Namazu: [説明]

        Q&A本文(No7051-7200)

No
Q(お客の質問)
A(答え)
7051 こむらがえりとは/有痛性筋痙攣とは/腓返りとは(こむらがえり、ゆうつうせいけいれん) 有通性痙攣とは突然不随意に骨格筋が、痛みを伴い痙攣を起こすもので「こむらがえりとして知られています(腓:ふくらはぎのこと)。こむら返りは「筋クランプ」とも呼ばれありふれた症候ですが、その原因は非常に多岐にわたっており、治療に当たっては対象療法と同時に原因疾患に対する治療も平行して行うことが重要です。
個人的な経験から腎機能、肝機能が正常でしたら、クエン酸を含むようなもの、例えば黒酢、シソジュースなどを摂っているとあまりならないようです。
7052 サーベイランスとは/疾病監視とは(さーべいらんす、 surveillance) サーベイランスは本来は検疫における対人監視を意味しましたが、現在では種々の伝染病の動向に関する継続的な疫学的観察を意味し、疾病監視とも呼ばれている。これを定義すると、有効な対策を樹立するために、疾病の発生と蔓延に関与するすべての面を継続的に精査することです。その実際の活動は情報の収集、その整理と解析、結果の迅速な配布の3段階に分けられ、対策実施後の評価も含まれる。この情報源としては、罹患届、死亡登録、流行調査報告、検査室成績、防疫用製剤・薬品の情報、集団の免疫情報などが利用されている。実例としては厚生省の結核感染症サーベイランス事業が実施されており、事業開始時の1981(昭56)年には18疾患を対象としていましたが、1987年には結核とSTDが追加され27疾患が対象とされている。
7053 サイクリックAMPとは/環状アデノシン3', 5'一リン酸とは(さいくりっくAMP) サイクリックAMP(c-AMP、環状アデノシン3', 5'一リン酸)は、特異的レセプターへの結合を介して発現する各種ホルモンや神経伝達物質の生理作用のsecond messengerとして重要な役割を果たす物質である。エピネフリンやグルカゴンの血糖上昇作用を仲介する物質として発見された。動植物の組織や細菌に広く存在し、各種の代謝調節、細胞分化・増殖などにも関与することが知られている。細胞内で増加したc-AMPの一部は血中に流出し、肝における異化あるいは尿への排泄を経て消失する。尿中c-AMPの約60%が血漿に、40%が腎に由来するという。c-AMPは全身の臓器・組織に分布しており、種々の疾患で異常値の報告があるが、臨床的に有用性を認められているのは負荷試験における測定である。一つは副甲状腺機能低下症の病型分類におけるEllsworth-Howard試験で、外因性にPTHを投与後の尿中c-AMPを定量する。また、肝予備能検査としてグルカゴン負荷10分後の血漿c-AMP値が利用される。通常、グルカゴンを投与すると血漿c-AMP値は増加するが、劇症肝炎や非代償性肝硬変においては反応が著明に低下する。
基準値:血漿 6.4〜20.8 pmol/m、尿 3.3〜6.1 μmol/day

異常値を示す疾患
1)高値疾患: 副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、心筋梗塞、肝硬変、閉塞性黄疸、躁鬱病、特発性浮腫、アトピー性皮膚炎、腎不全(血漿中)など
2)低値疾患: 副甲状腺機能低下症、甲状腺機能低下症、昏睡状態、腎不全(尿)
7054 酸−塩基平衡とは(さん−えんきへいこう))          生体が正常に働くためには、体液分画や細胞成分のpHが一定の範囲内に保たれる必要がある。正常な酸塩基平衡は動脈血中ではpH7.35〜7.45とされており、この値は種々の緩衝系により正常域に保たれています。生体ではエネルギー産生、蛋白代謝などにより毎日大量の酸が産生されておりCO2、水素イオン、有機・無機酸として存在します。塩基は代謝によってほとんど産生されることはなく、酸−塩基平衡の恒常性は、もっぱら酸の除去によって保たれている。 ヘモグロビンや蛋白、リン酸緩衝系は初期の段階で不揮発酸(肺で代償されない酸)の緩衝に利用されるが、血漿のpHを正常に保つのは、主に重炭酸−炭酸緩衝系に頼っている。
7055 シックハウス症候群とは(しっくはうすしょうこうぐん) 近年、住宅が高気密化してきており、また新建材などから発生する化学物質が、室内汚染を起こすことがある。その室内汚染物質によって引き起こされるアレルギー疾患や化学物質過敏症を含めて「シックハウス症候群」と言われる。新築、改築、改装後に引き起こされたり、重症化してくるアレルギー疾患、自律神経失調症、神経痛、うつ状態、更年期障害の患者では、室内汚染が原因となっている場合もある。揮発性の化学物質には、建材からと、日常使用している化学物質からとがある。
7056 ジスキネジアとは(じすきねじあ) 抗パーキンソン病薬や向精神薬の服用に伴って起きる不随意運動の総称で、自分の意志に関わりなく身体が動いてしまう症状(痙攣性斜頸、顔面及び頸部のれん縮、後弓反張、眼球回転発作等)をいう。
遅発性ジスキネジアは向精神薬の長期投与後に、顔面表情筋、口周辺部、顎、舌や四肢体幹に出現する異常運動は舞踏病様、アトテーゼ様運動を呈する。向精神薬による治療中に5〜20%程度に認められ、向精神薬の投与中止後にも持続、悪化し、しばしば非可逆性の転機をとることや生命予後にも悪影響を及ぼす可能性のあることから、現在も向精神薬による治療上の最も大きな問題点の1つとなっている。
7057 アカシジアとは/静座不能とは(あかしじあ、せいざふのう、 akathisia ) 筋強直により長時間静座不能になる状態。 運動的に落ち着きのない状態で、内面的な動揺を感じる程度から、静かに坐ったり横になったり、あるいは眠ることができない程度まで様々な反応がある。 錐体外路症状の1つで・フェノチアジンの中毒症に見られる。
7058 カタレプシーとは(かたれぷしー、catalepsy) 緊張病症状群の昏迷症状の一つで、他者から与えられた姿勢を不自然な姿勢であっても長時間そのままの姿勢を続ける状態をいう。典型的には統合失調症の緊張型で起こるが、 脳器質性疾患(脳動脈硬化症など)、症候性精神病、心因反応、ヒステリー、催眠でも起こりえます。
7059 シナプスとは(しなぷす、synapse) シナプスは神経と神経あるいは神経と筋との間の情報の受け渡し場所です。軸索の末端は膨れてシナプス終末となっている。 ここでシナプス終末からシナプス間隙(約20nm)を通して情報伝達物質が放出されて別の神経・筋へと受け渡される。この情報伝達物質はシナプス小胞の中にある。 興奮(脱分極)が伝わってくると、シナプス小胞が開いてシナプス間隙へと情報伝達物質がだされる。この情報伝達物質は対極のシナプス後膜のレセプター(受容体)と結合する。情報伝達物質としてはアセチルコリン・グルタミン酸などがある。 また神経筋接合部ではレセプター(受容器)にアセチルコリンが結合すると受容体が活性化する。この受容体が活性化するとシナプス後膜の膜チャネルが開く。膜チャネルが開くとNa+,Ka+,Ca+の透過性が良くなる。この時に終板電流が発生します。 終板電流により終板電位が発生します。 これによって筋線維は興奮して収縮します。
7060 神経とは(しんけい) 神経は体全体の情報連絡の任に与っている。寒さ・暑さの感覚や、 視覚・聴覚・触覚・味覚・臭覚(五感)を大脳に連絡する。 そして、大脳からの命令を筋肉に伝えて、手足を動かしたりする。 また、喜怒哀楽のような感情の変化があると自律神経を通して無意識の うちに命令を伝達する。例えば、怖いものを見た時には鳥肌が立つ。神経はこの様に体の連絡調整の仕事をしている。この神経は一つ一つの神経細胞からできている。神経細胞はニューロンとも 言われ、これが相互に連絡を取って情報の伝達をおこなう。神経は大きく中枢神経系と末梢神経系に分類される。
7061 神経細胞とは/ニューロンとは(しんけいさいぼう、にゅーろん) 一つの神経細胞には一つの核がある。 そして細胞質(原形質)には他の細胞と同じように細胞小器官などが存在する。この細胞体からは2種類の突起が出ている。一つは多くの短い突起を持つ樹状突起で、これは別のニューロンの軸索突起と結合して情報を引き入れる働きがある。 もう一つは一本の長い突起でこれを軸索突起(または神経突起)という。神経細胞は情報を受け入れると指令を出して軸索突起から送り出す。

                        (引用:生命科学C)
7062 シャントとは(しゃんと) シャントとは近道とか、あるいはバイパスという意味で、手術によって動脈と静脈をつなぎ、動脈から直接静脈に血液を流すことをいいます。血液透析を行うには、まずシャントを作ります。ふつうは利き腕と反対側の腕に作る。
7063 ベロ毒素とは(べろどくそ、verotoxin) ベロ毒素は腸管出血性大腸菌(EHEC, enterohaemorrhagic E. coli)が産生し、菌体外に分泌する毒素タンパク質(外毒素)である。一部の赤痢菌(志賀赤痢菌、S. dysenteria 1)が産生する志賀毒素(シガトキシン)と同一のものであり、志賀様毒素とも呼ばれる。真核細胞のリボソームに作用して、タンパク質合成を阻害する働きを持つ。腸管出血性大腸菌や赤痢菌の感染時に見られる出血性の下痢や、溶血性尿毒症症候群(HUS)、急性脳症などのさまざまな病態の直接の原因となる病原因子である。
7064 腫瘍マーカーとは(しゅようまーかー) 腫瘍マーカーは、がん細胞またはがんに対する体の反応によって作られ、血液や尿、組織などで増加している物質のことです。がんの診断や治療の目印になるので腫瘍マーカー、がんマーカーと呼ばれる。腫瘍マーカーは、がんの種類や病気の広がり、治療がどれくらい効くかの予測、再発の発見などに使う。しかし腫瘍マーカーの測定だけでは、がんを診断するのに不十分です。 なぜなら、
1)腫瘍マーカーは、良性の腫瘍でも上昇することがある。
2)腫瘍マーカーは、すべてのがん患者で上昇するものではない。また、特に病気の初期の段階から上昇するとは限らない。
3)腫瘍マーカーは、特定のがんだけでなく、いくつかのがんの種類で上昇することがある。
7065 初回通過効果とは(しょかいつうかこうか) 口から飲んだ薬物は消化管から吸収され門脈から肝へ移行します。肝臓での代謝能が大きい場合には大部分の薬物が初めて肝を通過する間に代謝され、全身循環にいたる薬物の量が少なくなる現象が見られ、これを初回通過効果という。注射、坐薬、舌下錠、経皮吸収剤は初回通過効果を受けにくい。
7066 自律神経とは(じりつしんけい) 自律神経とは心臓を動かしたり汗をかいたり、自分ではコントロールできない自動的に働く神経のこと。 自律神経は活動する神経といわれる『交感神経』と、休む神経といわれる『副交感神経』の二つに分類され、必要に応じて自動的に切りかわって働く。 眠れない、めまいがする・・・など様々な症状が自律神経の働きに関係する。

