Namazu: [説明]

        Q&A本文(No4201-4350)

No
Q(お客の質問) A(答え)
4201 秋ウコンと春ウコンはどちらが色が濃いか ウコンにはクルクミンが含まれ ウコンの黄色い正体。秋ウコンにクルクミンが多く含まれ、春ウコンは鮮やかな黄色で辛味と苦味あり、秋ウコンはダイダイ色で苦味がない。クルクミンの働きは肝臓の働きを活発にし、胆汁(消化酵素)分泌、アルコールの分解 ・抗酸化による老化防止 ・悪玉コレステロールを酸化を予防して、動脈硬化を防ぐ ・利尿作用 ・ガン抑制作用 ・メラニン色素の生成抑制作用 ・殺菌・抗菌作用など種々の作用がある。
4202 PCB中毒とは(PCBちゅうどく) PCBによる中毒事故は、「カネミ油症」でよく知られている。PCB(ポ リ塩化ピフェニール)は、コンデンサー、 トランスの絶縁油、食用油の工程中に使用する熱媒体、可塑剤などに用いられている。なお、PCBの人体一日摂取許容量は0.005mg/kgです。中毒症状は、ツメの異常、にきび様の発疹、 頭痛、嘔吐、下痢、肝障害などです。
4203 急性中耳炎とは(きゅうせいちゅうじえん)   急性中耳炎は細菌またはウイルスによる中耳の炎症。上気道の炎症や感冒の後に発症する。鼻やのどの細菌やウイルスが耳管を経由して中耳に達し、中耳炎を起す。すべての年齢で罹患する。症状は耳痛、難聴(耳閉感)、耳鳴などの耳症状がみらる。耳だれは鼓膜の膨隆が強くなり、鼓膜が破裂(穿孔)するとみられるが、排濃によって耳痛は軽快する。細菌の原因菌は肺炎球菌、インフエンザ菌、黄色ブドウ球菌が主で、これらの菌に感受性がある抗生剤を投与する。一般にはペニシリン系やセフェム系の薬剤が使われる。
4204 慢性化膿性中耳炎とは(まんせいかのうせいちゅうじえん) 慢性化膿性中耳炎は急性中耳炎が完全に治癒せず中耳に感染が持続することによって中耳組織に不可逆性の炎症性変化を生じた状態。 3ヶ月以上にわたって鼓膜に穿孔があり、難聴と耳漏がある。原因は緑膿菌やMRSAの混合感染、乳突蜂巣の発育不良、糖尿病などの基礎疾患があると炎症が慢性化しやすい。症状は持続的な耳漏がある。治療は不可逆的な炎症性変化のため、薬物療法では鼓膜を再生できないため鼓室形成術を行なう。
4205 真珠腫性中耳炎とは(しんじゅしゅせいちゅうじえん) 真珠腫性中耳炎あh鼓膜の一部が内側(中耳)に陥凹しておきる中耳炎。腫という字があるので、腫瘍と間違えられやすいのですが、腫瘍ではない。鼓膜の表面は外耳道の皮膚と連続しているので、角化物(垢)が出ます。正常な場合、その垢は皮膚の自浄作用により外側に耳垢として排泄されるが、鼓膜が陥凹するとその内側に角化物が溜まりやすくなり、この角化堆積物が、細菌や真菌の培地となり感染、炎症がおこりる。この炎症により、周囲の骨を破壊しながら増大する。 症状は中耳には大事な器官がたくさんあり、耳小骨(音を伝える小さな骨)や蝸牛(音を電気信号に変える器官)が壊されれば、難聴となる。特に蝸牛の機能の低下を手術で直すことは現在のところ不可能。また、半規管(平衡感覚をつかさどる器官)が破壊されると、めまいが起こる。中耳には、顔面神経が走行するので、真珠腫によって顔が曲がってしまうこともある。また、くさい臭いのする耳だれがでる。 治療は手術による真珠腫除去。
4206 耳管狭窄症とは(じかんきょうさくしょう) 耳管狭窄症は急に高いところに上がるエレベーターや飛行機に乗ったときなど気圧の変化で起こったり、鼻が詰まると耳も詰まった感じになることをいう。咽頭と鼓室(鼓膜の向こうの部屋)を連絡する耳管は通常は閉鎖されているが、この耳管についている小さな筋肉は収縮によって物を飲み込んだり、唾液を飲み込むときに開かれる。耳管は鼓室と外耳道の気圧を平衡に保つ管ですが、耳管狭窄症では、この働きがうまくいかなくなり、結局鼓室の中の空気がまわりの骨などに吸収され鼓室内が陰圧になり、鼓膜がうちに陥没したりして、外部から浸出液がたまって、きこえを悪くしてしまう。治療は耳管にきれいな空気を通す耳管通気療法を行う。
