区、北ヨーロッパ、 北アメリカなど北半球に分布する。  
カラマツの幹の高いところに寄生する多年生菌。北海道ではエゾマツに寄生する。キノコが白く、カラマツの幹が灰褐色か黒に近いので、遠くからでもよく見える。子実体は笠、柄の構造ではなく、笠の部分のみが大きく発達、その側面が幹に直接につき、 笠の下部が下のほうに団塊状にふくらむようにつく。幅約15cm、 高さ約15cmに達するものがある。笠の表面はのち灰黄色に染まり、 黄褐色の斑点ができ、こまかい切れ目があらわれる。底面は白色、 多数の小孔があり、実質は白く、もろく、苦みかおる。

名前の由来:アイヌ語のエプルクよりエブリコに変化したのではなかろうか。知里真志保著作集の『分類アイヌ語辞典・植物編』 平凡社刊)によると、エブリコのアイヌ語名が8点示されている中で、エプルクがエブリコに最も近い発音である。  
戦場ケ原付近では、エブリコをブクリョウと呼び、キノコを削ってその粉を飲むと胃痛に効くというので、茶店の店頭でエブリコを売っていた。昭利30年代ごろまではよく見かけたものである。

成分:有機酸の三塩基性のアガリチン(アガリチン酸)を含み、 トリテルペノイドの四環性トリテルペノイド、エブリコ酸が知られている。

薬効と用い方:
アガリチン製造原料に:
エブリコを原料にアガリチンを製造し、肺結核患者の寝汗を防ぐ制汗薬として用いられた。日本薬局方にアガリチンの名で収載さ れていたが、第六改正版より削除された。アガリチンは毒性が強 く、下痢を起こす副作用から現在は用いられない。
胃痛に:北海道のアイヌや栃木県日光地方で服用されていた(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8715 イワタケとは 本州、四国、九州の特産。高山の中腹の岩場に産し、山頂近くには産しない。埼玉県秩父地方は有名である。  
山地、深山の断崖絶壁の岩場に着生する地衣類。食用になるので、古くより知られている。不規則な円形で、直径5〜10cm、黒 いラシャ紙のような厚みのある革質で、もろい。表面は灰褐色、裏面は黒色で中央にへその部分があり、このへそで岩石に着生し、 へその周辺に短毛が密生。子嚢は円筒状で、8個の胞子を入れる。

類似植物 オオイワブスマ:北海道、本州中部以北の高山に産し、 北アメリカに分布する。標高2500m級の岩場につき、葉状は円形に広がり、径4〜6cm、革質でかたくもろい。表面灰褐色、いぼ状の突起がある。裏面は黒く、顆粒状。

名前の由来:岩場に生えている茸なのでイワタケ(岩茸)となっ た。わが国特産で漢名はない。和製漢字で、岩茸、石芝などと書く。

採取時期と調整法:春、夏、初秋に、岩場より採取し、そのまま日干しにする。絶壁に生えるので、採取には熟練を要する。

成分:フェノールカルボン酸の2分子がエステル状になったものをデプシドという。このデプシドタイプの成分が地衣類に多く含まれ、イワタケにはギロフォリン酸が知られている。また多糖類のグルカンも含み、これに制ガン作用があるとされ、注目されている。

薬効と用い方:
1)目を明らかにして視力を増すのに:
イワタケ一晩水につけ、両面に着いている砂などをいぇでもみ洗ってよく落とすと、イワタケは紺色になる。もみ洗っ てもちぎれないし、特有の粘りが出る。これを約20gゆでて、こ の汁を飲み、あとでこのイワタケを食べるとよい。
2)下痢に:上と同じ方法で、汁を飲む(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8716 イヌガンソクとは 山地の陰湿な沢筋などに多く、わが国各地に見られる大形のシダ。朝鮮半島、中国、ヒマラヤに分布。  根茎は短く、走出枝を出さない。栄養葉は胞子葉より長く伸び、下部は狭くならないので、クサソテツと区別することができる。 胞子葉は特異な形で羽片は線形、縁は内側に曲がり、中に胞子ができる。秋から冬に栄養葉が枯れると、胞子葉は褐色に変わりそのまま残るので目立つ。

類似植物 クサソテツ:イヌガンソクはクサソテツの仲間。クサソテツは山菜として知られるコゴミのこと。クサソテツはウラボシ科のクサソテツ属。イヌガンソクはウラボシ科のコウヤワラビ 属。同じ科で属を異にしている。葉柄の表面にへこんだ溝のあるのがクサソテツ、溝のないのがイヌガンソクである。

名前の由来:クサソテツは、胞子葉が雁の足に似ているというの で、雁足とも呼ぶ。クサソテツにくらべて、葉が大きく荒くれたようで、食べられないのでイヌガンソクとなった。

採取時期と調整法:秋に根茎を採取し、細根を除き、刻んで日干しにする。

成分:化学的な成分としてフロログルシノールを含むことが知ら れていたが、近年イヌガンソクの根茎より新しい成分が発見され、 糖尿病の血糖値を下げる作用があることがわかった。糖尿病は視力障害、賢障害のほか動脈硬化、神経障害や、脳梗塞、心筋梗塞と恐ろしい合併症が出てくる。新しい成分とは10種類のフラボノイドのほかに新しい二つのフラバノン配糖体の発見であった。白内障や神経障害に対し効果があることが発表された。

薬効と用い方:
糖尿病に:
根茎に血糖降下作用のあることの発見は動物実験の結果であるが実用にはこ れからの研究に期待したい(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8717 ヤブソテツとは(貫衆/かんじゅう) 本州、四国、九州に産し、朝鮮半島、中国に分布する。  
常緑性で低地の山林内や石垣などに見られる。根茎は短く、やや斜め上に伸び、葉を束生し、高さ30〜80cm。葉柄の基部に濃褐 色か黒褐色の大きい鱗片が密につき、上部の鱗片は小さい。葉面は紙質で光沢がなく、1回羽状複葉、羽片は15〜25対につく。胞 子嚢群は円形の包膜をもち、羽片の裏側に散生する。

類似植物:
1)オニヤブソテツ:
海岸の岩の上、石垣に生える常緑性で、ヤブソテツより葉は厚く、光沢があり濃緑色、羽片は披針形か広卵形で全縁。鱗片は黒褐色、へりは淡褐色。
2)ヒロハヤブソテツ:常緑樹の下に生える常緑性多年草。葉は長さ 60〜80cm、羽片は3〜8対、幅広く、基部は円形、先は長く伸びる。胞子嚢群は裏面に放生、包膜は灰白色で縁に鋸歯がなく、早く落ちる。ヤブソテツ、オニヤブソテツより羽片の数が少ない。
3)メヤブソテツ(イワヤブソテツ):石灰地帯に生える常緑性で、 葉は長さ40〜80cm。羽片は3〜6対、ゆがんだ三角状披針形で先 は細くとがる。胞子嚢群は裏面に散在、包膜は円形、縁に鋸歯がある。羽片の基部が著しい耳状突起となっているのが、ヤブソテ ツや他の類似シダと違っている。

名前の由来:藪蘇鉄の意である。葉の出ている様子がソテツ(蘇鉄)に似ていて、生えている場所が多くは藪(やぶ)、これによりヤブソテツになった。中国では貫衆、貫節、貫渠などと書く。

採取時期と調整法:7〜8月に根茎を掘り、水洗いのあと刻んでから日干しにする。

成分:クロログルシノール誘導体が含まれ、十二指腸虫、条虫駆除作用がある。また昆虫変態活性があるとの発表がある。

薬効と用い方:
条虫・十二指腸虫駆除に:
副作用が強いので一般には使用されないが、駆除作用は強い(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8718 ミツイシコンブとは(昆布/こんぶ) 北海道日高沿岸を中心に、函館の一部、室蘭、十勝などの沿岸に産し、青森、岩手の両県沿岸にも分布する。  
根は繊維状でこまかく叉状に分かれ、茎は円柱状で長さ5cm ほど。葉は幅5〜15cm、長さ2〜8mと帯状で長い。色は緑褐色。