(引用:アゼガミ治療室)

自律神経系は交感神経系と副交感神経系よりなる。  交感神経系:胸髄および腰髄の側柱から発する。  
副交感神経系:中脳、橋、延髄の脳神経核および仙髄側柱から発します。
自律神経系は意志とは関係なく働き、それぞれの臓器に対して交感と副交感の神経線維が支配する(二重支配)。これら2系統の神経系は多くの臓器に対して相反する作用(拮抗支配)を持つ。自律神経は末梢の効果器に達するまでに1度ニューロンを換える。中枢から神経節までの線維を節前線維、神経節から効果器までのニューロンを節後線維というす。交感神経はニューロンを換えるシナプスは交感神経節にあるので、節後線維の長さが節前線維より長い。副交感神経は効果器近くでニューロンを換えるので節後線維の方が短い。

(引用:ビジュアル生理学)
7067 交感神経とは/副交感神経とは(こうかんしんけい、ふくこうかんしんけい) 交感および副交感神経線維の神経伝達物質は節前、節後線維によって異なる。副交感神経では節前、節後神経共にアセチルコリンが神経伝達物質です。交感神経系では、節前線維はアセチルコリンですが、節後線維はアセチルコリンまたはノルアドレナリンが神経伝達物質です。

(引用:ビジュアル生理学)

交感神経系と副交感神経系では各臓器に対して異なる作用をもちます。たとえば、瞳孔に対しては交感神経系は瞳孔散大、副交感は縮瞳を起こします。一般に運動時には交感神経系が亢進状態となり心血管系の亢進、胃腸系の抑制状態となります。反対に睡眠や休息状態では副交感神経系が亢進状態となり、心血管系の抑制、胃腸系の活動が亢進します。

臓 器 交感神経系 副交感神経系
瞳 孔 散 大 縮 小
心 臓 拍動促進 拍動抑制
胃、小腸 弛 緩 収 縮
膵分泌 抑 制 促 進
7068 末梢神経とは(まっしょうしんけい) 末梢神経系は、下記のように分類されます。  解
1.剖学的分類: 
1)脳神経: 脳より発する12対の神経           2)脊髄神経:脊髄より出る31対の神経  

2.機能的分類:  
1)体性神経:運動(運動神経)、感覚(感覚神経)など動物的機能に関する神経            
2)自律神経:意志とは関係なく植物的機能(呼吸、循環等)に関する神経。交感神経と副交感神経。
7069 脳神経とは(のうしんけい、Cranial nerves) 脳から出る神経を脳神経と言い、左右12対の神経からなる。これら神経は前方から純にTから]U番まで番号がついています。TとUは感覚神経ですが、V以降は感覚と運動神経の混合です。

(引用:ビジュアル生理学)

1.嗅神経(T):鼻腔の鼻粘膜に神経細胞がある感覚系のみの神経です。
(機能)嗅覚
2.視神経(U):網膜に神経細部があり、感覚のみの神経です。視交叉を通り、外側膝状体に入ります。
(機能)視覚
3.動眼神経(V):中脳底部から発し、上眼窩裂を通って2枝に分岐する。運動と感覚神経の混合神経です。
(機能)眼球運動、眼筋の深部感覚、自律神経
4.滑車神経(W):中脳背側から発し、上眼窩裂を通り上斜筋に達します。 
(機能)眼球運動
5.三叉神経(X):運動神経と感覚神経の混合神経です。3枝にわかれ、第1枝は上眼窩裂、第2枝は正円孔、第3枝は卵円孔を通ります。
(機能)第1枝:顔面上部の感覚、第2枝:顔面虫部の感覚、上顎、上歯等、第3枝:顔面下部の感覚、下顎、舌、咀嚼、嚥下、鼓膜筋等
6.外転神経(Y):橋下部から発する運動神経で上眼窩裂を通り、外側直筋に達します。
(機能)眼球の外転
7.顔面神経(Z):橋下部から発する運動、感覚、自律神経の混合神経です。
(機能)表情筋の運動、味覚、顎下腺、舌下腺のコントロール等
8.内耳神経([):顔面神経外側に発する感覚(一部運動を含む)神経です。内耳孔を通り蝸牛や三半規管に達します。
(機能)聴覚、平衡覚
9.舌咽神経(\):運動、感覚、自律神経の混合神経で延髄外側に発し、経静脈孔を通り耳下腺、舌、咽頭筋、経静脈洞等に達します。
(機能)味覚、咽頭筋運動、腺分泌等
10.迷走神経(]):延髄外側に発し、運動、感覚、自律神経を含みます。経静脈孔を通り喉頭筋、経静脈洞、内臓に達します。
(機能)喉頭筋の運動、喉頭、内臓感覚、自律神経
11.副神経(]T):延髄下部、頚髄上部より発する運動神経です。経静脈孔を通り、僧帽筋、胸鎖乳突筋等に達します。
(機能)筋運動
12.舌下神経(]U):延髄前面より発する運動神経です。舌下神経管を通り舌に達します。
(機能)舌の運動
7070 脊髄神経とは(せきずいしんけい、Spinal nerves)   脊髄神経は左右で31対あり、8対の頸神経、12対の胸神経、5対の腰神経、5対の仙骨神経と1対の尾骨神経からなります。

(引用:ビジュアル生理学)

頸神経は同番号の頸椎骨の上、胸神経以下は同番号の脊椎骨の下を通ります。脊髄神経は後根(Dorsal root)と前根(Ventral root)に分岐しています。後根には感覚細胞の神経細胞を含む神経節があります。これら前根と後根が再び1つとなって脊髄神経を構成しています。後根と前根の長さは頚髄でもっとも短く、下にいくにつれて長くなっていきます。一般的に感覚神経の情報は後根を通って脊髄に入り、運動繊維は前根を通って脊髄から出ます。この感覚性は後根、運動性は前根という法則をベル・マジャンディ(Bell-Magendie)の法則といいます。椎間孔(intervertebral foramen)から出た脊髄神経は脊髄神経前枝(Ventral ramus), 後枝(Dorsal ramu), 硬膜枝(Meningeal branch)に分かれます。 皮膚分節(Dermatome): C1を除く脊髄神経はそれぞれ皮膚の特定の部位からの感覚情報を受容します。これを皮膚分節と言います。  
7071 人工血液とは(じんこうけつえき) 人工血液は輸血に使う人工につくられた血液。しかし、未だに開発されていなく、輸血や手術などの必要時にはほとんど代替血液や献血などの血液が使用される。 酸素と親和性の高い物質を血中に投与することで赤血球の代替にできないかという研究は第二次世界大戦を境に活発になった。感染症のリスクをほぼなくせるほか、輸血用血液の最大の問題である保存期限をクリアできるようになるからである。現在のところ、安全性や有用性の面で実用的なものは完成していない。アプローチとしては、「白い血液」として知られたパーフルオロケミカル(PFC)の乳剤のような非生物材料を用いるものと、ヘモグロビンを加工するものとにわけられ、現在のところ後者の方が実現性が高いとみられている。 代替血液は輸血を受ける人がどんな血液型でも使用できる。アルブミン、ES細胞、使用期限切れの血液製剤などから作られる。このうち血液製剤から作るものは、血液製剤中のヘモグロビンを特殊なナノサイズのカプセルに封入したものであり、血液の再利用になるうえ使用可能期間が6カ月と長い。
7072 浸透圧とは(しんとうあつ) 浸透圧は細胞膜で隔てられた濃度の異なる2液間で、濃度の低い方から高い方へ水が移動する力のことをいう。いいかえると、ある一定以下の大きさの分子しか通さない膜(半透過膜)を隔てて、片方にそれ以上の大きな分子を液に溶かすと、濃度を一定にしようと薄い側から濃い側へ水が移動し水位が上がります。浸透圧とはこの上がった水位と最初の水位との差です。
人の体液の浸透圧は「2855mOsm/L」
7073 スカベンジャーとは/抗酸化物質とは(すかべんじゃー、こうさんかぶっしつ) 抗酸化物質(スカベンジャー)とは、発生する活性酸素を消すためのもの。スカベンジャーScavengerの語源は廃品回収業者、掃除夫、掃除屋をするという意味です。
「活性酸素」は、人体にとって病原体からの防御力として必要な反面、過剰に生産されたものはかえって私達の体の老化やサビを招く原因となることが近年言われており、この活性酸素を除去する働きを有するものを総じて抗酸化物質という。 抗酸化物質には酵素、ビタミン、ミネラルなどがあり、これらの抗酸化物質を含む食品も脚光をあびてきている。抗酸化物質は何種類も存在し、お互いの不足部分を補いつつ、活性酸素を無害な物質に変えていく。活性酸素から身を守るためには、体内で作られる酵素だけに頼るのではなく、抗酸化物質を含む食物をバランスよく摂るなど、積極的な活動も大切。 もちろん、活性酸素がたまらないよう、生活改善をしていくことも忘れてはならない。抗酸化物質を上手に利用して、活性酸素の発生を最小限に抑えつつ、すばやく消去すればよい。
【代表的な抗酸化物質(スカベンジャー)】
ポリフェノール(ワイン)、カテキン(お茶)、ルチン(そば)、リコピン(トマト)など
7074 セレン欠乏症(せれんけつぼうしょう、Seけつぼうしょう) 微量元素が生体にとって不可欠であることは、ようやく広く知られるようになり、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素などの欠乏症ついては、高カロリー輸液や経腸栄養剤の長期使用の場合では注意されるようになって来ました。セレンも生体に必要な微量元素ですが鉄や銅ほどに注意を払われいないのが現状のようです。セレンはグルタチオンペリオキシダーゼに含まれており、欠乏症として心筋症、筋異常、心筋梗塞、癌が知られている。
セレンはグルタチオンペルオキシダーゼの活性中心を構成していて、重要な抗酸化因子の1つと考えられる。その生理作用は十分に解明されていないものの、セレンプロテインPと呼ばれる糖蛋白質が活性酸素障害の除去に関与する。低セレン地域として知られている中国の一部の地域で発生した心臓疾患(克山病)がセレンの欠乏を主たる原因として起きることが明らかにされた。グルタチオンペルオキシダーゼ活性はセレンの栄養状態を評価する指標として、血液(血漿)セレン濃度とGSH−Px活性値が用いられる。また、セレン過剰症は脱毛、爪や皮膚、歯の変化、嘔吐、脱力感などの症状が現れる。
7075 生理食塩水とは/生食とは(せいりしょくえんすい、せいしょく) 血液・組織液と浸透圧の等しい約0.9パーセントの食塩水のこと。蒸留水1000mlに9gの食塩を溶かした水のことです。体液の成分に非常に近い組成で、主に水分欠乏時の点滴や静脈内注射のほか、注射薬の基剤や外用の洗浄剤としても使用されています。
7076 代替医療とは(だいたいいりょう、CAM) 通常の医学校では講義されていない医学分野で、通常の病院では実践していない医学・医療のこと。代替医療の範囲は広く、世界の伝統医学・民間療法はもちろん、保険適用外の新治療法も含んでいます。 具体的には、ハーブ療法、ビタミン・微量元素等のサプリメント、栄養補助食品(抗酸化食品群、免疫賦活食品、各種予防・補助食品など)、アロマセラピー、中国医学(中薬療法)、鍼灸、指圧、気功、インド医学、食事療法、免疫療法、精神・心理療法、温泉療法、酸素療法等が代替医療に包含されています。これらの中には、非科学的であり西洋医学を実践する医師や薬剤師をはじめとする医療従事者にとっては受け入れがたいものもあるが、作用機構や有用性が科学的に証明されているものが急増しているのも事実です。
7077 耐性菌とは(たいせいきん) 高濃度の薬剤に対しても発育が阻害されないとき、その細菌は薬剤にたいして耐性があるという。初めから薬剤に対して感受性を示さない細菌を自然耐性菌という。. 一方、来ある薬剤に対して感受性であった菌が治療などによって薬剤と接触することにより薬剤に対して抵抗性をもつことを耐性化したという。
7078 体内時計とは(たいないどけい) 生物の体内に備わっている、時を刻む仕組み。形として目に見える本物の時計のようなものが入っているわけではない。完全な暗室(逆に常に明るくても良い)に生物を閉じ込め、外部とは隔絶した環境に置いても、およそ24時間前後の周期(人間では約25時間)で、寝たり、起きたり、食べたり、生殖(分裂)したりを繰り返す。その周期をつかさどる仕組みのこと。 ヒトだけではなく単細胞生物にも存在する他、原核生物であるシアノバクテリア(葉緑体の祖先)にも体内時計の存在が示されている。
7079 注意欠陥多動障害とは(ちゅういけっかんたどうしょうがい、ADHD attention deficit/hyperactivity disorder ) 1)注意力散漫と多動が共存するもの、2)注意力散漫が目立つもの、3)多動性が目立つものという3つの亜型があります。  
a)落ち着きがなく、気が散りやすく、静かに遊んだり、勉強をすることができない。  
b)おしゃべりが多く、まだ質問が終らないうちに出しぬけに答えることが多い。
c)カッとなりやすく友達ができない。
d)不器用で字のバランスがとれず、体操も不得手  
e)物忘れが多く、学校での忘れ物は頻回。  
注意欠陥多動障害の小児は、しばしば学習障害となるので、教育関係者から注目されています。患児が学習する環境はできるだけ静かで、周辺からの刺激が多くないことが望ましい。薬物療法が効を奏することがあり、メチルフェニデートmethylphenidate(リタリン錠)が特効的。軽症例は長じるに従い自然治癒するが、成人になって反社会的行動の多くみられるものやアルコール中毒者になるものもある。
7080 低K血症とはていかりうむけっしょう) 一般にKの喪失は代謝性アルカリローシスを起こし、代謝性または呼吸性アルカリローシスは低K血症を起こします。低K血症では周期性麻痺や筋無力症を除いては、一般に細胞内Kの不足があります。低K血症は水分過剰やKを含まない輸液の大量与薬、嘔吐、下痢、消化管液の吸飲等により起こります。また尿中へのKの喪失、アルカリ塩の過剰投与、利尿剤によりK喪失が起こることもあります。