4207 滲出性中耳炎とは(しんしゅつせいちゅうじえん) 滲出性中耳炎は中耳に滲出液がたまる病気。滲出性中耳炎は急性中耳炎の後によく起こる。滲出性中耳炎は感染がなくても、胃食道逆流症、感染やアデノイドの腫れによる耳管の閉塞などが原因で起こることがある。痛みはないが、液体の貯留によって聴えにくい。治療は薬物による治療をまず行い、効果がなければ鼓膜切開や鼓膜チューブ留置を 行う。それでもなかなかよくならず、繰り返しながら治癒まで数年を要する場合もある。症状が軽いといって放置せず根気よく治療をする必要がある。
4208 本態性高血圧症とは(ほんたいせいこうけつあつしょう) 最高血圧が160ミリ以上、最低血圧が95ミリ以上を高血圧症と呼び、このうち原因の特定できないものを本態性高血圧症と言う。治療は日常生活での運動や食事の節制等の一般療法と薬物による対症療法があり、現在は一般療法が主流となっている。対症療法としては、血圧の低下をはかる降圧剤投与があるが、まず最初は一般療法で、日常生活の習慣を改善し、それでも血圧が下がらない場合や、合併症を併発した場合に薬物投与をする。降圧剤は種類が多く、血管拡張剤、利尿剤、交感神経抑制剤等がある。
4209 グッドパスチュア症候群とは(ぐっどぱすちゅあ) 肺の出血を繰り返すとともに糸球体腎炎が急速に進行する。肺の毛細血管と腎の糸球体の壁に存在する基底膜に対する抗体のために基底膜が障害される疾患。血中の抗基底膜抗体の除去と産生抑制のために血漿交換療法、免疫抑制剤、ステロイド剤の併用をする。
4210 気圧外傷とは(きあつがいしょう) 気圧外傷は鼓膜の外側と内側の空気圧に差が生じることによって引き起こされる中耳の損傷。 鼓膜は外耳道と中耳を隔てています。外界の気圧の影響を受ける外耳道の空気圧と中耳の内圧が不均衡になると、鼓膜が損傷することがある。正常な状態では、中耳と鼻の奥を結ぶ耳管を通じて、外界の空気が中耳へ送られ、鼓膜の外側と内側の空気圧が等しく保たれ中耳の内圧が外界と等しくなるように調整される。
鼻詰まりのために耳と副鼻腔の気圧の均一化が妨げられているときには、うっ血除去薬(プソイドエフェドリンなどをダイビングの前に服用する)を服用すると、一時的に鼻腔、耳管、副鼻腔の詰まりが解消する。鼓膜は破れても自然に治癒する。中耳の炎症には抗生物質(経口薬または点耳薬)を使用する。中耳と内耳の間の破裂は、すみやかに手術で修復し、永久的な損傷を防ぐ。
4211 耳硬化症とは(じこうかしょう) 耳硬化症は遺伝性の障害で、中耳と内耳を取り巻く骨が過剰に拡大する。この骨が大きくなりすぎると、内耳につながったあぶみ骨が振動できなくなり、音がうまく伝わらなくなる。大きくなりすぎた骨が内耳と脳を結ぶ神経を圧迫し、傷つける場合もある。子供のときにはしか(麻疹)に感染した人に発症することもある。青年期の後期から成人期の早期にかけて聴力低下が現れる。
4212 内耳炎とは(ないじえん) 内耳炎は内耳に炎症が起こるもの。原因は中耳炎の炎症が内耳まで及ぶ場合と、麻疹等のウイルスが原因の場合とがある。症状は耳鳴り ・難聴 ・めまいなど。 ウイルスが原因とする内耳炎は、完治困難である。治療はステロイド剤、抗生物質を使い、排膿手術をすることもある。
4213 メニエール病とは(めにえーるびょう) メニエール病とはフランスの医師、プロスパー メニエールが、めまいが内耳からおきることを初めて提唱。それにちなみ、内耳性のめまいの一種をメニエール病と呼んでいる。 メニエール病の症状は何のきっかけもなく、突然起きる激しい目の回る(回転性)めまいが特徴。回転性のめまいは、30分位続く。多くは、めまいに、吐き気、嘔吐、冷や汗、顔面が蒼白くなる、脈が速くなるなどの症状や経過を辿る。 メニエール病の治療は薬によるのが主です。病態(内リンパ水腫)に対しては、水ぶくれを軽くする目的で利尿剤系統の薬を使う。イソソルビドが広く使われる。内耳の神経細胞や内耳神経の活動を改善する目的で、ビタミン剤や末梢血流改善剤なども使用する。