名前の由来:アイヌ語のコンプまたクンプがコンブになったものであろう。漢名昆布または綸布(こんぶ)は唐時代に用いられていた記載がある。

採取時期と調整法:夏に採取し、日干しにする。市販品を求める。

成分:『四訂日本食品標準成分表』によると、可食部100g(素干し)中、タンパク質7.7g、脂質1.9g、糖質56.1g、無機質のカルシウム 560mg、リン230mg、鉄5.1mg、ナトリウム3000mg、カリウム3200mgと記載がある。糖質が多いがこれらは粘質多糖類で、アルギン酸が主成分である。昆布の乾燥した表面の白い粉はマンニットで糖アルコ ール。なめると甘い。コンブに約23%を含む。タンパク質を構成するアミノ酸は約20種類以上もあり、昆布だし特有のうまみはアミノ酸の一種グルタミン酸ナトリウム。また、新成分として高血圧症の予防、治療に効果のあるラミニンも報告されている。

薬効と用い方:
1)動脈硬化症の予防に:
コンブのラミニンや力リウムは血管の硬化を防ぐ作用がある塩分のとりすぎは動脈硬化の原因となるが、コンブの多量のカリウム は塩分の塩化ナトリウムを分解、塩化カリウムとなって排出される。コンブをなるべく多く摂取することをすすめたい。
2)その他の用途 アルギン酸の精製と利用:コンブを希硫酸で処理 し、希アルカリ溶液で抽出すると粘調液が得られ、これに酸を加えるとアルギン酸となるので、これを乾燥する。このアルギン酸を、
1.清酒、ビールなどの清澄剤
2.水性塗料
3.織物、捺染仕上げ、防水の粘料
4.製紙の糊料など
工業用に利用される(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8719 フクロフノリとは(鹿角菜/ろっかくさい) 北海道より沖縄北部に広く産し、朝鮮半島、サハリン、千島列島、アメリカ西海岸に分布する。  
藻休は暗紅色か褐紅色。円柱状か扁平で、大部分は中空、叉状分岐を繰り返す。粘滑質で、質は薄くやわらかく、革質で強靱。 高さ3〜10cm、直径は2〜5o。時期によって藻体に変化がある。 冬から初夏に繁殖する1年藻。

名前の由来」『和名抄』(937年)に海蘿(かいら)をあげ、和名を不及利(ふのり)とし、 俗に布苔を用ふと記してある。中国では海蘿は六角菜の別名でフクロフノリを当てている。『延喜式』(927年)に、鹿角菜を布乃里と読むとし、参河(みかわ)、尾張、伊勢、紀伊、阿波より献上された記載がある。藻体が袋状で、フは布、ノリは糊から由来する。布を洗濯するとき仕上げをよくする目的に用いる。フクロフノリは粘液質が多く、煮ると糊状に粘る。フクロフノリは袋布糊の意である。

採取時期と調整法:春より初夏に採取し、日干しにする。市販品を求める。

成分:粘液質のアガロビオーゼを含み、そのほか次のビタミンを含んでいる。100g中にビタミンB1 245mg、B2 1460mg、ナイアシン2380mg、 パントテン酸585mg、ビタミンB12 1.52mg。

薬効と用い方:
1)痰とせきの出るときに:
日干しにしたもの約5gを水400ccで煮る。冷めてから2〜3回に分けて服用する。
2)便秘に:夜、コップー杯の水に約2〜3gのフクロフノリの乾燥したものをつけておき、翌日食事前の空腹時にこれを服用する。
★洗濯用ふのりは、製造するときカセイソーダを加えてあるので、使用しないこと。
3)その他の用途 糊料に:採取した原料藻を水でさらし、脱塩し、浅草のりのように乾燥する。絹布や綿布の糊つけに用いる(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8720 ワカメとは(若布/わかめ) 北海道の礼文島より以南、室蘭以西、太平洋岸(伊豆七島、土佐を除く)、九州などの湾口近くや内海、日本海側などわが国の特産。朝鮮半島にも分布。  
葉は深く羽状に裂け、粘液質でやわらかく、褐色または緑褐色。
長さは60〜80cm、幅30〜40cm。根は繊総状で叉状に分岐する。葉の主脈は厚く明瞭で、下部は茎につづく。

名前の由来:『延喜式』(927年)、『和名抄』(937年)、『本朝食鑑』(1697年)などの文献によると、ワカメの古語は若布、またメとも読んでい た。「若生の品を珍重するので、若芽、それで若布となった」と、 海藻学者岡村金太郎著『趣味から見た海藻と人生』(1923年)の中で記している。

採取時期と調整法:春より初夏に採取し、日干しにするが、市販品を求めるのがよい。

成分:『四訂日本食品標準成分表』によると、ワカメ素干しの可食部100g中、タンパク質15g、脂質3.2g、糖質35.3g、繊維2.7g、灰分30.8g、カルシウム960mg、リン400mg、鉄7mg、ナトリウム6100mg、 カリウム5500mg、ビタミンA、カロチン3300μg(A効力国際単位)、ビタミンのナイアシン8mg、アスコルビン酸C15mgが含まれる。ワカメの粘質物はアルギン酸で約20%が含まれる。

薬効と用い方:
1)動脈硬化の改善、脳卒中の予防に:
アルギン酸がワカメの中に含まれる多量のカリウムと結合してアルギン酸カリウムとなり、脳卒甲や動脈硬化の引き金とされる塩分のとりすぎを調整する。ワカメ料理をたっぶりとることをすすめたい。
2)アルギン酸ナトリウムの精製と利用:ワカメ、コンブその他の褐藻類の海藻を原料としてアルギン酸ナトリウムを精製し、医薬品として血漿増量剤や下剤などに用いる(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8721 カイニンソウとは(マクリ、海人藻/かいにんそう) 鹿児島県甑(こしき)島列島、沖縄県各地の海岸に産し、台湾海峡の東紗群島、南シナ海の海南島、台湾付近に分布する。  
藻体は円枝状のひも様で、二叉状、また不規則に分枝し、径3〜7o、長さ5〜25cm。毛のような小枝でおおわれる。質はかたく軟骨様。色は暗赤紫色、暗灰赤色、褐色、黒褐色など。低潮線付近より漸深帯の岩上に生ずる。

名前の由来:海藻をカイニンソウと呼び、これを乾燥したものを マクリと生薬名で呼ぶ。カイニンソウは海人草、海忍草とも書く が、一般に海人草を用いる。古い中国の文献に出ていないので、 カイニンソウもマクリもわが国古来の名称のようである。

採取時期と調整法:6〜10月に潜水し、岩石に着生するのを採取 し、海浜で日干しにし、付着する土砂や他の藻をとり除く。

成分:アミノ酸の特殊成分、αーカイニン酸を主成分とし、微量のαーアロカイニン酸を含み、このほか酸類のクエン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、糖類のαーマンニット、アミノ酸のアルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、 ロイシンなどのほか粘液質を含んでいる。