1.低K血症の臨床症状:
腹部膨満感、悪心、嘔吐、イレウス、四肢知覚異常、呼吸筋麻痺、意識障害、血圧低下、抹消チアノーゼ、不整脈、心筋障害
2.低K血症をきたす疾患
1)消化器:下痢、嘔吐、消化液吸引(胃・腸サクション)、腸瘻、肝硬変症、K摂取不足(神経性食欲不振症、飢餓)
2)腎臓:K欠乏性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、ネフローゼ症候群、急性腎炎回復期
3)内分泌:原発性アルドステロン症、クッシング症候群、周期性四肢麻痺、続発性アルドステロン症、副腎皮質癌、甲状腺中毒性四肢麻痺
4)その他:慢性肺疾患(呼吸性アルカローシス)、糖尿病性アシドーシス(インスリン治療)、サリチル酸中毒、体腔性頻回穿刺、低体温麻酔 医原性:利尿剤、抗生物質(ペニシリン、カルベニシリン、アムホテリシンB、副腎皮質ホルモン、緩下剤、過剰の生食、Kを含まない輸液、蛋白同化ホルモン剤
7081 医薬品適正使用とは/適正使用とは(いやくひんてきせいりよう) 厚生省薬務局長の私的諮問機関であった「21世紀の医薬品のあり方に関する懇談会」の最終報告書(平成5年5月)において、「医薬品の適正使用とは、まず、的確な診断に基づき患者の状態にかなった最適の薬剤、剤形と適切な用法・用量が決定され、これに基づき調剤されること、次いで、患者に薬剤についての説明が十分理解され、正確に使用された後、その効果や副作用が評価され、処方にフィードバックされるという一連のサイクルと言えよう。」とされています。また、「こうした適正使用が確保されるためには、医薬品に関する情報が医療関係者や患者に適切に提供され、十分理解されることが必須の条件である。医薬品は情報と一体となってはじめてその目的が達成できるからである。」とされており、医薬品適正使用における医薬品情報等の重要性がうたわれている。
7082 内蔵肥満とは(ないぞうひまん) 余剰のエネルギーは中性脂肪として脂肪組織に蓄えられ、これが過剰に蓄積された状態が肥満です。脂肪の分布には性差があることが知られていて、女性では腰臀部、上腿の皮下、男性では胸部、上腕、そして特に腹部の副腔壁内に蓄積します。前者を皮下脂肪型肥満、後者を内臓脂肪型肥満と呼ぶ。内臓肥満(内臓脂肪型肥満)は耐糖能異常、高脂血症(高中性脂肪血症、低HDL血症、small dense LDLの増加)、高血圧などと密接に関係し、しばしばこれらの危険因子が重複した状態(多危険因子症候群)として存在する。発症のメカニズムとして、脂肪細胞から分泌される生理活性物質(総称してアディポサイトカインと呼ぶ)の1つであるTNFαと、内臓脂肪の分解によって生じる遊離脂肪酸(FFA)が、インスリン受容体の作用を阻害してインスリン抵抗性を惹起することが明らかになる。また、線溶系の重要な抑制因子のPAI−1(plasminogen activator inhibitor-1)の分泌亢進は直接血栓形成につながる危険がある。日本肥満学会では、ウエスト(臍周囲径)が男性で85p、女性で90p以上の場合要注意としている。
7083 バイオ医薬品とは(ばいおいやくひん) バイオテクノロジーの進歩とともに、これまで従来の手法では入手が困難とされていたヒト型のホルモン、サイトカインなどの生理活性物質、ワクチン類、あるいは酵素などがバイオテクノロジー(主として組変えDNA技術および細胞培養技術)を応用して、比較的大量にかつ高純度で産生されるようになってきました。今後もこの分野の医薬品は、ますます発展が期待されるとともに、これまで治療が困難であった疾患への適用も図られていくことが予想される。
バイオ医薬品の特徴:
1)物性面では主に高分子蛋白質
2)その種類はホルモン、酵素、成長因子、ワクチン、モノクロール抗体など多様
3)微量で強い生物学的活性を有する
7084 バイオハザードとは(ばいおはざーど、 biohazard)   生物、またはその毒性代謝産物による生物全てへの危険性、障害のことですが、主に微生物による人体の健康障害を指しています。本来病原微生物の研究に際して、研究室内感染を防止することに関する用語でしたが、近年DNA組み換え技術により人工的に新しい遺伝形質を持った微生物の創造が可能となってきたため、このような未知の生物体による障害がクローズアップされるようになりました。日本でもDNA組み換え実験指針が作られており、これは「人為的に作った組み換えDNAを担った生物は如何なるものであれ、これを自然界に流出させぬよう取り扱うこと」を主眼としています。この目的のため、生物学的方法(Bレベル)と物理学的方法(Pレベル)が規定されています。
7085 パラクリンとは(ぱらくりん、 paracrine ) オートクライン(自己回帰的)は細胞間における情報伝達の一つ。ホルモンまたは生物活性物質がその情報を伝達するに際、古典的なホルモンは、特定の器官で産生されたホルモンが血液中に分泌され遠隔の標的器官でその作用を発現します。これに対してパラクリンとはある活性物質が近隣の細胞に作用します。例えば成長因子やソマトスタチンのような物質は特定の組織ではなく、多くの異なった細胞(パラクリン細胞)で産生され隣接する細胞に作用します。  これをパラクリンといいます。さらに自ら産生した物質が自らの細胞に何らかの作用を呈するときオートクリンといいます。
7086 ハンチントン病とは(はんちんとんびょう) 単純優性遺伝の形式を取る遺伝性疾患。日本では少ない。 30〜40歳代に発症し、不随運動が10〜15年にかけて慢性的に進行し、これに続発、あるいは先行して脳病変による精神症状が現れ、合併症などにより死に至る難病。 その病的遺伝子の座は第4番染色体の長腕q16.3にあり、そこにOCTの3塩基配列の異常な繰り返しのあることが判明している。
7087 丸山ワクチンとは(まるやまわくちん) 抗癌剤といえば細胞毒そのもので、副作用は当然重篤なものばかりです。 でも副作用の少ない抗癌剤も有るのです。ピバニール、PSK,レンチナン、アンサーなどがそれで、インターフェロンもその仲間に入ります。 これらの薬物のことをBRM:Biological Response Modifier:生物反応修飾剤と呼ぶ。幻の抗癌剤“丸山ワクチン”ともいわれる。なぜ幻かというと厚生省が薬とは認めなかったためです。丸山ワクチンの本体は“結核菌”なのです。 以前より結核患者では、癌になる確率が低いことが統計的に分かっていて、それならばということで作られたのが結核菌を無毒化した丸山ワクチンです。 癌の発生や増殖が生体の免疫能と密接に関係していることはよく知られており、患者の免疫能は臨床経過や予後とも関係する。癌患者では免疫能が低下していて、癌の進行とともにますます衰えていきます。このような患者の免疫能を改善し癌の増殖を抑えようというのがBRMなのです。丸山ワクチンが薬として承認されなかったのも、単独では効果が少なかったためです。最近(執筆当時)発売されたアンサー注はこの丸山ワクチンを濃縮したものです。
7088 メラトニンとは(めらとにん) 長い間無用の長物と考えられていた松果体が、メラトニンというホルモンを分泌していることを最初に報告したのは、米国のアーロン・ラーナーで、今から38年前のことである。その後このメラトニンが生体の日週リズムと関係していることが分かってきました。メラトニンは天然の睡眠薬であることが報告され、その後時差ボケの解消に有効であること、免疫強化、フリーラジカル除去作用等等、様々な報告が散見されるように為りました。メラトニンは睡眠の質に影響を与えるのではなく、多量で催眠作用、生理学的な量で睡眠覚醒リズム位相に影響を与えるものとして考えることが出きると思われます。この性質を利用して睡眠障害の中でも、睡眠覚醒リズム障害の治療に応用されます。
7089 モチリンとは(もちりん) モチリンは十二指腸及び上腹部空腸粘膜に存在するペプチドホルモンで、IMC(空腹期伝播性収縮)の発現に関与しています。エリスロマイシンはモチリン分泌細胞に作用し、モチリンの分泌を促進させるとともに平滑筋のモチリン受容体に直接作用して腸管運動を亢進させ、また胃排出促進作用も有しているとされる。
エリスロマイシンはモチリンアゴニストです。モチリンは消化管運動を亢進する働きのあるタンパク質です。ヒトの消化管では、空腹時に1〜2時間ごとに胃から始まって回腸末端(盲腸の前)まで移動していく周期的な強い収縮運動が生じていることが知られており、これを空腹期肛側伝播性強収縮帯(IMC)と呼んでいますが、このIMCを制御しているのが、モチリンであるとされている。
7090 リガンドとは(りがんど) リガンドは受容体と結合する能力をもつ物質(元々生体内にあるものを内因性リガンドという)。
受容体は種類により、それぞれ特異的なアミノ酸配列および空間構造を有しているため、特定のリガンドを選択的に結合する機能を持っています。リガンドと受容体との間にはイオン性、水素結合性、疎水性またはファンデルワース等の結合力が作用しています。リガンドが受容体と結合すると、アミノ酸の連鎖で形成されている受容体の空間構造が変化し、その歪みが情報として細胞内に伝達され、その情報はG蛋白を介し、セカンドメッセンジャーに伝達され、その結果、生体内物質の活性抑制や遺伝子発現等の生体反応を発現します。情報伝達にG蛋白が重要な役割を担っている受容体はG蛋白共役型と称される。
7091 ロイコトリエンとは(ろいことりえん) アラキドン酸、EPA(エイコサベンタエン酸)から動物体内で合成される一群の生理活性物質でロイコトルエンとも呼ばれる。A,B,C,D,E,Fの6種類からなり、さらに分類されそれぞれ独自の働きをする。気管支に緩和な持続性の収縮を引き起こし、小腸の運動を促進し、血管の透過性を亢進します。特にn−6系アラキドン酸から作られるロイコトリエンは炎症タイプと言われ、喘息の原因物質ありn−3系EPA(エイコサベンタエン酸)から作られるロイコトリエンは炎症-喘息を抑える働きがある。
7092 トロンボキサンとは(とろんぼきさん) アラキドン酸などから動物組織で合成される一群の生理活性物質の総称です。 A,Bの2型があり、それぞれさらに3つに分類される。 血小板で合成されますが、肺蔵、腎臓、腸などの組織細胞でも合成される。 一部のトロンボキサンは血小板凝集作用、血管平滑筋の収縮作用、気管支平滑筋の収縮作用、動脈の収縮作用などの強力な生理活性を示し、血栓症、狭心症、喘息などの原因の一つでもあると考えられる。
7093 プロスタグランジンとは(ぷろすたぐらんじん) 必須脂肪酸から作られるホルモンの様な働きをする物質で、体内でリノール酸とα-リノレン酸から複数の水素原子を取り除き、炭素の2重結合を増やすことで作られます。炎症、痛み、腫れの調整、血圧、心機能、胃腸機能と消化酵素の分泌調整、腎機能と流動調節、血液凝固と血小板凝集、アレルギー反応、神経伝達、各種ホルモンの産生に関係する。炭素原子の2重結合の数によりプロスタグランジンは、E1、 E2、 E3 の3種類に分類され、その中で、さらに細分化され数種類のプロスタグランジンがそれぞれ異なる働きをする。     
一般的にE1とE3は、善玉プロスタグランジン、E3は悪玉プロスタグランジンとされ、特にE2タイプのプロスタグランジンは、その働きが強くなりE1,E3とのバランスが崩れると 血小板の粘性を高める作用をし、結果 血小板が固まりやすくなることから血栓が作られ、動脈硬化や心臓病、脳卒中、乾鮮、湿疹を含むアレルギー皮膚炎と炎症、老化から起こるガン、糖尿病などの自己免疫疾患などがおこる。E2の一部のプロスタグランジンは平滑筋を緩徐に収縮させる物質 (アナフィラキシーの遅反応物質)であり、喘息の原因になる事が分っています。
7094 リゾチームとは(lysozym, lysozyme)   ペニシリンの発見者A. Flemming(1933)により見いだされた溶菌酵素。鼻汁,涙,唾液,血清,組織,食細胞のリソソーム顆粒中などに広く存在します。さらに卵白、植物の分泌物や組織にも含まれ、枯草菌などの細菌によっても産生される。
7095 リボソームとは/リボゾームとはりぼそーむ、Ribosome) リボソームまたはリボゾーム (Ribosome) はあらゆる生物の細胞内に存在する構造であり、mRNAの遺伝情報を読み取ってタンパク質へと変換する機構である翻訳が行われる場である。リボソームは大小2つのサブユニットから成り、これらは蛋白質とRNAの複合体である。細胞小器官に分類される場合もある。X線構造解析により立体構造が決定された。
7096 リポソームとは(りぽそーむ、liposome) もともと薬剤を投与する方法としておもに医学の分野で使われている科学技術であり、リン脂質でできた多重層のカプセル構造のことをいいます。リン脂質の分子は、図のように松葉のような形をしていて、頭の部分が親水性、葉のように見える部分が疎水性という2つの性質を併せ持っています。ですから、水に放たれると親水性の部分が水と引きつけあい、球形のリポソームを形成するのです。リポソームは、水溶性の美容成分をその親水性の部分に、油容性の成分をその疎水性の部分に閉じこめることができるという画期的なテクノロジーです。