4214 前庭神経炎とは(ぜんていしんけいえん) 前庭神経炎は突然の激しいめまい発作を特徴とし、半規管につながる神経の炎症で引き起こされる。前庭神経炎はウイルスが原因で起こると考えられる。数日間続くめまいの発作が1回だけ単発的に起こる場合もあるが、多くの人では最初の発作から数週間にわたって軽いめまい発作が何度も繰り返し起こる。通常は最初のめまい発作が最も重く、吐き気や嘔吐を伴って3〜7日間続く。炎症のある耳の側から反対側へ、眼球が不随意に速い動きを繰り返す症状(眼振)もみられる。めまい発作は回数を重ねるごとに緩和し期間も短くなる。また、聴力の低下はみられない。治療はメニエール病の場合と同様で、メクリジン、ロラゼパム、スコポラミンなどの薬を用いる。吐き気や嘔吐は、プロクロルペラジンが入った坐薬で軽減される。嘔吐が長く続く場合は、静脈からの点滴で水分と電解質を補う。前庭神経炎は最終的には自然に治癒する。
4215 乗り物酔いとは(のりものよい) 乗り物酔い(車酔い、船酔い、列車酔い、飛行機酔いなど)とは、乗り物で移動する際の動きによって起こる一連の症状、特に吐き気をす。乗り物酔いは、脳が運動センサーから矛盾した情報を受け取ると起こります。運動センサーとは眼、内耳の半規管(バランス調節機能を補助)、体の位置情報を脳に伝えている筋肉センサーを指す。乗り物酔いの多くは、船旅で船が揺れているときに起こる。また、車や遊園地の乗り物などに乗っているときにも起こる。症状は吐き気、全身の不快感、回転性めまい、頭痛、疲労が現れる。乗り物酔いの薬にはシクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、メクリジン、ペルフェナジン、スコポラミンなどがある。これらはすべて眠気を誘う薬ですが、乳幼児には逆に興奮を引き起こすおそれがあるので、与えるべきではない。
4216 疳の虫とは(かんのむし) 疳の虫はカンノムシ、カンムシ、虫切り、虫封じなど日本にはいろいろな言い方がある。江戸時代の「疳」と現代の「疳」では意味合いがちがっています。現代では「疳の虫」といえば夜泣き・癇癪などを指すことが多いが本来の「疳」は、東洋医学においては子どもの疾病を考える上で中心となる概念である。鍼灸医療では、よく泣く、奇声、人に噛みつく、爪をかむ、指をしゃぶる、過食による腹の張り、一過性の発熱、吐乳、嘔吐、食欲不振、下痢、水ばな、鼻づまり、咽の痛み、せき、風邪を引きやすい、チック様症状、落ちつきが無いなども疳の虫の症状としている。
4217 良性発作性頭位めまい症とは(りょうせいほっさせいずいめまいしょう) 経過がよく、良性であり、発作性にぐるぐる回り、頭の位置によっておこる、めまいであることから、この名前がつけらた。 原因は内耳の部分的な障害であるといわれています。 内耳の働きが異常に敏感になっている状態ともいわれる。 症状は 頭をある特定の位置に動かしたり、寝返りをうったときなどに、激しい回転性めまいが起こる。頭をそのままの位置にしてじっと我慢をしていると、回っている時間は数秒から長くて1分以内です。軽い吐き気を伴うことがあるが、耳鳴りや難聴が一緒に起こることはない。安静にしているとなかなか治らない。もっとも有効な治療法は、めまいがする頭の位置を積極的にとるよう、繰り返し頭を動かす運動をすること。
4218 突発性難聴とは(とっぱつせいなんちょう) 明らかな原因がなく、突然に難聴をきたす病気。典型的な症状は、ある日突然、片方の耳が聞こえなくなり、耳鳴りもあり、激しいめまいがすることもある。めまいは2、3日で消えるが、難聴と耳鳴りが続く。突発性難聴の何割か、特に軽症のものは自然に治るといわれる。聴力回復が期待できるのは発症後約一ヶ月以内で、それ以後は回復が望めない場合が多いので、できるだけ早期に治療を開始する。薬物治療はステロイドホルモン剤とビタミン剤を内服し、聴力の改善状況を検査しながら、ステロイド剤は徐々に減量していく。