薬効と用い方:
1)回虫駆除に:
1日量としてマクリ約10gを水200〜400ccで煎じて空腹時に2回服用する。」
生ショウガを適当に刻み、加えてせんじると飲みやすい。
2)カイニン酸製造原料に:日本薬局方にカイニン酸の名で収載されているが、マクリを原料に製造する。白色の結晶性粉末である。
回虫駆除薬として1日量5〜20ccを用いる。サントニンを加えると、相乗効果でさらによい駆虫効果が得られる。
3)回虫王国日本とマクリ:わが国は回虫王国という時代があって、マクリが民間薬として活躍した。戦後、水洗トイレの普及と食生活や環境改善により、現在回虫はほとんど姿を消した(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8722 シランとは 山地の草原湿地などに野生する多年草で、庭先でも簡単に栽培できる。野生のランのほとんどが、栽培がむずかしい中で、このシランは特異な存在。5月ごろ、紅紫色の美しい花を花茎 の先に数個つけるが、この花の姿から「紫蘭」の名が出た。最近は観賞用として盛んに栽培され、白色の花もときに見かける。地下には扁球形の白色肉質の球茎が、横に、数珠つなぎのよ うに連結して伸びている。この球茎の皮をはぎとり、ゆでて、日干しにして保存し、胃カタル などで痛むときに、1日3〜5gをせんじて飲む (伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用)(画像はこちら
8723 ススキとは(イネ科) 秋の七草の一つ尾花である。その銀白色に輝 く花穂をさして、尾花と呼ぶのであろうが、ススキの漢学名は「芒」と書く。「カヤ」と呼ぶ地方も多い。ススキを刈りとり、屋根材にしたことから、「刈屋根」の名が出て、のちに「り」と「ね」か省略方れて、かやとなったのだと言われる。  
春先、ススキの葉が発芽する前に、地下の根茎を掘りとり、水洗いして泥を除いたあと、こまかく刻んで日光に干す。そのまま保存し、かぜのとき解熱剤として使用。―日量6〜15gを、水300ccで1/2量までせんじ、1日3回服用すると効果的(画像はこちら)。
8724 タケとは(竹) 竹細工職人など身近に竹を扱っている人は癌になる人がいないと言われ、笹とともに癌を予防するともいわれている。 竹を火に炙ってでてくる竹油(竹瀝)を毎日飲むと喘息によいともいわれる。漢方でも痰の切れをよくし、咳を治すとされています。一日1回、小匙一杯か二杯で肺炎の熱も下げ、少しずつ舐めていると喉の炎症にも効くといわれる。 笹か竹葉を煎じて飲んでいると、吐血、下血、鼻血がよくでる人、月経が長引く女性、老人の不眠症にもよいそうです。 竹の表皮をけずりとった内側(甘肌、漢方では竹如と言います)を大匙三杯から四杯を煎じて飲んでいると、夜尿症も治るそうです。 二日酔いには、笹か竹の葉を濃く煎じて飲むと直ぐに治るそうです。 熊蜂に刺されたときは、この煎じた液を飲むのではなく、手拭に浸して患部に当てるのだそうです。山歩きで蜂に刺されたときには、役立ちそうです(画像はこちら
8725 ヒメヨモギとは 山の乾いた草原にはえる多年草で、茎は高さ1〜1.2m、しばしば紫色を帯びる。地下茎は長く横にはう。茎はかたく、上部は分枝する。葉は互生し、長さ3〜7cmで羽状に深裂し、下面は灰白色。8〜9月円錐花序を作り、褐色の小さい頭状花をつける。
分布 本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸(東北部)、台湾(画像はこちら
8726 プラスター剤とは プラスターとは硬膏のことで、パップ剤とは構造が異なり、脂溶性の高分子の基剤に成分を含んでおり、水分は含まれていない。このことから、主に温熱療法に用いられる。また、粘着力が強いので、大きさも親指大ぐらいからある。
8727 アスパラギン酸ナトリウムとは 正式には【L-アスパラギン酸ナトリウム】。 もともと、L-アスパラギン酸は水に溶けにくいので、溶けやすく添加物として使用できるように水溶性のナトリウム塩にしたものが、L-アスパラギン酸ナトリウム。 アスパラギン酸ナトリウムは白色の結晶で味にさわやかな酸味があるので、食品の酸味改良や味にコクをつけるために清涼飲料をはじめとするさまざまな食品に添加されている。
8728 ゴオウチンキとは 牛の胆のうもしくは胆管内にまれに見つかる結石から製したチンキで、滋養強壮剤として医薬品に広く使用されています。
☆鎮静・強心・解熱・解毒(画像はこちら
8729 イカリソウエキスとは メギ科ホザキノイカリソウなどの地上部から製したエキスで、強壮薬として用いられます。 ☆強壮・インポテンツ・婦人の不妊症(画像はこちら
8730 ロクジョウ流エキスとは 鹿の角化していない幼角から抽出した流エキスで、強壮薬として虚弱体質などに用いられます。 ☆造血作用の促進・強心(画像はこちら
8731 ニンジンエキスとは 薬用人参とも呼ばれるウコギ科オタネニンジンの根のエキスで、虚弱体質や血色不良、冷え性などにすぐれた滋養強壮効果をあらわします。 ☆ 強壮・強精、健胃、鎮静薬(画像はこちら
8732 シベットチンキとは 雄の麝香猫(ジャコウネコ)の生殖器の近くにある、麝香腺分泌物を乾燥したもの。雌の分泌物には不純物が多いため、生薬としては雄のもののみを用いる。
効果:

強心、中枢興奮、血流増加、消炎、鎮痛 糖、脂質代謝促進 弱った体力を回復させる
ちなみにジャコウネコはジャコウネコ科に属する哺乳類の総称です。ネコに似た外見をしていて、オス、メス共に性器のそばにある会陰腺から独特のにおいの分泌物をだします。生息地は東南アジア、ヨーロッパ南部、アフリカなどに生息しています(画像はこちら)(画像はこちら)。
8733 セイヨウサンザシエキスとは 様々なフラボノイド成分が含まれており、これが全毛細管に対する血管運動と毛細血管保護作用により、毛細血管のうっ血を抑制し、皮膚の炎症を軽減させることが知られています。また、皮膚の炎症を鎮静します(画像はこちら)。
8734 オロチン酸コリンとは オロチン酸コリンは、代謝を活発にする作用があり、ビタミンB13といわれているオロチン酸にコリンが結合した成分で疲れた体を休めたいとき、バランスを考えたいときに嬉しい成分です。
8735 麦門冬流エキスとは/バクモンドウ流エキスとは 麦門冬流エキスにはのどに絡んで切れにくい「たん」,せきこんで吐きそうになるような「せき」,「からせき」 などの鎮咳去痰作用があり,カンゾウの解毒作用により,配合薬間の調和をはかります(画像はこちら)。
8736 シアノコバラミンとは 別名ビタミンB12、ヒドロキソコバラミン。水溶性のビタミンで別名「赤いビタミン」。悪性の貧血?を予防する性質が注目を集めているビタミン。赤血球の産生を助ける効果がある。 葉酸と協力して赤血球が正常に生まれるのを助ける作用がある。イントロ部で記述した悪性貧血とは、ビタミンB12が不足する為に赤血球が正常な細胞になれずに、赤血球が不足する事による症状を指し、一般的な貧血よりも治りにくいのが特徴。 ビタミンB12のそのほかの作用としては、神経細胞の中の核酸やタンパク質などの合成と修復に欠かす事のできない栄養素の一つ。また過剰摂取することによる心配はない。 ビタミンB12を多く含む食品としてレバーなどの肉類、牡蠣、サンマ、あさりなどの動物性食品にしか含まれていない。そのため、菜食主義の方には不足する栄養素ですので、そういった方はサプリメントなどを通じてビタミンB12を積極的に摂取するようにしたほうがよい。
8737 グリチルリチン酸モノアンモニウムとは グリチルリチン酸モノアンモニウムは抗炎症剤で炎症した部位を、修復しながら鎮めてくれます。
8738 ムメフラールとは ムメフラールは、青梅を搾った果汁を煮詰めた梅肉エキスに含まれている成分である。 ムメフラールは、クエン酸と糖が結合した複合体で、血流を改善する効果があるといわれています。 生の梅には、ムメフラールは含まれておらず、梅の果汁を煮詰めて梅肉エキスを作る過程で生成物質である。 ムメフラールは、血流を改善することで、疲労回復や血圧の上昇抑制効果などの効果を発揮して、いろいろな生活習慣病に対しても予防するといわれています。
8739 宿存萼 とは(しゅくそんがく) 萼が開花後も落ちずに、果時まで残っている場合もある、このような萼を宿存萼とよび、ホオズキ (ナス科) のように花後に成長する例もある (図はこちら)。ツクバネウツギ (スイカズラ科) の宿存萼は果実の翼になり、イノコズチ (ヒユ科) の宿存萼は鉤になってそれぞれ種子散布に役立つ。
8740 カンゾウ末とは(甘草末) 鎮痛鎮痙、解毒、去痰薬として古くから使われてきた生薬で、生薬製剤や漢方製剤の多くの処方に配合されています。 マメ科のカンゾウの根を乾燥させたもの。