図.リポソームの構造(模式図)

(引用: シスメックス社)
7097 リンホカインとは(りんほかいん) リンパ球が抗原に刺激されたときに産生する生理活性物質の総称。マクロファージ遊走阻止因子(MIF)、白血球遊走阻止因子(LIF)、インターフェロン(IFN)などがある。リンパ球由来の活性因子で、 遅延型アレルギーなどの細胞免疫を仲介する一連の作用物質。主として、Tリンパ球に対応抗原を添加培養したときに産生放出される液性因子です。
7098 常染色体とは(じょうせんしょくたい) 常染色体は性染色体以外の染色体のことであり、ヒトの体細胞は22対、44本の常染色体を持つ。 一つの生物種では性染色体は多くても二種類であり、X、YあるいはZ、Wと呼ばれる。これに対し、常染色体は一般に数が多く数百を持つ種もあり、通常アラビア数字あるいはローマ数字で呼ばれる。漢数字を使う例があるかは不明。どの染色体が何番であるかは大きさで決まることが多い。しかし厳密ではなく、例えば、最初に全塩基配列決定が行われたヒトの染色体である21番染色体は、22番染色体よりも小さい。この理由として、ダウン症の原因として当初21番と22番を取り違えたトリソミー21という名称が普及してしまったため、この名称に沿って染色体番号を変更したという経緯がある。また、出芽酵母の例のように大きさと番号に強い関連性を見いだせない場合もあり、そこには深い謂れがあると人の言う。 また、性が無い生物、あっても性染色体によっては決定されない生物では、常染色体という言葉にさほどの意味は無い。
7099 プチド結合とは(ぺぷちどけつごう) ペプチド(Peptide)やタンパク質(Protein)はアミノ酸が多数鎖状に結合したものです。1つのアミノ酸のアミノ基ともうひとつのアミノ酸のカルボキシル基が反応して結合し、水素2つと酸素1つ(H2O:水)がはずれます。これによってできた結合をペプチド結合(Peptide bond)といいます。ペプチド結合は逆に強い酸や蛋白分解酵素(Protease)等によって加水分解されます。
7100 感音性難聴とは(かんおんせいなんちょう、Perception deafness) 蝸牛や有毛細胞、聴覚の伝導路等に問題があり、音が聞こえにくくなること。ストレプトマイシンは有毛細胞を障害することがある。
7101 伝音性難聴(でんおんせいなんちょう、Conduction deafness) 外耳や中耳の異常によって音が聞こえにくくなります。炎症等によって起こる。
7102 聴覚検査とは(ちょうかくけんさ) 純音オーディオメトリー(Pure tone audiometry):低周波数(125Hz)から高周波数(8000Hz)の純音を聞かせてその音の聞こえる強さを測定します。気導と骨導の聴覚検査を行うことによって感音性と伝音性難聴を区別できます。感音性難聴では蝸牛や伝導路に障害があるので、気導、骨導とも同様に障害されます。伝音性難聴では外耳、中耳の異常なので、気導は障害されますが、骨導はあまり障害されず、両者の結果に解離が生じます。
7103 眼振とは(がんしん) 遊園地のコーヒーカップに乗ったときのように体を一定方向に回転させ続けると眼球が体の回転方向に回転し、すぐに戻る運動を繰り返します。これを眼振(nystagmus)という。眼振は正常のひとにも起こりますし、脳の病変によっても起こる。
7104 遺尿症とは(いにょうしょう) 遺尿症とは排尿調節可能の年齢に達しても無意識的排尿が起こる状態を言い、夜間就寝中に生ずるのが夜尿症です。
7105 遺糞症とは(いふんしょう) 遺糞症とは次のように定義されています。
1)意図的であるかどうかは問わず、不適切な場所(例:衣服や床)に繰り返し、大便を漏らすこと
2)暦年齢および精神年齢は少なくとも4歳
3)遺糞は少なくとも月に1回はある
4)少なくとも6ヵ月間の持続
5)遺糞の原因となりうる器質的障害がない
7106 精力減退とは(せいりょくげんたい) 精力減退は男性の生殖機能の低下に他ならず、原因には下記のようなものが挙げられます。
1)加齢が原因の精力減退
他の様々な人間の機能同様、生殖機能である精力も年齢とともに減退していきます。しかし、生活改善や食生活の見直しを行うことで多少、減退の程度を抑制させることができるといわれています。また外部から補うこともできます。
2)慢性的な病気が原因の精力減退
生活習慣病が日本人の健康に甚大な影響を与えていることはよく知られていますが、糖尿病に代表されるその他の疾病は精力減退を引き起こす原因の一つです。
3)薬物等の使用による副作用
違法なドラッグの乱用、アルコール依存症、ニコチン中毒などの副作用は精力減退を招く原因になることがあります。いずれも刺激への反応に著しい低下が見られます。
4)勃起中枢神経の機能低下
勃起に必要な勃起中枢神経の機能が事故やその他の原因により低下を余儀無くされ、精力が減退した状態を指します。
7107 アイゼンメンゲル症候群とは(あいぜんめんげるしょうこうぐん) 心臓の中隔に欠損があると動脈血の一部が欠損孔を通って流れてしまいます(左→右短絡)。しかし欠損孔が大きくなると短絡を流れる血流量が増し、肺動脈圧が上昇します。すると右心系の圧力の上昇が起こり、逆短絡である右→左短絡が生じ、血液の流れが逆になり、静脈血が左心系や大動脈に流れ、皮膚が紫色になるチアノーゼが現れます。このような状態をアイゼンメンゲル症候群といい、先天性心臓疾患の約8%にみられます。呼吸困難や動悸があり、気管支炎や肺炎を繰り返し進行性に悪化します。
7108 集中治療室とは(しゅうちゅうちりょうしつ、ICU) 集中治療室とは「内科系、外科系を問わず呼吸、循環、代謝そのほかの重篤な急性機能不全の患者を収容し強力かつ集中的に治療看護を行うことにより、その効果を期待する部門である。」と定義されています。
7109 意識混濁とは(いしきこんだく、clouding of consciousness) 意識障害のひとつ。うとうとしており刺激があれば覚醒する状態(傾眠)かなり強い刺激で反応するが覚醒しない状態(昏眠)外界の刺激には全く反応がなく、精神活動が停止している状態(昏睡)がある。
7110 移植とは(いしょく ) 生きた臓器、組織、細胞を人に移し替えることをいう。移植は自分自身の組織を自分の体の他の部分に移し替える自家移植(皮膚など)、一卵性双生児間の同系移植、同じ種に属する他の個体へ移植する同種移植、異なった種間の異種移植の4つある。移植の成否には、主要組織適合性抗原の一致が最も重要です。また広い意味では輸血も同種移植として扱う。
7111 一過性とは(いっかせい) ある病状が一時的に出現し、そして短時日のうちに、元の状態にもどることをいい、一過性の関節炎や多呼吸、一過性脳虚血発作などがある。
7112 移動盲腸症とは(いどうもうちょうしょう) 盲腸は生理的にも多少の移動性があり、上方6cm、内方2cmまでを生理的限界とする。移動の大きさがこれ以上で、腹痛などを起こすものを移動盲腸症といい、一般に腸間膜の延長によって起こる。便秘や右下腹部痛などの症状がみられ、腹部の触診で、盲腸の膨隆、圧痛が認められる。20〜30代に多く、欧米ではとくに女性に多い。