4219 老人性難聴とは(ろうじんせいなんちょう) 老人性難聴は、老化による聴力障害である。原因は老化により、聴覚中枢、感覚細胞が退化するのが原因である。症状は高い音から聞きとれなくなる、めまい、耳鳴り。 老人性難聴の特徴は、音が聞こえても、言語の聞き分け困難があることである。治療は血流改善剤、ビタミン剤、ホルモン剤等を使うが、補聴器の使用も必要となる。
4220 騒音性難聴とは/音響外傷性難聴とは(そうおんせいなんちょう、おんきょうがいしょうせいなんちょう) とても大きな音を聞くと、一時的に耳鳴りや難聴が起こることがあるが、これが治らなくなった状態です。強大な騒音に長時間さらされて、徐々に進行する難聴は騒音性難聴、爆発音などの強大な音響のために突発的に起こる難聴は音響外傷といい、ほとんどの場合、耳鳴を伴う。音響外傷は、状況によつて片側の難聴になったり、両側の難聴になったりしますが、騒音性難聴は、両側が同程度の難聴になる。騒音の出る職場で起こつた場合は職業性難聴といい、労働災害補償の対象になる。急性期にはステロイドが使用されますが、聴力の回復は難しい。そのため、職場では耳栓を使用する、ヘッドホンの音量を適正にするといった予防が大切。
4221 感音難聴とは(かんおんなんちょう) 感音難聴はかたつむりの形をした蝸牛の障害や聴神経の障害によって生じた難聴。一般的にはこの難聴は一度なるともとには治せない難聴と言われる。伝音難聴は、外耳道内に耳垢がつまったり、鼓膜に穴があいたり、中耳炎で耳小骨がこわれるとなる難聴で、一般的には治せる難聴です。
4222 耳鳴りとは(みみなり) 耳鳴りは外部の音がないのに、耳の中で音が聞こえるもの。原因は難聴や中耳炎、外耳炎、内耳炎、耳垢栓塞等の疾患の症状や前兆として起こる。高血圧、糖尿病、ストレス等で起こることもある。症状は耳の中で音が聞こえる原因疾患によって、音の高低や種類が異なる。治療は ビタミン剤、血流改善剤、血管拡張剤等を使う。器具を使うマスキングという治療法もある。催眠剤、抗うつ剤によって苦痛軽減をする。カウンセリング等も有効。
4223 鼻せつとは(びせつ) 鼻孔入り口の鼻毛の孔に細菌が感染するのが鼻せつである。鼻の入り口がひどく痛み
熱感があり、赤くはれあがる。膿が出ることもある。抗生物質の内服、外用剤、消炎鎮痛剤の内服。切開することもある。
4224 急性鼻炎とは(きゅうせいびえん) 急性鼻炎は鼻腔粘膜が細菌、ウイルス感染等で刺激を受けて、鼻炎を起こすもの。乾燥した空気、化学薬品、ほこり、細菌、ウイルス感染等が原因となる。症状はくしゃみ ・鼻水 ・鼻づまり ・微熱。 急性中耳炎や急性副鼻腔炎等を併発すると、長引く。治療は冷たく乾燥した空気を避けるだけで、初期は治癒する。長引く場合は、解熱剤や抗ヒスタミン剤、抗生物質等を投与する。
4225 慢性鼻炎は(まんせいびえん) 慢性鼻炎は急性鼻炎の繰り返し等で、慢性化した鼻炎。鼻腔粘膜の炎症や急性鼻炎の繰り返し等が原因となる。遺伝、体質が要因となることもある。
1)慢性単純性鼻炎・・・急性鼻炎の繰り返しが原因
2)慢性肥厚性鼻炎・・・ひどい炎症が長期間続く
3)慢性萎縮性鼻炎・・・鼻腔粘膜萎縮で湿気がなくなる

症状は各鼻炎で、症状はさまざまである。 鼻腔粘膜が慢性的に腫れる、鼻腔粘膜の肥厚、鼻内分泌物がかさぶた状になる。
治療は血管収縮剤、抗生物質、ステロイド剤等を使用し、手術をする場合もある。乾燥した空気、ホコリ等の環境を改善することも必要である。
4226 内分泌性鼻炎とは(ないぶんぴつせいびえん) 内分泌すなwち、ホルモンの異常から鼻粘膜がはがれて鼻づまりを来す。甲状腺ホルモンの分泌低下などによる場合が多い。これらの変化は自律神経のバランスを崩しアレルギー性鼻炎に似た血管運動性鼻炎きたすことがある。くしゃみ、鼻水、鼻づまりがおこるがくしゃみより鼻水、鼻づまりが強いのが特徴。