性状:甘い、特に主成分のグリチルリチンは蔗糖の150倍の甘さ

成分:glycyrrhizin2-6%含有、glabric acid、liquiritin、isoliquiritin、licoricidin、

薬理作用:抗消化性潰瘍作用、胃上皮増殖促進作用、胃粘膜障害防止作用、鎮咳作用、抗炎症作用、解毒作用、抗菌作用、鎮痙作用他多くの薬理作用が報告されています。

薬効と用い方:漢方処方の要薬で主要処方の70%以上に配合され、風邪薬、解熱鎮痛薬、鎮痛鎮痙薬、鎮咳去痰薬、健胃消化薬、止瀉整腸薬等に配合されています。
副作用:甘草並びに主成分のグリチルリチンは大量に使用すると、ナトリウム貯留、カリウム排泄促進が起こり、浮腫、高血圧、四肢麻痺、低カリウム血症等の偽アルドステロン症が現れることから、1日最大配合量が甘草1g以上、グリチルリチン40mg以上含む製剤については、服用前には、血圧の高い人または高齢者、心臓または腎臓に障害のある人、むくみのある人に注意を喚起する。 なお、一日量中の甘草の含有量が上記より少なければ副作用の心配はありません。
一口メモ:甘草は字のごとく味が甘く、性質が穏やかなことから、タバコやキャンディーに加えられ、また醤油や飴だきに欠かせないものとなっています。漢方処方には従来の薬効の他、他薬の薬効を高め、毒性を抑える目的で、大棗(なつめ)、生姜(しょうが)と共に配合されます(画像はこちら)。
8741 ケイヒとは ケイヒは桂皮と書き、圭(けい)の木の皮を乾燥させたもので、独特な甘い香りのため、生薬や香辛料・化粧品原料とされています。 ケイヒは、国によって呼び方が違い、若干成分も異なります。 ベトナムや中国産のものはカシア、セイロンやインドネシア産のものはシナモン、日本産のものはニッケイです。
ニッケイ 学名:Cinnamomum okinawense 分類  クスノキ科
種類 :常緑高木
原産地:スリランカ、南インド
ケイヒの効果・効能: 健胃、発汗、解熱、鎮痛
利用:香辛料・化粧品原料として・・・ 菓子の香料(ニッキ飴やニッキ水など)
漢方薬:桂枝湯・桂枝加芍薬湯(画像はこちら
8742 バルサムとは バルサムとは、マメ科で樹脂から抽出され、バニラを思わせるようなとっても甘い香りを放つ精油です。 香料としては、ガムやアイスクリームなどにも使われています。
1.バルサム精油のおすすめ症状(効用):
1)ストレスを感じる解放したいときに
2)緊張感を緩めたいときに
3)むくみを緩和したときに
4)気管支炎などの症状の改善に
5)吹き出物の治癒に

2.バルサムと相性のよい精油 :
1)イランイラン
2)シダーウッド
3)シナモンリーフ
4)ジャスミン
5)バニラ
6)ラベンダー

3.注意事項:
刺激が強いので使用量には注意が必要です。 妊娠中の使用は注意が必要です(画像はこちら)。
8743 配糖体とは 配糖体とは:
糖類とアルコールやフェノールなどの水酸基を有する、有機化合物とが結合した化合物を指し、これらは植物体に広く存在し、サポニンやジキタリスなどは代表的なものです。  

強心配糖体とはステロイド配糖体の総称である:
心筋に作用するステロイド配糖体を指すが、この強心配糖体は相当数が知られていて、特異的な構造を有するのですが自然界には広く分布しています。 通常、強心配糖体は薬理作用が著しいので劇薬に相当するものですが、中毒症状を起こす量と薬効果を示す量の差が少ないので、薬用として用いられるのはジギタリス等の一部の植物に限られ、普通は致死性有毒成分を含む有毒植物に分類されています。  モロヘイヤの場合、食用とは言うものの、その植物体全体が必ずしも安全とは限らないことを示しており、成熟した種子にはストロファンチジンという強心配糖体が含まれていて、その有毒性はアフリカ原住民が、矢毒として使用していたものと同成分と考えれば理解し易いでしょう。  モロヘイヤの葉には、強心配糖体であるストロファンチジンが含まれていないことが確認されている。
8744 樹木の葉の形と葉の縁の種類とは 1.樹木の葉の形(図参照
1)楕円形
2)卵形
3)披針形
4)倒披針形
5)腎形
6)心形
7)線形
8)へら形

2.葉の縁の種類(図参照
1)全縁
2)鋸歯
8745 樹木の葉のつき方とは 1.葉の形(図参照) 
1)互生
2)対生
3)輪生
4)束生
5)奇数羽状
6)偶数羽状
7)2回偶数羽状
8)3回奇数羽状
9)3出奇数羽状
10)2回3出奇数羽状
11)掌状
12)つばさ
8746 メラミンとは、メラニンとは 食品にメラミンが混入したことによる健康被害が中国を中心に起こっています。皮膚のシミの原因であるメラニン(色素)と混同されがちです。
1)メラミンについて
中国で化学物質メラミンに汚染された粉ミルクを飲んだ乳幼児が腎臓結石になった(2008年)。
メラミン(melamine) は、構造の中心にトリアジン環を持つ有機窒素化合物の一種です。ホルムアルデヒドとともに、メラミン樹脂の主原料とされています。メラミンは通常、尿素から作られます。触媒を通じて気体を得る方法と、水溶性であることを利用して高圧力によって液体を得る方法があります。メラミンはホルムアルデヒドと反応し、メチロールメラミンを生成します。メチロールメラミンは熱硬化性樹脂(メラミン樹脂)の原料となり、生産されるメラミンのほとんどが合成樹脂用に利用されています。 メラミン樹脂は耐熱、耐水、機械強度などの点で優れ、工業的に大量に製造されています。  
メラミンが食品に混合される場合、その目的はタンパク質の量を偽装するためです。通常、タンパク質量は窒素量で計測してるので、検査のときにあたかもタンパク質量が高いような検査結果が出ます。精密な測定をしなければ判別できません。メラミン以外にもタンパクを偽装する目的で含窒素化合物(シアヌル酸、アンメリン、アンメリド等)が添加される例があります。日本でもこの目的で窒素化合物(アンメリンが使用された)を混ぜてタンパク質量を多くみせかける手法が実際にありました。中国製粉ミルクでは薄めた牛乳のタンパク量を増量する目的で加えられたことがわかっています。メラミンそのものの毒性は低いのですが、尿中でメラミンとシアヌル酸とが化学反応し生成した結晶(シアヌル酸メラミン:メラミンシアヌレート)が腎不全を引き起こしたと考えられています。

2)メラニン (melanin) は、人体において形成される色素です。メラニン色素ともいわれ、黒褐色のユーメラニン(真性メラニン)と、橙赤色のフェオメラニン(亜メラニン)の二種類があります。皮膚の表皮最下層の基底層や毛髪の毛母などにあるメラノサイト(色素細胞)で、アミノ酸の1種であるチロシンを原料に複雑な過程を経て生成されます。なお、遺伝的にメラニンが合成されない個体をアルビノといい、こうした個体は皮膚ガンになりやすいことが知られています。メラニン色素がないと紫外線を吸収できないので、太陽光線による細胞のダメージを防ぐ事ができないためです(シックハウス診断士(一級):斎藤盛一参照) 。
8747 塩化セチルピリジニウムとは 塩化セチルピリジニウムは口内に繁殖しやすいレンサ球菌やブドウ球菌などの病原細菌を死滅させる殺菌剤であり、咽頭炎、扁桃炎、口内炎に用いられます。抗生物質などに耐性を示すブドウ球菌にも効力を発揮します。
8748 塩酸プソイドエフェドリンとは 内服用の鼻づまり薬として広く用いられてきた医薬品である。
塩酸プソイドエフェドリンは覚醒剤の原料となる。また塩酸プソイドエフェドリン自体に覚醒作用があるため、塩酸フェニレフリン内服に転換する動きが広がっている。日本では塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)の代替としてOTCの鼻炎薬に配合されている(出血性脳卒中との発生リスクのため発売中止)。アメリカ国内では処方箋の必要がないOTCであるにも拘らず、薬剤師や従業員の管理下に置かれている場合が多い。カリフォルニア州法では一度の購入は2箱までに規制されている。 アメリカ国内での覚醒剤合成には塩酸プソイドエフェドリンを原料とするものがほとんどである。
8749 ヘスペリジンとは ヘスペリジンはかつてビタミンPと呼ばれたビタミン様物質で、 レモンやオレンジなど柑橘類の果皮に多く含まれる成分です。なぜビタミン様(よう)物質と呼ばれているのかというと、 最初は、人間が生きて行く上で必須の成分(ビタミン)と考えられていましたが、その後ビタミンではないことがわかり、 現在は、フラボノイドのひとつに分類されている。 植物に含まれているフラボノイドのヘスペリジン、ルチン、ケルセチンなどをまとめて「ビタミンP」ということがある。

ヘスペリジンの作用:ヘスペリジンの作用は「毛細血管の抵抗力低下や、透過性増加を防ぐ」というものです。 例えば、風邪を引いているとき、鼻の粘膜がぶよっと腫れたり、鼻水が出たりしませんか? この水分は、もともと血液から来たものです。 つまり、本来血管の中に留まっている水分や成分が、血管壁からじわじわと滲み出てくるから、鼻水やら、むくみやらにつながるのです。 血液中の成分が、血管の外に漏れでてしまう事を「透過性の増加」と言うのです。 ヘスペリジンには、それを防ぐ効果が多少なりともある。 ヘスペリジンには、鼻水を止めたり、鼻詰まりを取ったりする直接の作用はありません。 ですから、カゼグスリや鼻炎用薬に配合されている場合は、ビタミン類などと同様の、オマケ成分というか、補助成分といえる。