7113 医療過誤とは/医療事故(いりょうかご、いりょうじこ) 医療従事者(医師、看護婦、検査技師など)が手術、検査、注射などの職務上の行為を行った際、患者に何らかの事故が起こった場合をいう。
7114 インフォームド・コンセントとは( いんふぉーむどこんせんと) 医師と患者の関係を規定した概念で、医療現場において、医師が患者に病名、病状などを正しく伝え、医師の提示する治療法について患者の同意を得ることをいう。その内容には検査の目的や内容、治療法や処置の成功の確率および危険性や副作用、またこれらの治療を拒否した場合に予想される結果などがある。このように医師から十分に説明を受け、患者が納得できる医療内容を医師と患者がともに形成していこうとする患者中心の考え方を意味する。一般的には「説明と同意(承諾)」として理解されています。
7115 カウンセリングとは( かうんせりんぐ) 学校や職場などに適応できなくなり、援助を求めてきた人に、専門家(カウンセラー)が心理的に援助することをいう。カウンセラーは依頼者の主体性を重んじ、その話を共感的に受け止め、依頼者の内的緊張の解放を図り、現実を見直すゆとりを取り戻す。そして、依頼者が現実を正しく認識して問題を解決し、人間的な成長・自己実現を達成できるように援助します。
7116 過換気症候群とは/過呼吸症候群とは(かかんきしょうこうぐん、かこきゅうしょうこうぐん) 発作的に換気運動を起こすことにより、動脈血中の炭酸ガスが異常に排泄され、その結果、さまざまな症状が現れる機能的症候群をいう。おもに神経症や若い女性のヒステリーにみられ、心因性ストレスが原因となって発作を起こす。おもな症状として四肢の知覚異常、口周辺の麻痺、心悸亢進、けいれん、めまいなどで、発作の持続時間は30〜60分程度のものが多い。治療は紙またはビニールの袋を顔にかぶせ、自分の呼気を再吸入させ、呼吸中枢の抑制を図る。
7117 観血的治療とは/非観血的治療とは(かんけつてきちりょう、ひかんけつてきちりょう) 外科的手術によって出血をみるものを観血的治療といい、内科的治療を非観血的治療という。
7118 記憶障害とは(きおくしょうがい) 記銘、保持、追想(再認)という一連の精神作用によって維持されている記憶のメカニズムの一部が阻害されて起こる障害をいう。その障害の起こる箇所によって記銘(力)障害、保持障害、追想障害等と分ける。
7119 器質的変化とは(きしつてきへんか) 組織や細胞が、もとの形態にもどらないような変化が起こることをいい、このようになった病気を器質的疾患という。
7120 経管栄養とは(けいかんえいよう) 経口摂取が困難な患者に対し、鼻腔、食道をへてチューブを胃内、あるいは十二指腸や空腸に挿入し、消化管内に直接必要な流動性栄養物(アミノ酸、ブドウ糖、ビタミンなど)を注入すること。
7121 経皮感染とは( けいひかんせん) 皮膚からの感染をいい、生体の外傷・損傷部から浸入する場合(破傷風、ガス壊疽、梅毒など)、寄生体が自らの力で皮膚などから進入する場合(ジストマ、ワイル病)、そしてダニや蚊などを介して進入する場合(日本脳炎、マラリア、つつが虫病)の3つがある。
7122 血液浄化法とは(けつえきじょうかほう) 血液のなかにたまった病的物質を取り除く方法で透析、濾過、吸着、血漿交換などの方法がある。透析は血液透析と腹膜透析とに分けられ、血液と透析液の間に半透膜を介してこれらを交替させ、血中の老廃物を除去するというもので、主に腎不全に用いられる。血液濾過は透析膜より大きい孔の人工膜を使う。透析は小さい分子量の物質除去に優れており、また血液濾過は中分子物質を対象とする。血液吸着は活性炭などの吸着剤に、直接血液を潅流し、一定の物質を除去する方法で、血漿交換は大きい分子量のタンパクや、タンパクと結合した物質を取り除くことを目的とした浄化法です。薬物中毒、膠原病、骨髄腫、劇症肝炎などに用いられる。
7123 血管作動性腸管ポリペプチド(けっかんさどうせいちょうかんぽりぺぷちど 、VIP) 血管拡張、血圧低下作用をもった消化管、中枢神経細胞、自律神経線維などに存在する活性ペプチドで、構造は、ヒト、ブタ、ウシとも同じであり、抽出精製したものを治療薬として使用する。
7124 見当識障害とは(けんとうしきしょうがい) 見当識は時間、場所、人物や周囲の状況を正しく認識することをいう。見当識が障害されると家族がわからなくなったり、日時や季節がわからない、あるいはいま自分がいる場所がわからないというような現象が起こる。
7125 原発性とは(げんぱつせい) 病変の原因がそれ自体の臓器を発生母地としている場合を原発性といい、他の臓器の疾患による二次的なものを続発性という。
7126 原発巣とは(げんぱつそう) 体のあらゆるところに病気があったとしても、いちばん最初に病気になった場所を原発巣という。たとえば胃がんが転移し、肺がん、肝臓がんなどとなったとしても、その人の原発巣は胃がんであるという。
7127 高圧酸素療法とは(こうあつさんそりょうほう) 高圧酸素療法とは通常約2気圧の酸素の中に入り、血液中の酸素分圧を上昇させることにより体の低酸素状態に陥っている部位の改善をはかろうとする治療方法です。 また高気圧による物理的作用による効果を期待した適応もあります。適応疾患の主なものは次のとおりです。
脳神経外科:脳塞栓症、開頭術後、心停止後の低酸素脳症など
整形外科:ガス壊疽、重症脊髄外傷、外傷による圧挫滅創など
外科:重症熱傷、腸閉塞、難治性皮膚潰瘍など
内科系:一酸化中毒、急性心筋梗塞など
7128 向精神薬とは(こうせいしんやく) 中枢神経に作用し精神機能(心の働き)に影響を及ぼす薬物の総称で、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などがあります。一般科においても抗不安薬や睡眠薬などは治療や検査に用いることがあると思います。ここでは精神科以外では、使用頻度が少ないと思われる抗精神病薬の薬理作用と副作用について説明します。
抗精神病薬はその作用力を示す強さ(等価用量)によって、高力価群と低力価群に分けられます。高力価群はおもに幻覚妄想に、低力価群は精神運動興奮に対する鎮静目的に使用されます。副作用においても、前者は錐体外路系に影響を及ぼすのに対し、後者は自律神経や循環器系に作用を及ぼす場合が多いとされています。以下、具体的に精神科で使用されている薬を分類しました。
種 類 おもな商品名 薬品名 一般的効用/備考









コントミン、
ウインタミン
クロルプロマジン 精神運動興奮における鎮静作用
ヒルナミン、
レボトミン
レボメプロマジン 強力な鎮静作用
ベゲタミンA、
ベゲタミンB
クロルプロマジン
配合剤
抗精神病薬ですが、主として睡眠剤として使用されている。
バルネチール スルトプリド 鎮静作用の他、抗躁作用もあり、躁状態に使用される。
ロドピン ゾテピン
メレリル チオリダジン 安定した鎮静作用
プロピタン ピパンペロン



セレネース、
ハロステン
ハロペリドール 優れた抗幻覚妄想作用。定型薬においては幻覚妄想状態の第一選択薬として多用される。
PZC、トリラホン ペルフェナジン 安定した抗幻覚・妄想作用
トロペロン チミペロン
エミレース ネモナプリド