4227 妊娠性鼻炎とは(にんしんせいびえん) 妊娠時に女性ホルモンが平常時と変化しているのでアレルギー性鼻炎がある人はこれが悪化したりすることがある。同じことが月経前後に起こることがある。これらの変化は自律神経のバランスを崩しアレルギー性鼻炎に似た血管運動性鼻炎きたすことがある。くしゃみ、鼻水、鼻づまりがおこるがくしゃみより鼻水、鼻づまりが強いのが特徴。
4228 心因性鼻炎とは(しんいんせいびえん) 心身症で鼻粘膜がはがれることもあるが鼻づまりを強く感じることもある。これらの変化は自律神経のバランスを崩しアレルギー性鼻炎に似た血管運動性鼻炎きたすことがある。くしゃみ、鼻水、鼻づまりがおこるがくしゃみより鼻水、鼻づまりが強いのが特徴。
4229 肥厚性鼻炎とは(ひこうせいびえん) 鼻粘膜の炎症が持続したために増殖肥厚して厚く固くまたはぶよぶよした状態になり、表面が凸凹にみえるようになったもの。血管収縮剤の点鼻薬はきかない。治療は鼻粘膜を切除する手術が必要。最近では粘膜を切り取るかわりに冷凍手術で粘膜を凍らせて脱落させたり、レーザーメスで焼く。
4230 急性副鼻腔炎とは(きゅうせいふくびくうえん) 急性副鼻腔炎は、鼻腔の周囲にある4つの副鼻腔が炎症を起こすもの。感染症や外傷、かぜ等の鼻腔炎症の波及が原因となる。虫歯の細菌感染の場合もある。症状は鼻水 ・鼻づまり、痛み、頭痛、発熱など。治療は抗生物質、鎮痛解熱剤、ネブライザー等で炎症を鎮める。血管収縮剤で鼻づまり等を緩和する。長期化して慢性になる場合があるので、早期治療が肝心。
4231 慢性副鼻腔炎とは(蓄膿症とは) (まんせいふくびくうえん、ちくのうしょう) 慢性副鼻腔炎は、いわゆる蓄膿症で、副鼻腔の炎症が恒常化し、膿性の鼻汁が溜まるもの。急性副鼻腔炎の慢性化したもの。 原因は急性鼻炎やアレルギー性鼻炎の炎症からの移行が多い。症状は粘性または膿性の鼻汁、後鼻漏(鼻汁がのどへ下りる)、痛み、頭重 、集中力、注意力、記憶力低下。治療は抗生物質、消炎酵素剤で炎症を抑え、鼻汁を吸引し、鼻腔通路を薬剤噴霧で開通させる。膿排出通路の開通や粘膜除去手術。
4232 鼻茸とは(鼻ポリープとは) (はなたけ、はなぽりーぷ) 鼻茸は鼻の中にきのこ状のポリープができたもの。原因は 慢性副鼻腔炎に併発して起こることが多い。症状は鼻づまり、多量の鼻水。治療はポリープが大きい場合は、切除手術をする。
4233 術後性上顎洞嚢胞とは(じゅつごじゅおがくどうのうほう) 術後性上顎嚢胞は経上顎洞性に副鼻腔炎手術をうけた患者で, 術後数年以上を経過して上顎あるいは頬部 に手術と関連して発生したと考えられる嚢胞をいう。発生原因としては, 洞粘膜の手術 時残存, 創傷分泌物や血液の機質化不全, 自然孔と対孔の術後閉鎖, 洞底陥凹部の術後 骨増生による閉鎖腔の嚢胞化など各種の説がある。好発部は上顎洞底部が多く, その他 は少ない。 症状がなければ治療の必要がないが、痛みや眼の突出などがある場合は嚢胞を開放するかあるいは摘出する。
4234 乾酪性副鼻腔炎とは(かんらくせいふくびくうえん) 真菌により副鼻腔に炎症が起こる病気。症状は左右のどちらかの鼻から漿液性または膿性の鼻十と鼻づまり、悪臭のある呼気などの鼻症状があり、患側の頬部や眼の下に腫脹がみられる。治療は手術し、病的粘膜を除去し抗真菌剤を粘膜がきれいな上皮で覆われるまで局所投与する。
4235 アレルギー性鼻炎とは(あれるぎーせいびえん) アレルギー性鼻炎は空気中のアレルゲンを吸入することで起こる鼻炎。 空気中のダニやペットの毛、ほこり、花粉等を、特定物質に過敏な体質の人が吸入するのが原因。症状はくしゃみ 、多量の鼻水、鼻づまり、むずがゆさ、目のかゆみ 治療は原因アレルゲンとの接触を断ち、清掃等で環境改善する。減感作療法、抗ヒスタミン剤等の薬物療法、レーザー光線治療。