ヘスペリジンの別名、ビタミンPのPとは: permeability (透過性) から、Pの字をとったようです。
8750 タカヂアスターゼとは、タカジャスターゼとは タカヂアスターゼはアスペルギルス属菌由来消化酵素末で消化機能を改善する薬。 デンプン分解酵素,タンパク分解酵素などの各種の消化酵素を組み合わせた薬です。その総合効果によって胃・腸管における消化吸収を促進させ,いろいろな不快な症状を改善します。 副作用として、くしゃみ,流涙,発赤などの過敏症状や腹部膨満感などの胃腸症状が起こることがあります。 一般的には食事の直後に服用します。
8751 リパーゼAP6とは 脂質・中性脂肪を水に溶けやすい状態に分解する酵素
8752 ウルソデオキシコール酸とは ウルソの有効成分であるウルソデオキシコール酸は、我が国で消化症状の改善珍重された、動物性生薬として千数百年の歴史を持つ熊胆(ゆうたん)の薬効主成分として発見・同定された熊胆汁酸です。  胆のう・胆管疾患、肝疾患などに広く用いられています。また、海外でも広く使われており、欧米諸国においては、胆汁うっ滞性肝疾患や慢性肝炎への有効性、最近ではC型慢性肝炎に対する単独あるいはインターフェロンとの併用療法での有用性、厚生省で難病として認定されている自己免疫疾患である原発性胆汁性肝硬変(PBC)および原発性硬化性胆管炎(PSC)などの臨床的有用性が盛んに報告されています。
8753 薬草を採取するとき、地上部とか全草とありますが、どこの部分をさすので しょう。 地上部とは葉、茎、花、果実など地上に出 ている部分を、全草とは地上部と根のすべてを いいます。これらはそのまま用いることもありますが、必要時にいつでも使えるように乾燥させておくことが多いのです。この乾燥させたものを生薬と呼びます。生薬には、植物のほかに動物や鉱物もあります。
8754 薬草を失敗なく乾燥させるコツを教えてくだ さい。 少なくとも1ヵ年はカビが生えないように乾燥・保存するのがポイントです。それには薬草にする部分を採取したら、土やほこりを流水で洗い、まず刻んでしまいます(刻んでから洗ってもよい)。こうすれば水分蒸発の面積が拡 大することになって乾燥時間が短くなり、薬効成分の蒸散も少なく、合理的です。
刻んだものは、大量ならむしろやゴザに、少量ならざるや新聞紙に広げて、風通しのよいところで干します。ビニールや金属素材の容器は避けること。途中で上下を返してまんべんなく 日に当て、日が落ちる前にとり入れます。雨に当てないように注意が肝要。
8755 薬草を干すとき、花も葉も根も同様に干すのですか。 芳香性のものは、1日か2日くらい日干しにしたのち、風通しのよい日陰で干します。その他はすべて前述の方法でよいでしょう。干し上がるまで1週間以上もかかる場合がありますが、とにかく完全に乾くまで気長に干してください。水分が残るとカビの原因になりま す。何種類も干すときは、植物名や部位をメモしておくこと。
8756 薬草を保存する容器はどんなものがよいでしようか。 蓋のきちんとできるあき缶や茶筒、厚手の紙袋がよく、中にシルカゲルなどの防湿剤を入れて、湿けの少ない場所におきます。容器には、薬草名、部位、採取年月日などのメモをつけるのを忘れないように。
8757 薬効をのがさないために、せんじる容器は、土びんでないといけませんか。 いちばんよいのは土びんですが、ない場合 は、瀬戸引き(ほうろう)やアルマイト製のやかんや小なべ、または耐熱ガラス製ポットで もよいでしょう。ただし、鉄びんや銅製のものは避けます。薬草によっては、化学変化を起こしたり、さびたりすることがあるからです。土びんは必ず外側の水けをぬぐい、ごく弱い火にかけて火になじませてから、火力を強めることが大切です。
8758 薬草を煎じるとき、急ぐときは湯から煎じてもよろしいか。 水から徐々にあたためて、ゆっくり煮出すのがコツです。特別の場合を除いて、一般的には指定の量を入れ、水400ccを加えて蓋をし、弱火で煮詰めます。薬草により、また用い方によ り分量や煎じる濃度が異なることがあるので、それぞれに適した指示を守ること。  
面倒だからといって、一度にたくさん煎じたり、早くしたいからと湯に入れたり、強火で煮出すのは、薬効成分を十分に抽出することができません。また必ず蓋をすること。蓋がないと、水蒸気といっしょに薬草の有効成分が逃げてしまいます。
8759 薬草は煎じたら、すぐ飲んでよろしいでしょうか。 じょうずな飲み方を教えてください。   煎じ終わったら、あたたかいうちに茶こしで他の容器に移すことが大切です。煎じた薬草を入れたままにしておくと、抽出された成分がまた薬草の中へ吸収されてしまうこともあるからです。
市販品の薬草パックが便利です。布ょりもや わらかく、紙ょりも強い不織布製品のテイーバ ッグが大、中、小とある。
8760 2〜3日分まとめて煎じ、前日のものを飲んでもよいでしょうか。 その日に煎じたものをその日のうちに飲みきるのが原則。夏以外なら前日に煎じたものなら、飲んでもさしつかえありません。夏は涼しい場所や冷蔵庫に入れてもよろしいが、冷やすと薬効が逆転してしまう場合があります。 たとえば、ゲンノショウコはあたたかいうちに飲むと下痢止めになるが、冷めると下剤となります。従って、このような薬草は冷やさないで、そのつどあたためて飲むのがよいのです。
8761 薬草を服用するのは、食前か、食後か、食間 か、いつがよいのでしょう。 多くは、1日3回に分けて、食前の空腹時にあたためて飲みます。温度は1)かぜには少し熱めにする。
2)下痢には必ず温める。吐きけのひどいときは、 冷やして少しずつ飲む。
3)鼻血や喀血しているようなときは、冷やして用いる。
以上が原則。  
症状や薬草によっては、食間や食後のほうが適している場合もあるので、指示に従ってくだ さい。特に指示のない場合は、適当な時間に服用してかまいません。
8762 薬草ぶろを家庭で楽しみたいのですが、薬草を生のまま浴槽に入れるのですか(菖蒲風呂、ショウブ風呂)。 ショウブ湯のように生のままを入れることもありますが、大部分は乾燥した薬草を用います。乾燥させておくと、一年中使えます。
薬草によって、濃くせんじ出したものを入れる場合と、薬草そのものを浴槽に入れてふろをたてる場合があります。手ぬぐいを丈二つ折りに して両側をぬい、薬草専用の袋を作っておくと便利。袋の半分くらいまで薬草を入れ、口の部分を縛ってからせんじたり、浴槽に入れます。  
入浴しながら、薬草入りの袋で痛む部分や体 をこすったり、軽くたたいて刺激すると、効果がいっそう増進します。
8763 薬草を飲み忘れた場合、どうしたらよいでか。 飲み忘れたり、何回分もまとめて飲むような、気まぐれな飲み方は避けてください。  
薬草療法は、化学薬品のように急速に効果があらわれるものではないので、ある程度は気長につづけること。また、だれにでも効くとは限らないので、2〜3ヵ月飲んでみても効果がない場合は、ほかのものとかえてみてください。
8764 打ち身にキハダの粉末をはるとよいと聞きましたか、どんなふうに用いるのですか。  粉末の薬草を使う場合は、必要量の薬草に水や卵白を少量ずつ加えてねり合わせながら、なめらかな状態にします。患部を十分おおう大きさの布(ネル、木綿、ガーゼなど)に厚めにのばし、患部にはります。上にビニールか油紙を当てて、動かないようにテ ーピングして、包帯で止めておきます。薬が乾いたら新しいものにとりかえますが、皮膚にはりついて、はがすのが痛い場合は、ぬるま湯で湿らせてからゆっくりはがすとよいでしょう。 根茎などをすりおろして使う場合は、全属製以外のおろし器でおろし、ガーゼに伸ばし、患部にはります。  
煎汁で湿布するときは、ネルやタオルを浸してしぼると、水分を含みやすくて効果が上がります。  
どちらの場合も外側をビニールなどでおおうことは、粉末の場合に同じです。
8765 薬酒、健康酒、果実酒に使う酒はホワイトリカーでよろしいですか。 ホワイトリカー(焼酎)を基本の酒にするのが一般的です。度数は生薬を材料とする場合は、水分を全く含んでいないので、アルコ ール分の浸透をよくするために度数の強い35度を。果実を材料とする場合には、果実にかなりの水分が含まれているので25度がよいでしょう。  
砂糖は薬酒の場合は用いず、飲むときに必要なら蜂蜜などを加えるのが基本。飲みづらいようなら、少量のグラニュー糖を加えてもよい。
8766 薬酒、健康酒、果実酒の漬け方のポイントを教えてください。 生薬の場合は、ゴミや異物を除き、もしカビが生えていたらよく日に干し、手でもむよう にしてカビを除きます。カビは、早く発見した場合なら、品質的にはまだあまり変質していな いと思われます。果実や花など生のものを用いるときは、新鮮で傷のないものを選び、水洗いののち、十分に水けをぬぐいます。  
容器は、ガラス製の透明な広口びんが便利。色つきびんは中の様子が見えないので、不適当です。よく洗い、水けをふきます。びんの1/3量の薬草を入れ、びんの肩までホワイトリカーを入れるのが一般的。蓋をして、冷暗所に保存 します。仕込んだときの年月日と品名を書いた メモをびんにはっておくこと。熟成期間は最低 2〜3ヵ月。ものによって違いますが、大抵はこれ以上漬け込んだほうが有効です。  
熟成中は、ときどき長い菜箸でかきまぜて、 成分の溶出を助けます。中の材料を引き上げるか、残すかは、それぞれの項目の記載に従って ください。記載のないものは、残したままでよ いのです。
8767 薬草を外用で利用するとき、注意する点はどんなことでしようか。 根や鱗茎のすりおろしたものを患部に塗る と、ピリピリと痛みだすことがありますが、これは強すぎるのですぐとり去り、ぬるま湯で患部を洗うこと。皮膚の弱い場合や、アレルギー 体質、赤ちやんや子どもなどに外用する場合には特に注意し、皮膚が赤くなるようならば、中止したばうが安全です。
8768 薬酒、健康酒、果実酒はどれくらいを目安に飲むのですか。 一般的には、1回量が20〜30cc(さかずき1〜2杯)が目安です。おいしいといって飲みすぎは禁物、逆効果になりかねません。ナイトキャップになさると、睡眠を助けて効果的です。