オーラップ ピモジド おもに慢性期の患者さんに使用されることが多い。
ニューレプチル プロペリシアジン 衝動性に有効とされる
ドグマチール、
ミラドール
スルピリド 少量で抗うつ効果、抗潰瘍効果があり。副作用としてプロラクチン濃度上昇による乳汁分泌
持効性
抗精神病薬
アナテンゾールデポ
(2週間)
フルフェナジン デポ剤(長期間作用する注射薬)。コンプライアンス不良例(拒薬傾向など)に使用されている
フルデカシン
(4週間)
ネオペリドール、
ハロマンス(4週間)
ハロペリドール
非定型
抗精神病薬
リスパダール リスペリドン 水溶液タイプもある
ジプレキサ オランザピン 通常、1日1回経口
セロクエル クエチアピン 安定した抗幻覚妄想作用
ルーラン ペロスピロン
7129 抗毒素とは(こうどくそ) 細菌の外毒素や蛇毒などの毒素を馬などの動物に注入し、その動物が毒素を中和するためにつくった抗体を精製したものをいう。ジフテリア、や破傷風などの感染症の予防、治療に用いられる。
7130 5年生存率とは(ごねんせいぞんりつ) がんのように予後不良な病気の場合に用いられる治療判定の目安として使われ、診断後、治療(手術など)をして5年間たっても再発しなければ、その病気はいちおう治癒したとみなす考え方です。臨床的には1年生存率、3年生存率、10年生存率などもある。
7131 細胞診とは(さいぼうしん) 喀痰、尿、腟分泌物および消化器系、呼吸器系、胸水、腹水、臓器穿刺などによって採取した細胞を染色し、がんを診断したり、性周期、ホルモン作用などを調べる検査法をいいます。肺、食道、胃、腸、子宮頚部がんの診断に効果を発揮している。  
7132 催眠療法とは(さいみんりょうほう) 暗示療法の1つで、人に催眠をかけてもらい精神的な抑圧等を発散させたりする他者暗示と、自分自身で暗示をかける自律訓練法とがあります。効果が認められる神経症もありますが、しかし一時的な効果です。
7133 CTとは/コンピュータ断層撮影とは(こんぴゅうーたーだんぞうさつえい) 人体に種々の角度からX線をあて、輪切り状に3次元的に映像化するコンピュータを用いた装置。従来のX線撮影に比べると、骨、液体成分、空気などを微細な濃淡の映像として表すことができ、初期には脳卒中、脳腫瘍などの頭部の診断に用いられていましたが、現在では全身の撮影に用いられています。
7134 磁気共鳴画像とは/MRIとは( じききょうめいがぞう) 人体の各細胞がもっている磁気性を利用し、強力な磁場内で起こる体内の水素原子の磁気共鳴をコンピュータで映像化する装置。これにより、体内の出血・梗塞部位や腫瘍組織の検索、従来難しいとされていた脳幹から脊髄までの中枢神経系や、頚部などの病態が鮮明に把握できるようになりました。またX線とは異なり、人体に対する影響がない診断法です。
7135 自発痛とは(じはつつう) なにもしていないのに感じる痛みのことをいいます。安静時痛または夜間痛があるのに、その痛みが体の動きによって増強することがないもの。。
7136 集学的治療とは( しゅうがくてきちりょう) 1つの治療法だけでは治療効果が上がらないと判断されたとき、他の治療方法を組み合わせて治療成績を向上させようとする治療法をいいます。たとえば手術を担当する外科医、放射線治療を担当する放射線科医、化学療法を担当する内科医などが協力してその患者に最もふさわしい治療を行うのも集学的治療の1つです。
7137 植物人間( しょくぶつにんげん) 人には運動や感覚をつかさどる動物性機能と呼吸や消化、分泌をつかさどる植物性機能があります。植物人間とは、この動物性機能が失われ、植物性機能のみが生き残っている人、すなわち脳への外傷や障害によって意識が元に戻らず、また外からの刺激に対しても反応を示さない状態になった人のことをいいます。大脳および脳幹部の障害により機能が止まってしまった脳死状態とは区別される。
7138 人格障害とは(じんかくしょうがい) その人の持っている「人格」が常道からはずれてしまって、社会生活に障害を来すものを言う。青年期や成人期早期に始まることが多く、長期にわたってその人格が安定しいて、苦痛を伴う。この中でその障害が他の精神障害に原因がないものを一般的に人格障害とう。 シュナイダーという人は、人格異常を「平均からの変異や逸脱」としている。この中では、いわゆる天才や聖人も人格異常となるので物議をかもし出した。 DSM(アメリカの精神医学の診断基準)では「個人の最近(過去1年)の、またはもっと長期にわたって持続する機能状態に特徴的な行動傾向や人格傾向のことである。 これらの組み合わせのタイプは重大な社会的、職業的、主観的な苦痛をもたらすもの」となっている。機能障害とは「認知、感情、対人関係、衝動のコントロールの領域の2つ以上の領域に及ぶこと」などとなっている。一般的な人格とは、連続性(かけ離れたものではない)がある。 このことが他の精神障害と異なる点です。
7139 神経伝達物質とは(しんけいでんたつぶっしつ,Neurotransmitter) シナプスでシグナル伝達に介在する物質で、神経細胞などに多く存在する。 1960年代からの判断基準によれば、次に該当する物質が神経伝達物質と呼ばれる。 シナプス前細胞で合成される。 シナプス前細胞から開口放出後、シナプス後細胞に(受容する機構があり)影響を与えるに十分な量がある。 非常に局所的に作用し、内在性放出を模倣するかのように作用する。 放出後に生化学的に不活化するような機構が存在する。 ただし、亜鉛イオンのように、生体内で合成とは言いがたい方法で単離されるもの、一酸化窒素のように細胞膜を透過しシナプス間隙より広い範囲に拡散するものについても神経伝達物質とみなす見方もある。 また、ホルモンも細胞間シグナル伝達に介在する物質であり、特定の分子が開口放出され受容体に結合して作用する点なども同じであるが、神経伝達物質は特定の細胞間で局所的に作用が及ぶもの、ホルモンは循環器系を通じて拡散し大局的に作用するものとして分類されている。
神経伝達物質は大きく分類すると以下の3つになる。 アミノ酸 (グルタミン酸、γ-アミノ酪酸、アスパラギン酸、グリシンなど) ペプチド類(バソプレシン、ソマトスタチン、ニューロテンシンなど) モノアミン類 (ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)、ドパミン、セロトニン)とアセチルコリン その他一酸化窒素、一酸化炭素なども神経伝達物質様の作用を示す。
7140 神経ブロックとは(しんけいぶろっく) 痛みの原因となる交感神経線維、知覚神経線維や運動神経線維の異常な緊張や興奮を取り除き、その神経が支配している領域の痛みや不快感を断ち切る治療法で、ペインクリニックではもっとも重要な位置をしめる。病気は一般的に自律神経の異常を引き起こす。これが病気を長引かせたり、他の症状を引き起こしたりする。神経ブロック療法の中でも特にSGB療法や硬膜外ブロック療法は、交感神経(自律神経の一種)を一時的に遮断(ブロック)し、人間が本来持っている自然治癒力により病気や症状を改善する画期的な治療方法です。
7141 人工肛門とは(じんこうこうもん) 病気のため、手術で腸の病気の部分を切り取ったあと、腸内容(便やガスなど)を排出させる目的で、腹壁に孔をあけ、腸管に一部を開口したものです。 医療器具や器材を用いて人工的につくる肛門ではなく、腸に粘膜でつくられた便の排泄口です。 また、ストーマ(stoma)とは消化管や尿路を人為的に対外に誘導して造設した開放孔のことをいい、広義にはその他に生じた開放口も含みます。
7142 浸潤とは(しんじゅん) 組織に炎症が起こったとき、白血球がその組織のなかへ入っていくことや反対に、病巣が周囲の組織を徐々に侵し広がっていく状態をいう。
7143 心臓死とは(しんぞうし) 心臓の機能が停止し、心臓から脳へ血液が流れなくなったことにより死亡することをいいます。ちなみに死の判定は、心臓の停止、呼吸の停止、瞳孔の散大の3徴候によって行いますが、心臓が動いていても脳が死ねば死亡とする脳死の考え方も議論されています。
7144 心肺蘇生法とは(しんぱいそせいほう) 心臓および呼吸が停止状態になったとき、すぐに心臓マッサージと人工呼吸を行い、蘇生を図る方法のことをいいます。
7145 診療録とは/カルテとは(しんりょうろく、かるて) 患者の病気に関するすべてを記録したもので、病気経過、検査結果、使用薬物、治療方法・結果、患者との会話などが含まれ、患者の診療にたずさわる医療従事者以外にはプライバシーの問題から公表することはできません。またカルテはどのような場合でも、5年間は保存されています。
7146 線維筋痛症とは(せんいきんつうしょう)
線維筋痛症は全身的慢性疼痛疾患であり、全身に激しい痛みが起こる病気です。全身や広範囲が痛み、またある部分だけが痛むことがある。その痛みは軽度のものから激痛まであり、耐え難い痛みであることが多い。痛みの部位が移動したり、天候によって痛みの強さが変わったりすることもある。 痛みが強いと日常生活に支障をきたすことが多く、重症化すると、軽微の刺激(爪や髪への刺激、温度・湿度の変化、音など)で激痛がはしり、自力での生活は困難になる。随伴症状として、こわばり感、倦怠感、疲労感、睡眠障害、抑うつ、自律神経失調、頭痛、過敏性腸炎、微熱、ドライアイ、記憶障害、集中力欠如、レストレスレッグス症候群などが伴う事もあり、症状は個人差がある。中には、リウマチや他の膠原病を併発する人もいる。痛みによって不眠となりストレスが溜まり、それがまた痛みを増強させる場合もあると考えられる。死に至る病ではない。線維筋痛症は男性よりも女性に多く、中高年の方に多い病気です。そのため自律神経失調症や更年期障害、不定愁訴などど他の病気と診断されることも少なくない。現在人口の1.66%、約200万人いるのではないかと疫学的に発表されております。
線維筋痛症とは? 線維筋痛症とは、全身的慢性疼痛疾患であり、全身に激しい痛みが起こる病気です。 症状 全身や広範囲が痛み、またある部分だけが痛むことがあります。 その痛みは経度のものから激痛まであり、耐え難い痛みであることが多いです。痛みの部位が移動したり、天候によって痛みの強さが変わったりすることもあります。 痛みが強いと日常生活に支障をきたすことが多く、重症化すると、軽微の刺激(爪や髪への刺激、温度・湿度の変化、音など)で激痛がはしり、自力での生活は困難になります。 随伴症状として、こわばり感、倦怠感、疲労感、睡眠障害、抑うつ、自律神経失調、頭痛、過敏性腸炎、微熱、ドライアイ、記憶障害、集中力欠如、レストレスレッグス症候群などが伴う事もあり、症状は個人差があります。 中には、リウマチや他の膠原病を併発する人もいます。 痛みによって不眠となりストレスが溜まり、それがまた痛みを増強させる場合もあると考えられております。 死に至る病ではありません。 線維筋痛症は男性よりも女性に多く、中高年の方に多い病気です。そのため自律神経失調症や更年期障害、不定愁訴などど他の病気と診断されることも少なくありません。 現在人口の1.66%、約200万人いるのではないかと疫学的に発表されております。 診断方法 明確な診断基準はなく、現段階では1990年に発表されたアメリカリウマチ学会の分類基準を参考にしています。 全身に18箇所の圧痛点があり、4kgの力で押し11箇所以上痛く、また広範囲の痛みが3ヶ月続いていることが条件。11箇所以上でなくても専門医の判断で線維筋痛症と診断されることもあります。他の病気があっても線維筋痛症の診断はされません。 また、検査をしても異常がないのが特徴です。 血液、レントゲン、CRPという炎症反応、筋電図、筋肉の酵素、CT、MRIを検査しても異常がなく、線維筋痛症と診断できる検査がありません。 そのため患者の多くは診断されるまで、何箇所もの医療機関を何年にもわたってまわり続けることになってしまうのです。原因はまだ未解明です。