4236 薬物性鼻炎とは(やくぶつせいびえん) 全身あるいは鼻腔内に投与された薬物が鼻粘膜に影響し鼻閉を主とする症状を発現あるいは増強するものでアレルギー性鼻炎、急性、慢性鼻炎、鼻中隔彎曲症、鼻茸などの原疾患が存在する場合が多い。原因薬物としては降圧剤、精神安定剤、鼻閉をとる点鼻剤など自律神経に作用するものが多く、この作用が鼻粘膜に及んだ結果うっ血を引き起こし鼻閉を発現する。治療はこれらの薬物の中止が根本治療である。降圧剤や精神安定剤を中止できないので鼻閉をおこす副作用のない薬物に変更する。
4237 血管運動性鼻炎とは(けっかんうんどうせいびえん) 血管運動性鼻炎は慢性鼻炎の1種です。アレルギーがあるようにはみえないのに、鼻づまり、くしゃみ、鼻水など一般的なアレルギー症状が発生する。ほこりや花粉などによる刺激や香水の強い香り、大気汚染などに強い反応を示す人もいる。症状は現れたり消えたりするが、空気が乾燥すると悪化します。粘膜が腫れ、その色は赤から紫までさまざまです。副鼻腔に軽い炎症がみられることもある。症状が長びく人では、鼻の内視鏡検査または副鼻腔のCT検査が必要となる場合がある。副鼻腔の炎症が軽ければ、症状の緩和を目的とした治療を行う。タバコの煙や刺激物を避け、加湿機能付きの暖房装置や加湿器の使用が効果的。
4238 鼻出血とは(びしゅっけつ) 鼻出血は、鼻の内部出血である。打撲やのぼせ等が原因となることが多い。糖尿病、腫瘍、循環器系疾患等が原因となることも多いので、注意を要する。症状は主に鼻の入り口付近での出血、疾患が原因。小鼻を押さえて、安静にすれば自然に止まる。原因疾患のある場合は、その治療をする。
4239 鼻腔異物とは(びくういぶつ) 小児に多く、豆、紙、スポンジ、プラスチック、金属の玉など様々である。異物を入れたことがわからず長期間放置されることがある。悪臭のある血性、膿性鼻漏がでて鼻の入り口がただれる。このようなとき専門医と相談する。
4240 嗅覚障害とは(きゅうかくしょうがい) 嗅覚障害はにおいを感じる感覚機能が低下する。鼻腔の嗅細胞から、嗅神経を通って、大脳に至る、においの経路のいずれかの障害が原因となる。かぜによる鼻粘膜の炎症、頭部外傷による嗅神経の破損、神経症等がある。症状は嗅覚の低下 。原因疾患の治療をする。副腎皮質ホルモン剤が有効。嗅細胞や嗅神経の障害の場合は完治困難である。
4241 上顎洞癌とは/上顎洞がんとは(じょうがくどうがん) 上顎洞癌は副鼻腔の一つである上顎洞にできるがんである。副鼻腔で発生する癌では最も頻度が高いが、発症例はごく稀である。他の組織へ転移する危険性はあまりないとされている。慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に長期間(数十年)にわたってかかると、洞内部の柔毛上皮が脱落して扁平上皮癌が発生する。最近では抗生物質や消炎酵素薬の開発により慢性副鼻腔炎の段階での治療が可能となり発生頻度が減少。
症状
1)下方型:上顎の疼痛や知覚鈍麻、硬口蓋や歯肉の腫れが見られる。
2)上方型:上顎神経領域の疼痛や知覚鈍麻、眼球突出が見られる。3)後方型 
かなり進行して三叉神経痛のような症状が出現。
4)前方型:鼻翼から頬部の腫脹が見られる。
5)内側壁型:異臭のする血性鼻汁や片側のみの鼻詰まり、涙目などが見られる。 放置しておくと腫瘍は肥大し頬骨を突き破り脳の神経を圧迫し、最悪の場合死に至る。末期の段階で摘出できたとしても上顎全摘の可能性が高く、脳に障害が残る危険性がある。 特に、春先は鼻詰まりや涙目で花粉症と思い込み、放置して悪化する危険性があるので注意を要する。
治療法
かつては上顎と眼球を摘出する手術のみだったが、最近では放射線治療や化学療法も行われ、上顎と眼球が温存できるようになった。 上顎洞癌は慢性副鼻腔炎を長期間にわたって放置すると発生する危険性があるので、鼻の異常感じたら受診し治療することが肝要である。副鼻腔炎の治療で発生の危険性は大幅に軽減される可能性が高まる。