8769 ナイトキャップとは(night cap) ナイトキャッはヨーロッパでエアコンのなかった時代に寝るときに被った薄い柔らかい帽子です。髪の乱れを防ぐとともにフトンの外に出る頭を寒さから守って安眠するためだったのでしょう。 転じてよく食べよく飲んだ夕食の後、就寝前に口当たりがよく香のよいお酒を求める人のために作られたカクテルをナイト・キャップ・カクテルと呼ぶようになったようです。いつ、誰が、どこで始めたかはわかりません。両方とも夜のもの、安眠を誘うものと言う点が共通です
8770 雄しべとは(おしべ) 花粉を作る花葉(かよう)を雄しべという。被子植物の雄しべは葯と葯を支える花糸からなる。モクレン科やアケビ科にみられるもっとも原始的な葉状雄しべでは花糸は未分化のままである (画像はこちら
8771 葯とは(やく) 花粉を生成し、収納する部分で、ふつう2個からなる(画像はこちら
8772 花糸とは(かし) 葯を支える部分。変化が多く、モクレン科では雄しべはリボン状で、葯と花糸との区別が明らかでなく、スイレン属では外側の葉状の雄しべから内側の糸状の雄しべまで形が連続的に変化し、ヒトリシズカでは、3本の合着した花糸の両側下部にだけ半葯がつき、中央の花糸には葯が付かない(画像はこちら
8773 雌しべとは 心皮で作られた雌性の生殖器官である。1個の心皮から作られる場合は、単一雌しべといい、複数の心皮から作られる場合は複合雌しべという。  典型的な雌しべは、柱頭・花柱・子房からなる(画像はこちら
8774 柱頭とは(ちゅうとう) 雌しべの先端で、受粉を行う場所であり、粘液を分泌したり、突起があったりして、受粉しやすい仕組みになっている(画像はこちら
8775 花柱とは(かちゅう) 柱頭と子房をつなぐ部分で、柱状のものが多い (画像はこちら
8776 子房とは(しぼう) 雌しべの胚珠を容れる部分。子房を囲む部分の心皮は子房壁という。子房内の胚珠を容れる部屋を子房室という。単一心皮でできた子房では、1室であるが、複数の心皮からなる場合には、必ずしも心皮数と一致はしない。例えば、ヤナギ科やキク科の子房は心皮2個からなる複合子房であるが、子房室は1個である (画像はこちら
8777 花弁とは(かべん) はなびらのこと(画像はこちら
8778 萼とは(がく) 花の最外輪にある花葉の一つ一つを萼片といい、萼とよぶときは萼片全部を指す。外花被に相当し、葉の性質がもっともよく残っている場合が多い。単花被花では、存在する花被は萼とみなされるが、セントウソウなどのように萼に相当する構造がなく花冠だけの単花被花もある。  ホオズキの袋のように花後に成長し、果実の保護などをする例もある(画像はこちら
8779 花托とは(かたく) 花柄の上端で、花弁・めしべなどをつける部分のこと(画像はこちら
8780 花柄とは(かへい) 花軸から分枝し各々の花をつけている柄の部分のこと(画像はこちら
8781 苞とは(ほう) 一つの花または花序を抱く小形の特殊化した葉を「苞」または「苞葉」という。その位置や形によって、総苞、苞、小苞、苞鞘、苞穎、苞鱗などに分けられる(画像はこちら
8782 花被とは(かひ) 花葉の内、雄しべ、心皮(雌しべ)より外側にある構造、すなわち、萼片および花弁をあわせて花被片とよび、その全体を花被とよぶ。ユリ属のように、質や形が似ている場合(同花被花)には、萼片(萼)や花弁(花冠)とはいわずに、外花被(片)、内花被(片)とよぶ(画像はこちら
8783 外花被片とは(がいかひへん) 萼、花弁を合わせて花被というが、質や形が同じか似ている場合の外側にある花被(片)(画像はこちら
8784 内花被片とは(ないかひへん) 萼、花弁を合わせて花被というが、質や形が同じか似ている場合の内側にある花被(片)(画像はこちら
8785 副花冠とは(ふくかかん) スイセンなどで、花冠の内側にあって花冠に見える構造物のこと(画像はこちら
8786 総苞とは(そうほう) 花序の基部にある複数の苞の集合体をいう。総苞をつくる個々の苞を総苞片という。キク科の頭状花序(頭花)では、球形ないし筒型の総苞を有し、総苞片が鱗のように配列していることが多い。ミズバショウなどサトイモ科の植物には花序をおおう1枚の総苞葉があり、特に「仏炎苞」と呼ばれている。ドクダミ属の花序の基部にある4枚の白色の葉片、イチリンソウ属の花序の下に輪生する葉片、トウダイグサ属の花序の杯状体、ゴゼンタチバナ属やヤマボウシ属の花序の下の白色の葉片なども総苞と呼ばれる。(画像
8787 花葉とは(かよう) floral leaf   花を構成する萼片(萼)、花弁(花冠)、雄しべ、心皮(雌しべ)は、それぞれ葉の特殊化したものと考えられ、花葉とよばれる。「花の格好をしているけれど、本来は葉なんだよ」と、覚えておくとよい(画像はこちらはこちら)
8788 心皮とは(しんぴ) carpel   種子植物のめしべは、葉が巻いて筒状になったものである。この特殊に分化して、めしべの壁をつくっている葉を心皮と呼んでいる。めしべには、1枚の心皮でできているもの(ウメ)、3枚の心皮が癒合してできているもの(ユリ)、などいろいろある(画像はこちら
8789 総苞片とは(そうほうへん) 花序の基部にある複数の苞の集合体を総苞いう。総苞をつくる個々の苞を総苞片という。キク科の頭状花序(頭花)では、球形ないし筒型の総苞を有し、総苞片が鱗のように配列していることが多い。ミズバショウなどサトイモ科の植物には花序をおおう1枚の総苞葉があり、特に「仏炎苞」と呼ばれている。ドクダミ属の花序の基部にある4枚の白色の葉片、イチリンソウ属の花序の下に輪生する葉片、トウダイグサ属の花序の杯状体、ゴゼンタチバナ属やヤマボウシ属の花序の下の白色の葉片なども総苞と呼ばれる。(画像はこちら
8790 偽果とは(ぎか/仮果) 子房が生長してできた果実を真果とうのに対し、子房以外の花床(花托)、萼、総苞などの部分が生長して果実になったものを偽果という。イチゴ状果,ク ワ状果など(画像はこちら
8791 真果とは(しんか) めしべの子房が熟してできた果実のことで、偽果に対 しての語。大部分の果実は 真果のものが多い。
カキなど(画像はこちら
8792 石果とは(せきか/核果) 果実の外果皮が薄く,多肉の中果皮があり,その中に石のように堅い核がある。 種子は核の中にある。核のある果実をいう。モモ,ウメなど(画像はこちら
8793 液果とは(えきか) 漿果ともいい、中果皮、内果皮が水分の多い肉質でやわらかく,熟してもさけない。また多少堅い種子がある。プドウ トマト など(画像はこちら
8794 乾果とは(かんか)
乾果とは実が成熟しても堅く乾いているもので、不裂果と裂開果とがある。
豆果といわれる枝豆のような実をつけるマメ科のニセアカシア。 プロペラのような分離翼果をつけるカエデ類、堅果といわれるドングリをつけるミズナラ、コナラ、クヌギ、羽根が生えた翼果ができるシラカンバなどがこれに該当します(画像はこちら
8795 痩果とは/そう果とは(そうか) 種子のようにみえる果実でも果皮は薄い膜質で熟すると乾燥するがさけない。タンポポ,ウマノアシガタなど(画像はこちら
8796 ウリ状果とは/瓜状果とは(うりじょうか) 液果の一つで果実の外果皮が堅く、その中に水分の多い液質の組織があり、熟してもさけない。また多少堅 い種子がある(画像はこちら
8797 袋果とは(たいか) 果実の心皮が1枚で,熟するとたてにさける。アケビ ボタンなど(画像はこちら
8798 刮ハとは/朔果とは/さく果とは(さくか) 子房が多心皮でできており多室で、熟するとさけて種子がでる。ヤマツツジ、ヤマユリ。乾果の一種(画像はこちら
8799 蓋果とは/がい果とは(がいか) 果実が熟すると横に裂け目ができ、上の方がふたのようにとれ、その中に種子がある。オオバコ。さく果の 一種(画像はこちら
8800 頴果とは/えい果とは(えいか) 殼果ともいい、みたところ種子のようで、果実の果皮 は薄い皮になっている。イ ネ、コムギ。そう果の一種(画像はこちら
8801 胞果とは(ほうか) 小さな袋状(薄い膜状の果皮)のものの中に1個の種子がはいっている。熟すと さける。イヌビユなど(画像はこちら
8802 翼果とは(よくか) 堅果に果皮がのびてできた ,翼がある果実。カエデ科の果実(画像はこちら
8803 双懸果とは 双懸果は2心皮2室子房からなる果実が成熟して各室ごとに分裂したものである。双懸果は分離果と別に分類することもある(ウイキョウなど)(画像はこちら
8804 堅果とは(けんか) 果皮が乾燥してかたく,裂開しない。また種子から離れやすい。コナラ,クヌギクリ(画像はこちら
8805 球果とは/毬果とは(きゅうか) 円錐果ともいう。裸子植物のスギやマツの果実のよう に雌花の球花が発達して、 厚く木質になった多数のりん片が中の軸のまわりに密についていて、全体が球形 か円錐形になっている(画像はこちら
8806 殻斗とは(かくと) コナラ,カシワなどの果実のもとにさかずき状,また は袋状のからがついている。このからを殼斗といい,これは多数の包葉が生長したものである(画像はこちら
8807 仮種皮とは(かしゅひ、かりしゅひ) 種皮と種子の間にある種 をつつんでいる薄い膜をい い,花のときの胚珠の柄や 胎座の1部が大きくなって、そのまま成長レだものである(画像はこちら
8808 集合果とは(しゅうごうか) 多花果、複果ともいう。いくつか集まった花の子房が 熟して全体で1つの果実のようにみえるもの。クワ、パイナップルなど高笑Mk?t果ともいう。穂の
軸に密についた花が熟すと
肉質で液質の1つの果実の
ようにみえる。クワ,パイナップルなど(画像はこちら
8809 クワ状果とは(くわじょうか) 肉質集合果ともいう。穂の軸に密についた花が熟すと 肉質で液質の1つの果実のようにみえる。クワ,パイ ナップルなど(画像はこちら
8810 イチゴ状果とは(いちごじょうか) 偽果の1つで,花托が頭状に肥大して多漿(たしょう) になって果実状になり,真 の果実は種子のように表面 に散在する。イチゴなど(画像はこちら
8811 エノキタケとは(冬磨Aとうこ) 天然のエノキタケは晩秋から初冬にかけて枯れ枝や幹に発生する。よく八百屋で売られているものは栽培品で、いわゆるエノキタケのもやし栽培である。