薬は特効薬はなく、普通の痛み止めが効かない場合が多く、脳内の痛みをコントロールする作用がある抗精神薬を服用することが主流とです。患者は精神的な病になっているのではなく、薬の痛みをコントロールする作用を期待して服用している。その他 線維筋痛症は日本において社会保険診療報酬制度に入っていないため、保険適用外となっている。医者が随伴症状で保険を適用させているのが現状です。
7147 生検とは(せいけん) 患者から生体の一部を採取してその組織を光学あるいは電子顕微鏡や化学的検査などで調べて、病気の診断や経過予後の判定の一助にすることをいう。皮膚、筋肉、腎臓、肝臓、骨髄、肺、心臓、消化管、粘膜など、病気の診断の根拠になるあらゆる組織が対象となる。
7148 成人呼吸促迫症候群とは(せいじんこきゅうそくはくしょうこうぐん) 成人呼吸促迫症候群はARDSとも、ショック肺とも呼ばれます。さまざまな原因によって引き起こされる急性の呼吸困難、重症の低酸素血症、肺損傷の総称です。死亡率は50-60%と高く、早期の適切な治療が必要です。外傷性ショック・出血性ショック・火傷・大手術・有毒ガスなどさまざまな誘引に引続いて、呼吸困難が急激に起こる。急速に進行して、数日でピークに達する。成人呼吸促迫症候群は発症メカニズムが充分にわかっていないので、できるだけ早く呼吸状態を改善させる呼吸管理をし、原因となる病気を治療する事が大切です。
7149 精神薄弱とは(せいしんはくじゃく) 精神薄弱は先天性、または出産時、ないし出生後早期に、脳髄に何らかの障害を受けているため、その結果として、知能が未発達な状態にとどまり、精神活動が劣弱で、学習や社会的・行動的適応がいちじるしく困難な状態をいう。   
1)重度(IQ:20から25以下の程度)    
日常生活では、たえず介護・保護を成人になっても必要とする。   
2)中度(IQ:20〜25から50の程度)    
他人の助けより、ようやく身辺の事柄を処理できる。   3)軽度(IQ:50から75の程度)    
日常生活にさしつかえのない程度に身辺処理することができるが、抽象的思考推理は困難である。
7150 セロトニンとは(せろとにん、serotonin, 5-HT) セロトニンとは、「血小板と消化管に高濃度に存在して血中に分泌される、平滑筋収縮作用を持った生理活性物質。 CNSでの神経伝達物質でもある」
1.薬理効果
平滑筋収縮作用 ほとんどの血管を収縮させるが、骨格筋の血管にかぎって拡張させる。 CNSでの神経伝達物質 原則として抑制性に働くが、興奮性に働く場合もある2.分布
セロトニンは胃腸管粘膜のクロム親和性細胞 enterochromaffin cell でトリプトファンから生合成され、血中で血小板に取り込まれる。 したがって血小板と消化管に高濃度に存在する。
3.分泌制御
血小板
好塩基球から放出された血小板活性化因子 PAF は血小板からのセロトニン放出を促進する。
4.セロトニン受容体
5-HT1受容体:
5-HT2受容体:
5-HT3受容体:
自律神経・腸神経系・知覚神経に局在し、神経の脱分極を促す。また延髄のCTZにも存在し、嘔吐反射に関係する。
5-HT4受容体:
7151 前がん状態とは/前癌状態とは(ぜんがんじょうたい) ある臓器に病変がある場合、その病変からがんが見つかる確立が正常な部分と比べた場合、明らかに高率である状態を前がん状態、あるいは前がん病変といいます。しかし、対照とするものと比べて、どの程度高ければ前がん状態というのかに問題があり、定まった考えはありません。現在のところ、胃や大腸の腺腫、子宮頚部の異型上皮、経過の長い潰瘍性大腸炎、皮膚の老人性角化症、などが前がん状態といえるものです。
7152 染色体とは(せんしょくたい) 遺伝子の集合体で細胞核のなかにあり、細胞分裂のときに出現する塩基性色素のことをいい、色素に染まりやすい性質があることから、染色体とよばれています。正常の人間は46本、男女共通の常染色体(44本、いずれも対になっており、22対)と2本の性染色体(1本は父から、1本は母から伝達される)から構成されている。
7153 仙痛とは(せんつう) おもに胃壁および腸壁などを形成している平滑筋の痙攣によって起こる疼痛をいい、発作的に激痛が始まり、しばらくの間続き、やがて徐々に解消していきますが、間隔をおいて、また激しく痛み出すという特徴がある。また、冷や汗やショック症状を伴うこともある。胃腸のほかに、尿管、胆嚢、胆道、膀胱などで起こる。
7154 蠕動とは(ぜんどう) 腸に物が入ることにより周期的に環状の収縮を次々と下部に伝え、物を肛門部へ移動させる大腸の正常な運動のことをいう。
7155 潜伏期とは(せんぷくき) 病原菌は生体内に侵入したとしても、すぐには発症しません。それは、その病原菌が増殖するまでに一定の期間を要し、そして生体と反応して初めてその症状を表すためです。この期間を潜伏期と呼ぶ。たとえば、かぜは2〜3日、水痘(水ぼうそう)は2〜3週間、B型肝炎は月単位です。
7156 素因とは(そいん) 病気あるいは症状の原因となるような因子や、病気にかかりやすい素質、および特別な体質などをいいます。
7157 塞栓とは(そくせん) 血管やリンパ管内でできた異物、あるいは外から進入した異物が血流やリンパ流とともに移動し、細い血管などにひっかかって、つまってしまう状態をいう。
7158 続発性とは/二次性とは(ぞくはつせい、にじせい) 腫瘍などのために血圧が高くなってしまうなど、ある1つの病気のために、他の臓器にも病気が広がってしまうことをいう。
7159 組織適合抗原とは、HLAとは(そしきてきごうこうげん) ヒトには異物が体内に入った場合、これを体外に排除しようとする働きがあります。臓器移植などがよい例で、このHLAといわれる白血球の型が一致しなければ激しい拒絶反応を示します。とくに骨髄移植では重視される。
7160 措置入院とは(そちにゅういん) 精神障害者が、自分自身を傷つけたり他人に害を及ぼすおそれがあると2人以上の精神衛生指定医が一致して、精神保健法に則り診断をくだした場合、その患者を指定の病院に入院させることができることを措置入院あるいは強制入院という。
7161 尊厳死とは(そんげんし) 人間として生きるために、また人間としての尊厳を保ちながら生をまっとうしようとする考えから、自分の生の終わり方を自分自身で選択し、決定する死をいう。
7162 胆管ドレナージとは(たんかんどれなーじ 、PTCD) 胆石や腫瘍などで胆道がつまり、胆汁が排出されなくなった場合に、皮膚から小さな瘻孔をあけ、肝内胆管にチューブを入れ、胆汁を体外に排出するチューブ。同様の方法で、胆道鏡(PTCS)や胆嚢鏡(PTSSC)を使った検査も行われます。またこのチューブを使って、閉塞の原因となっている胆石の破砕除去や、腫瘍に対する放射線、レーザーの体内照射も行われます。
7163 単クローン抗体とは/モノクローナル抗体とは(たんくろーんこうたい、ものくろーんこうたい) 1つの抗体産生細胞からは1種類の抗体しか産生されないという性質を利用して作られた抗体で、バイオテクノロジーによって作り出された単一(モノ)のクローン抗体のことをいう。特定の抗原に作用する抗体を量産できるようになったことで、がん組織にだけ集中的に攻撃するミサイル療法などが試みられている。
7164 中心静脈栄養とは(ちゅうしんじょうみゃくえいよう) 手術の前後や体力の消耗がいちじるしい患者、または口からの栄養摂取ができない低栄養状態にある患者を対象とし、鎖骨下、頚、肘の静脈などから心臓またはその近くまでカテーテルを挿入し、高カロリーの液を持続的に点滴投与する方法をいう。
7165 超音波とは/エコー法とは(ちょうおんぱ、えこーほう) 超音波(2万ヘルツ以上の高い周波数をもつ音波)を対象物に照射し、対象物から反射して返ってきた信号(エコー)により、対象物の位置、形、動き、性質を知ろうとする検査法をいいます。体に害がなく、繰り返し使用できることから、各領域のスクリーニングや診断、治療に広く利用されています。
7166 超音波ドプラー法とは(ちょうおんぱどぷらーほう) 超音波の周波数偏移(ドプラー効果)を用いて心臓、血管内の血流を運動速度に置き換えて測定する方法で、血流の逆流、狭窄流、短絡流を知ることができます。心臓弁膜症や先天性心奇形、血管の狭窄、閉塞病変の診断に使われている。
7167 超音波内視鏡とは(ちょうおんぱないしきょう 、EUS) 内視鏡の先端に超音波発振装置をつけ、体腔内から周辺臓器を撮影する装置。たとえば、胃の粘膜下腫瘍や胃のなかから膵臓や肝道なども観察でき、診断に効果を発揮している。
7168 沈降反応とは(ちんこうはんのう) 抗原を含んだ液と抗体を含んだ液を混ぜ合わせたとき、白く濁る現象を沈降反応といい、抗体を測定するときに使われる。
7169 痛覚とは(つうかく) 痛みは皮膚などの表在痛、関節・筋などの深部痛、そして内蔵痛に分けられます。皮膚の痛みなどは知覚神経から伝わり、脊髄へ入って脳で感じ、内臓の痛みは、自律神経が関与する異常な筋収縮や血流障害などが原因です。
7170 肝動脈塞栓療法とは(かんどうみゃくそくせんりょうほう、TAE) 血管造影の技術を応用した肝臓がんの治療法。肝臓のがん組織は、肝動脈からの血流によって栄養を受けていることから、その血流を遮断することでがん組織を壊死させ、さらに塞栓した血管の末梢に抗がん剤を封入し、同時にがん組織に作用させるもの。
7171 デイケアとは(でいけあ) 8〜12人を1グループとして毎週4日以上病院、施設、診療所、保健所などに通所させ、6時間以上、レクリエーション療法、集団精神療法、作業療法、生活技能訓練などを行うことにより、精神障害患者のみならず、老年者の社会復帰活動を行うことを目的とする。
7172 デイサービスとは(でいさーびす ) 痴呆性老人を含む身体が虚弱または寝たきり等のために日常生活を営むことに支障のあるお年寄りを、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、老人福祉センターなどに、日中だけ預かってサービスをしてくれる制度です。サービス内容としては、生活指導、入浴、給食、洗濯や日常動作訓練などがある。
7173 適応症とは(てきおうしょう) 薬物あるいは手術などの治療法が有効と考えられる病気、症状、病態のこと。
7174 導尿とは(どうにょう) 排尿困難に陥ったとき、カテーテルを通じて尿を体外に排出させる方法をいい、一般的にはカテーテルを尿道から挿入し、膀胱内の尿を体外に誘導する尿道カテーテル法のことをいう。このほかに、カテーテルを直接腎盂内に挿入する腎瘻術、尿管内に挿入する尿管瘻術や、膀胱内に挿入する尿管瘻術などがある。
7175 特異体質とは(とくいたいしつ) あるものに対して、普通より強く反応が現れる体質のことで、アレルギー体質、浸出性体質、リンパ性体質、などがある。狭い意味では、食物や薬物に対してとくに過敏な反応(おもにアレルギー反応)を示す体質のことをいう。
7176 特定疾患とは/指定難病とは(とくていしっかん、していなんびょう) 厚生省が昭和47年に定めた要綱で、原因不明、治療法が未確立であり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病、経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護などに著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的に負担の大きい疾病を、特定疾患と定義した。俗に指定難病といわれ、現在までに対象疾患は30種以上に及び、国による医療負担制度がとられています。