4242 慢性再発性アフタとは(まんせいさいはつせいあふた) 口腔粘膜だけに一個から数個のアフタが再発を繰り返す疾患。粘膜疾患のうちで最も頻度が高く, 思春期に多い。2対1 の割合で女性に多い。違和感とともに, 口腔粘膜に発赤を伴った丘疹が生じ, そこにアフタが形成される。1 〜2 週で自然治癒するが上皮化が完了するまで強い接触痛がある。再発の周期は不定で原因の不明。
4243 口腔粘膜褥創性潰瘍とは(こうくうねんまくじょくそうせいかいよう) 褥瘡性潰瘍は圧迫や摩擦などによる機械的障害による粘膜病変で代表的なもの。 むし歯や破折歯の鋭縁、鋭利な歯や露出した乳歯根、不適合な義歯床縁やバー、鉤、金属冠などの補綴物や充填物、ときに矯正装置による繰り返しの刺激でその部分の粘膜に局所的循環栄養障害を生じた結果、壊死に陥らせて上皮層深く剥離をきたす。 したがって長時間にわたる著しい疼痛をもった潰瘍に進展する。 口唇、頬粘膜や舌を噛む習慣のある場合にも生じ、口腔常在菌の感染で治癒の長引くこともある。臨床症状として 潰瘍は孤在性で有痛性、通常は軽度。 治療は原因の除去によって7ー10日で瘢痕形成もなく治癒。 しかし、全身状態(未治療の糖尿病、消耗性慢性疾患、老齢)によって組織抵抗力が低下していると治癒が著しく妨げられる。
4244 口角びらんとは(こうかくびらん) 口角部(上唇と下唇の境目)に亀裂を生じ、やがて潰瘍を形成するもので出血しやすい。びらんは細菌によるものが多く、ブドウ球菌や連鎖球菌によるものが多い。熱性疾患、胃腸病、 ビタミンB2欠乏症などに併発する。紛らわし病気として鵞口瘡があります。
4245 口臭とは(こうしゅう) 口臭とは「呼吸や会話時に口から出てくる息」が 「第三者にとって不快に感じられるもの」と定義される。 口臭は、次の4つに大別されます。
1)生理的口臭
誰もが持っているもので、通常はその程度が少ないため、ほとんど口臭とは認められません。ただし、朝起きたときや空腹時、緊張したときなどは、口の中に細菌が繁殖していたり、唾液の分泌量が少なかったりするので、一時的に口がにおうことがあります。
2)病的口臭
むし歯や歯周病など口の中の病気のほか、鼻の病気や胃潰瘍なども原因になります。
3)飲食物や嗜好品による口臭
食品による一時的な口臭。にんにくのように、においの強いものを食べたあとには、誰もがにおいます。
4)心因性口臭
実際には、他人にはにおわないのに、口臭を気にしすぎて、自分だけが口臭があると思い込んでいるもの。
4246 口唇裂とは(こうしんれつ) 頭蓋と顔面で最もよくみられる異常は、口唇裂と口蓋裂です。口唇裂とは通常、鼻のすぐ下で上唇が分離している状態。口蓋裂とは口の中の天井に裂け目があり、それが鼻へと続いているもの。口唇裂と口蓋裂はしばしば同時に起こる。口唇裂があると外観が損なわれ、また乳児は乳頭をくわえるときに唇を閉じることができなくなる。口蓋裂があると食べたり話したりすることが妨げられる。乳児がもっとよく乳を飲めるように、歯科用の器具で一時的に口の天井を閉じることができる。口唇裂も口蓋裂も手術により永久的な修復が可能です。女性が妊娠前と妊娠初期(12週まで)に葉酸を摂取することで、口唇裂と口蓋裂が起こる可能性を減らすことができるといわれる。
4247 口蓋裂とは(こうがいれつ) 頭蓋と顔面で最もよくみられる異常は、口唇裂と口蓋裂です。口唇裂とは通常、鼻のすぐ下で上唇が分離している状態。口蓋裂とは口の中の天井に裂け目があり、それが鼻へと続いているもの。口唇裂と口蓋裂はしばしば同時に起こる。口唇裂があると外観が損なわれ、また乳児は乳頭をくわえるときに唇を閉じることができなくなる。口蓋裂があると食べたり話したりすることが妨げられる。乳児がもっとよく乳を飲めるように、歯科用の器具で一時的に口の天井を閉じることができる。口唇裂も口蓋裂も手術により永久的な修復が可能です。女性が妊娠前と妊娠初期(12週まで)に葉酸を摂取することで、口唇裂と口蓋裂が起こる可能性を減らすことができるといわれる。