薬用部位:子実体(冬磨j。天然ものは傘が2〜8cmで、 湿気があると粘り気をもち、乾燥すると光沢がでて黄褐色〜淡黄色となる。天然品、栽培品いずれも天日乾燥して保存するか、生を調理して薬用とする。

薬効:肝臓病、胃や腸の潰瘍。

使用法:乾燥品は1日3〜5gを600ccの水に入れ、30分ほど煎じて3回に分けて服用する。生は1日10〜20gを調理して食べる。
その他の薬効:抗癌作用や子どもの身長、体重を増加させる作用があるといわれる。エノキタケに限らず、きのこ類は大量に食べると消化不良をおこすので注意が必要である(画像はこちら)。   
8812 カワラタケとは(雲芝、うんし) 針葉樹や広葉樹の枯れた幹に生える一年生のきのこ。重なりあって群生するところから屋根瓦に見立ててカワラタケと名づけられた。

薬用部位:子実体(霊芝)。なるべく若いものを春から秋にとって天日乾燥する。痛みやすいので採集したら水洗いし、手で細かくして天日乾燥し、フライパンなどで妙ってから保存しておくとよい。

薬効:胃潰瘍、肝炎。

使用法:1日5〜10gを600ccの水に入れ、40分ほど煎じて服用する。抗癌性があり、とくに肝臓癌によいといわれる。胃潰瘍で永年苦しんでいた人がカワラタケ10g、コフキサルノコシカケ10gを2か月ほど続けて煎じて服用したら潰瘍がすっかり消えてしまい、喜ばれたことがある。胃や肝臓の熱をとる作用があるので胃腸が冷えやすい人は長期連用をしないこと。妊婦は服用しない(画像はこちら)。         
8813 キビとは(黍、しょ) イネ科。畑によく栽培された一年草。最近では和菓子の原料として栽培される。   

薬用部位:種子(黍米、しょべい)。夏から秋にとり、殼を除いて保存する。

薬効:下痢、嘔吐、胃痛、咳。

使用法:1日5gを400ccの水に入れ、30分ほど煎じて服用する。全体的に体力のない人や下痢をすると疲れてしまう人によい。咳は、弱々しくカのない咳に、胃痛は、軽い痛みがしくしくと続くときによい。胃腸に熱がある人、黄色い痰のでる人は服用しない(画像はこちら)。
8814 サナギタケとは(蛹虫草、ようちゅうそう) 冬虫夏草の仲間。バッカクキン科。平地〜高山の林に発生する。 蛾(が)のさなぎや成虫に生じる子嚢菌類のきのこ。

薬用部位:全体(蛹虫草)。5〜10月に採集し て天日乾燥する。

薬効:倦怠疲労、喘息、腰痛。

使用法:1日1〜3gを300ccの水に入れ、 20分ほど煎じて3回に分けて服用する。また、ホワイトリカー(35度)に容器の3分の1ほど入れ、1か月置いたものを1日1回、お猪□1杯飲む。長期に連用するのが望ましい(画像はこちら)。
8815 ナシとは(梨) バラ科。果樹として栽培される落葉高木。

薬用部位:果実(梨)。市販のナシを使う。セイヨウナシも同様。

薬効:咳。

使用法:皮をむいて生で、また、芯をぬいてオー ブンで焼いて食べる。うるおいがなく乾燥したカラ咳によい。乾燥した咳とは、夜ふと に入って温まると咳が止まらす、痰が切れに くく、のどか渇いてあめ玉をなめていると楽になるなどの症状をいう。全体的には手足がほてり、のぼせやすい人によい(画像はこちら)。        
8816 オカトラノオとは(虎尾玖珠菜、こびちんじゅさい) サクラソウ科。 山野の日当たりのよい場所に生える多年草。