特定疾患一覧
(財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター参照)

疾病番号 疾患名 疾病番号 疾患名
1 脊髄小脳変性症 62 難治性ネフローゼ症候群
2 シャイ・ドレーガー症候群 63 多発性嚢胞腎
3 モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症) 64 肥大型心筋症
4 正常圧水頭症 65 拡張型心筋症
5 多発性硬化症 66 拘束型心筋症
6 重症筋無力症 67 ミトコンドリア病
7 ギラン・バレー症候群 68 Fabry病
8 フィッシャー症候群 69 家族性突然死症候群
9 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 70 原発性高脂血症
10 多発限局性運動性末梢神経炎
(ルイス・サムナー症候群)
71 特発性間質性肺炎
11 単クローン抗体を伴う末梢神経炎
(クロウ・フカセ症候群)
72 サルコイドーシス
12 筋萎縮性側索硬化症 73 びまん性汎細気管支炎
13 脊髄性進行性筋萎縮症 74 潰瘍性大腸炎
14 球脊髄性筋萎縮症
(Kennedy-Alter-Sung病)

75 クローン病
15 脊髄空洞症 76 自己免疫性肝炎
16 パーキンソン病 77 原発性胆汁性肝硬変
17 ハンチントン病 78 劇症肝炎
18 進行性核上性麻痺 79 特発性門脈圧亢進症
19 線条体黒質変性症 80 肝外門脈閉塞症
20 ペルオキシソーム病 81 Budd-Chiari症候群
21 ライソゾーム病 82 肝内結石症
22 クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD) 83 肝内胆管障害
23 ゲルストマン・ストロイスラー・
シャインカー病(GSS)
84 膵嚢胞線維症
24 致死性家族性不眠症 85 重症急性膵炎
25 亜急性硬化性全脳炎(SSPE) 86 慢性膵炎
26 進行性多巣性白質脳症(PML) 87 アミロイドーシス
27 後縦靭帯骨化症 88 ベーチェット病
28 黄色靭帯骨化症 89 全身性エリテマトーデス
29 前縦靭帯骨化症 90 多発性筋炎・皮膚筋炎
30 広範脊柱管狭窄症 91 シェーグレン症候群
31 特発性大腿骨頭壊死症 92 成人スティル病
32 特発性ステロイド性骨壊死症 93 高安病(大動脈炎症候群)
33 網膜色素変性症 94 バージャー病
34 加齢黄斑変性 95 結節性多発動脈炎
35 難治性視神経症 96 ウェゲナー肉芽腫症
36 突発性難聴 97 アレルギー性肉芽腫性血管炎
37 特発性両側性感音難聴 98 悪性関節リウマチ
38 メニエール病 99 側頭動脈炎
39 遅発性内リンパ水腫 100 抗リン脂質抗体症候群
40 PRL分泌異常症 101 強皮症
41 ゴナドトロピン分泌異常症 102 好酸球性筋膜炎
42 ADH分泌異常症 103 硬化性萎縮性苔癬
43 中枢性摂食異常症 104 原発性免疫不全症候群
44 原発性アルドステロン症 105 若年性肺気腫
45 偽性低アルドステロン症 106 ヒスチオサイトーシスX
46 グルココルチコイド抵抗症 107 肥満低換気症候群
47 副腎酵素欠損症 108 肺胞低換気症候群
48 副腎低形成(アジソン病) 109 原発性肺高血圧症
49 偽性副甲状腺機能低下症 110 慢性肺血栓塞栓症
50 ビタミンD受容機構異常症 111 混合性結合組織病
51 TSH受容体異常症 112 神経線維腫症T型
(レックリングハウゼン病)
52 甲状腺ホルモン不応症 113 神経線維腫症U型
53 再生不良性貧血 114 結節性硬化症(プリングル病)
54 溶血性貧血 115 表皮水疱症
55 不応性貧血(骨髄異形成症候群) 116 膿疱性乾癬
56 骨髄線維症 117 天疱瘡
57 特発性血栓症 118 大脳皮質基底核変性症
58 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP) 119 重症多形滲出性紅斑(急性期)
59 特発性血小板減少性紫斑病 120 肺リンパ脈管筋腫症(LAM)
60 IgA腎症 121 スモン
61 急速進行性糸球体腎炎
7177 特別養護老人ホームとは(とくべつようごろうじんほーむ) 常時介護を必要とする65歳以上の老人で、居宅での介護が困難な人を対象に設置された施設をいいます。介護保険が利用できる。
7178 ドナーとは(どなー) 肝臓などの臓器移植の提供者。
7179 ドレナージとは(どれなーじ) 手術創や体腔に誘導管をおいて浸出液や血液などを体外へ持続的に除去する方法をいう。誘導管にはゴム製やシリコン製のものが用いられる。
7180 内因性とは(ないいんせい) 外から与えられたものではなく、体内の条件によって起こることをいいます。内因性うつ病、内因性精神病などがある。
7181 内視鏡的逆行性胆管膵管造影とは(ないしきょうてきぎゃっこうせいたんかんすいかんぞうえい、ERCP) 閉塞性黄疸や膵臓の病気を診断するための検査法で、十二指腸乳頭部から、内視鏡を使ってカニューレを挿入し、造影剤を注入し、撮影する方法。
7182 内視鏡的乳頭切開術とは(ないしきょうてきにゅうとうせっかいじゅつ 、EST) 総胆管結石などの病気に対して行われる開腹手術をしないで結石を取り出す手術方法。内視鏡を使って十二指腸の乳頭部を切開して、結石を取り出します。この方法は、痛みも少なく手術侵襲も少ないことから患者の苦痛が少なく、また入院期間も数日です。
7183 内耳性難聴とは(ないじせいなんちょう) 内耳にある蝸牛が障害されて起こる難聴の総称をいいます。高齢者にみられる老人性難聴も内耳性難聴の1つです。
7184 肉芽組織とは(にくがそしき) 外傷などにより組織が損傷を受け、その傷が治ろうとするとき、赤味をおびた柔らかい組織が傷をおおい、その傷の防御や修復に重要な役割を果たす。この結合組織を肉芽組織といいます。
7185 二次感染とは(にじかんせん) ある病原体に感染したのち、さらに違う新たな病原体に感染したとき、これを二次感染という。
7186 脳死とは(のうし) 重篤な脳損傷、脳出血などの場合に起こる死の形態で、一般的な心臓死(心停止、呼吸停止、瞳孔散大)とは異なり、心臓は動いているが、脳幹を含む全脳の働きがなくなり、神経反射や脳波が消失し、呼吸もしなくなり、また、人工呼吸を続けても1週間から10日程度で心臓死によって死亡する状態をいう。臓器移植との関連から論議されている。
7187 徘徊とは(はいかい) 痴呆症によくみられる症状で、目的もなく屋内外を移動したり、外出をします。
7188 肺嚢胞症とは(はいのうほうしょう) 発生原因が明らかな肺内の炎症、膿瘍、腫瘍などによる空洞を除く、肺内の異常空間をいい、先天的原因により生じる。自覚症状はほとんどなく、嚢胞は長期間に徐々に拡大する。また、拡大により周囲組織の圧迫が起こると呼吸困難がみられるようになる。さらに嚢胞が破裂すると細菌感染や自然気胸を起こす。治療は、ほとんどの場合、手術の対象にはならないが全身への影響のみられるものには嚢胞、肺の切除を行うこともある。
7189 バイパス手術とは(ばいぱすしゅじゅつ) 血管や腸がつまったりしたとき、その箇所の通りをよくするために短絡(バイパス)をつくる手術のこと。腸閉塞などに行われる。
7190 廃用症候群とは(はいようしょうこうぐん) 病気療養において、とくに老年者が過度の安静により不活発な生活を続けた場合に生ずる諸症状をいい、脳は使わなければ痴呆化が進むとされる。
7191 汎発性とは(はんぱつせい) 発疹などが体全体にできること、あるいは出ることをいいます。汎発性強皮症、汎発性多汗症、汎発性線維腫症などがある。
7192 冠動脈血栓溶解術とは(かんどうみゃくけっせんようかいじゅつ、PTCR) 冠動脈にできた血栓に対して、カテーテルを挿入し血栓溶解剤を直接、局所投与する方法。全身投与に比べれば効果は大きいが、時間が重要であり、心筋障害の発生から数時間以内に行わなければ、血流が再開しても梗塞巣が改善されないという問題がある。
7193 冠動脈血管拡張術とは(かんどうみゃくけっかんかくちょうじゅつ、PTCA) 心筋梗塞や狭心症の原因となる冠動脈の狭窄部に、先端に風船のついたカテーテルを挿入し、狭窄部で風船を膨らませ、血管を押し広げる治療法。
7194 胆管ドレナージとは(たんかんどれなーじ、PTCD) 胆石や腫瘍などで胆道がつまり、胆汁が排出されなくなった場合に、皮膚から小さな瘻孔をあけ、肝内胆管にチューブを入れ、胆汁を体外に排出するチューブ。同様の方法で、胆道鏡(PTCS)や胆嚢鏡(PTSSC)を使った検査も行われる。またこのチューブを使って、閉塞の原因となっている胆石の破砕除去や、腫瘍に対する放射線、レーザーの体内照射も行われる。
7195 皮膚筋炎とは(ひふきんえん) 顔、体、手足の皮膚が対称的に特徴的な紅斑、浮腫ができ、広がって腫瘤状になり、筋力低下や痛みを伴う病気。時に、手の挙上困難、首のささえが悪くなり、発声や嚥下障害なども起こってきます。内臓の悪性腫瘍との合併が多い。
7196 び漫性とは(びまんせい) 病気や異常が、全身あるいは1つの臓器全体に広がっている状態をいう。
7197 ビュルガー病とは/閉塞性血栓血管炎とは(びゅるがーびょう、へいそくせいけっせんけっかんえん) 四肢の主幹動脈に多くみられる慢性動脈閉塞性疾患をいいます。20〜40歳代の男性で喫煙者に多くみられ、とくに、下腹部、足底部に多発します。症状としては、末梢部の血行障害、間欠性跛行、手指や足指の先端部に起きる疼痛などがあり、欠々に再発を繰り返します。進行すると皮膚潰瘍や壊死が起こります。治療方法としては、側副血行路の拡大や交感神経節の切除などがあります。悪化を防ぐためにも禁煙はたいせつな要素です。
7198 病理組織検査とは( びょうりそしきけんさ) 手術で摘出した臓器や病理解剖した臓器の一部を薄い切片にして染色し、顕微鏡でその変化などを検査すること。
7199 日和見感染とは(ひよりみかんせん) 悪性腫瘍や腎不全、あるいは高齢者などのように宿主の免疫抵抗力の低下に乗じて感染し発病させるような微生物を日和見病原体とよび、このような微生物の感染を日和見感染という。
7200 血管作動性腸管ポリペプチドとは(けっかんさどうせいちょうかんぽりぺぷちど、VIP) 血管拡張、血圧低下作用をもった消化管、中枢神経細胞、自律神経線維などに存在する活性ペプチドで、構造は、ヒト、ブタ、ウシとも同じであり、抽出精製したものを治療薬として使用しています。