薬用部位:全草(珍珠菜)、根(珍珠菜根)。葉は夏にとり、根は秋に掘りとって天日乾燥す る。

薬効:生理不順、下半身のむくみ、乳腺炎、打撲。

使用法:葉は1日5g、根は3〜5gを600ccの水に入れ、30分ほど煎じて3回に分けて服用する。打撲というと湿布薬を連想するが、この薬草は煎じて飲むことで痛みや腫れが軽減する(画像はこちら)。
8817 1年草とは アサガオ、ヒマワリ、ツユクサのように、春に発芽し夏から秋に開花結実レてその年のうちに枯死する草のこと。  
8818 2年草とは ムギ、ダイコンのように、 秋に発芽して冬を越し春に開花結実して枯死する草で、 越年草ともいう。
8819 多年草とは ユリ、キク、ハスのように、2年以上にわたって生育し毎年開花結実する草のことで、越冬芽が地下にあるもの(ユリ)、地上にあるもの(キク)、水中にあるもの(ハス)などのいろいろな生活型がある。
8820 落葉樹とは ブナ、ケヤキ、クリのよう に、1年以内で葉が枯れて落葉し休眠状態に入る時期 のある樹木の総称であり、 温帯に多く、夏に茂って冬に落葉するので夏緑と同義 につかわれる。
8821 常緑樹とは マツ、スギ、ツバキ、クスノキのように、葉が形成されてから1年以上落ちないので、年中緑葉がついてい る樹木の総称である。常緑樹の葉も形成されてから2 〜3年で枯れて落ち、新葉と入れかわる。
8822 雌雄同株とは   マツ、カボチャのように雌花と雄花があって、その  両方が同じ1本の株につくこと。サクラ、ユリのよう  に一つつの花に雌しべと雄しべがある花(両性花)をつけるものも広い意味では雌雄同株である。
8823 雌雄異株とは イチョウ、アオキ、アサ、ホウレンソウのように、雌花をつける株(雌株)と雄花をつける株(雄株)が異なること。
8824 雄蘂とは(雄ずい、ゆうずい、おしべ) おしべのこと。種子植物の雄性の生殖器官でめしべとともに、花のなかにある(画像はこちら)。
8825 雌蘂とは(雌ずい、しずい、めしべ) めしべのこと。種子植物の雌性の生殖器官で花の中央にある(画像はこちら)。
8826 冠毛とは(かんもう) 舌状花や管状花の子房の先にある毛のようながくの変形したもの(画像はこちら)。
8827 萼筒とは(がく筒、がくとう) がく片が互いにくっついて いて、筒状になっている部分のこという。ナンテンハギ、チョウセンアサガオ(画像はこちら)。
8828 鱗片とは(りん片 、リンペン) 生物体の表面に生じるウロコ状のもの。マツ、スギなどの花序の外側に花被のない花を包んで保護しているものがりん片である(画像はこちら)。
8829 花柄とは(かへい) 花梗もいい、花がじかに花軸につかず、柄がついてその先に花をつける場合の柄が花柄でsる。また、柄がないはなもある(画像はこちら)。
8830 花軸とは(かじく) 花がつく枝、または茎のことである(花柄とはちがう)(画像はこちら)。
8831 頂生花とは(ちょうせいか)
花軸の先端についている花で、ユリ科のチューリップ
8832 腋花とは(えきか) 茎のつけね(葉腋)につく花で、ハッカ、ヤハズソウなど(画像はこちら)。
8833 花冠とは(かかん) 花の花弁の全部を花冠といい、めしべとおしべの外側 にある。植物によって放射状、左右相称など形が異る
8834 副花冠とは(ふくかかん) 花冠ののどのどの部分で、おしべにくっついているたく葉に相当するもので、花弁のようにみえる(画像はこちら)。
8835 管状花とは(かんじょうか) 筒状花ともいい、花弁が互いにくっついていて管状または筒のようになり、花冠が5裂になづている(画像はこちら)。
8836 頭花とは(とうか) 小花が頭状花序について大きな1つの花ができあがっているものを頭花といい、 まわりの花からさきに咲きはじめる。キク、ヒマワリなど(画像はこちら)。
8837 距とは(きょ) 距には花冠の距、萼の距がある。これは花弁や萼の1部が袋状に細長く突きだしたものである。スミレ ヒエンソウなど(画像はこちら)。
8838 翼弁とは 蝶形花冠の花弁のうち、左右にある1対の翼状の花
弁をいう(画像はこちら)。
8839 竜骨弁とは 蝶形花冠のうちで、中央で真中にある2枚の花弁 をいう。舟弁ともいう(画像はこちら)。
8840 旗弁とは 蝶形花冠の5枚の花弁のうちで、上側の1枚をいう(画像はこちら)。
8841 花芽とは 開くと花になる芽のことで、 一般に葉芽に比べて太くて丸味をおびている。芽の若 いうちは解剖して、めしべやおしべの原基を確かめないとわからない(画像はこちら)。
8842 葉芽とは 開くと葉や枝ができる芽で、 花芽より細長い(画像はこちら)。
8843 側芽とは 茎の軸の側方につく芽で頂芽に対する呼び名であり、葉のつけねから出るえき芽も側芽の一つである(画像はこちら)。
8844 頂芽とは 茎の先端にある芽をいい、 側芽より発達して大きい(画像はこちら)。
8845 ササクレヒトヨタケとは(毛頭鬼傘、もうとうきさん) ヒトヨタケ科。春から秋に庭、畑、道端などに生える食用キノコ。福島県で栽培され、フランス、イ タリア料理の高級素材として出荷されている。

薬用部位:子実体(毛頭鬼傘)。できるだけ若いものを採集し、軽く苑でて天日乾燥する。

薬効:糖尿病、痔瘻。

使用法:1日10gを600ccの水に入れ、30分ほど煎じて3回に分けて 服用する。生を調理して食べてもよい。体質 を問わない(画像はこちら)。
8846 トマトとは(番茄、ばんか) ナス科。別名:アカナス。南アメリカの熱帯原産で、栽培される一年草。

薬用部位:果実(番茄)。市販のものを使用する。輪切りにして天日乾燥する。また、生を使う。

薬効:糖尿病、のどの渇き、食べ過ぎ。

使用法:1日5〜10gを600ccの水に入れ、30分ほど煎じて3回に分けて服用する。また、 生のものを1日1個食べたり、調理して使う。 胃腸の熱を冷ましてくれる薬草で、のどの乾きを癒し、食べ過ぎによる消化不良によい(画像はこちら)。
8847 ネズミモチとは(女貞、じょてい) モクセイ科。関西以西の海岸に生える常緑低木。関西以北ではトウネズミモチが庭や生垣として植えられる。どちらも薬用にされる。トウネズミモチのほうがよいといわれる。

薬用部位:果実(女貞子)。 11〜12月に種子を とって天日乾燥する。

薬効:若白髪、腰や膝のだるさ、疲労倦怠。

使用法:1日 3〜5gを400ccの水に入れ、30分ほど煎じて3回に分けて服用する。いわゆる老化予防の薬草で、視力減退、目がかすむようなことにもよい。手足がほてりやすく、夜にふとんから足をだして寝るような人によい。若白髪にはツルドクダミなど、視力の減退にはクコの実などを加えて煎じるとよい。疲労倦怠は腰や足、膝がだるくて力が入らないようなときによい。いずれの症状でも手足のほてりを条件に入れておく。冷え性で、胃腸が冷えやすい人は服用しない(画像はこちら)。
8848 むかごとは(むかご、肉芽、珠芽) 肉芽、珠芽ともいい、えき芽の1種、葉のつけねに葉の変化した小さな球形のものがついている。その中に養分が貯えられており、地上におちて発芽する。ガガイモ、ヤマノイモ(画像はこちら)。
8849 不定芽とは 高等植物において、一定の所から芽がでるのではなく、 ふつうは芽をださない部分から生ずる芽のこと。コモチシダの葉面、ヤナギの根など(画像はこちら)。
8850 葉身とは 葉柄の先につく広い部分を葉身、または葉片という。葉身1枚だけの葉が単葉で 2枚以上の葉が複葉である(画像はこちら)。