4248 頬粘膜癌とは/頬粘膜がんとは(ほうねんまくがん) 頬粘膜癌の発現頻度はわが国では比較的少なく口腔癌の約7%といわれていますが、インドでは約50%ともいわれています。腫瘍は増殖するにつれ深部の筋層あるいは歯槽部、下顎の粘膜に波及し、また顎骨の吸収をきたすこともある。 治療としては、放射線治療単独あるいは化学療法併用、放射線治療と手術併用など行われています。 全例の累積生存率は3年57%、5年39%で、放射線治療と手術併用群で70%の良好なものもある。予後は疣贅性癌を除きあり良くない。 5年生存率は40%といわれている。
4249 舌癌とは/舌がんとは(ぜつがん) 舌がんは、舌縁と裏側の上皮に発生するがんである。原因は合わない義歯や歯の尖りの傷が誘引と言われる。口腔がん中最も多く進行が速い。男性に多発する。 症状 は舌にぶつぶつ、潰瘍、痛み、出血 、発声困難 、嚥下困難など。初期は放射線治療で治癒する。進行すると切除して再建するが、機能障害が残る 。
4250 おたふくかぜとは/流行性耳下腺炎とは(おたふくかぜ、じかせんえん) おたふくかぜは、ウイルス感染により、耳下腺が腫れて、おたふくのような顔になる。原因は唾液中のムンプスウイルスが飛沫感染して発症する。潜伏期間は2〜3週間である。2歳〜7歳までに感染することが多く、罹患により一生免疫ができる。ムンプス髄膜炎、髄膜脳炎を合併することがある。症状は発熱、頭痛、耳たぶの腫れなど。 腫れは1週間程度で消える。予防接種で予防できるが、有効な治療法はない。安静にする。
4251 唾液腺炎とは(だえきせんえん) 唾を作る臓器には耳下腺とか、顎下腺、舌下腺(ここまで大唾液腺といいます)、ほ かに小さな、主に口腔内に開口する小唾液腺などがある。それらの大唾液腺組織の『細菌感染』が化膿性唾液腺炎です。 ウイルス性はおたふく風邪です。 唾液腺の中にいろいろな疾患が、もともとあって、そのために炎症を起こしや すく、起こした時が化膿性唾液腺炎という例もあります。たとえば、繰り返す唾液腺 の耳下腺の炎症なら、基礎疾患に唾石、唾液腺管狭窄などもあるし、また子供の 反復性耳下腺炎などもあります。シェーグレン症候群もベースにあるものもある。
4252 唾石症とは(だせきしょう) 唾石症は唾液中の石灰分の沈着で唾石となるものである。 唾液管、唾液腺の炎症が原因となる。症状は食事中の口内の激痛 、顎下部の腫れ、舌が動かないなど。 治療法は除去手術。
4253 根尖性歯周炎とは(こんせんせいししゅういえん) 根尖性歯周炎とは歯の根の先に膿が溜まった状態で、比較的良く見られる。普段は痛みもなく、歯茎も正常な所見をしていますが、身体が疲れたり、風邪をひいたり、して体調が悪くなると歯茎に「おでき」のようなものが出現する治療は抗生物質、鎮痛剤、冷湿布。根本治療は根尖切除術や抜歯を行う。
4254 智歯周囲炎とは(ちししゅういえん) 智歯周囲炎は、親知らず(智歯)の周囲の粘膜、歯肉が炎症を起すものである。原因は智歯周囲に食べかすが溜まることで起こる。 症状は智歯周囲が赤く腫れる、痛み 、高熱 、顎全体の痛み など。治療は抗生物質、消炎剤、鎮痛剤等の投与をして、口内を清浄にすれば1週間程度で治癒する。放置すると再発する。歯列矯正や切除、抜歯等をする。
4255 顎関節症とは(がくかんせつしょう) 顎関節症は顎関節の機能障害である。原因は強い噛みしめや、噛み合わせの悪さで、顎に過度の負荷をかけることで起こる。症状は開口や咀嚼時に顎関節に雑音 ・頭痛 ・めまい ・吐き気などを伴う。治療は噛み合わせの調整、温熱療法、電気刺激法、理学療法を実施し、抗炎症剤を使う。硬い食物を避ける。
4256 顎骨腫瘍とは(がくこつしゅよう) 良性と悪性に分けられる。良性は無痛性で顎骨中に徐々にかくだしする。予後は良好。悪性は顎骨癌が主で粘膜の治りにくい潰瘍から始まる。大きくなると治療困難。エナメル上皮腫は良性腫瘍。これは歯を作る細胞が腫瘍化して顎骨中に徐々に拡大する。下顎の臼歯部から後方にできやすい。悪性の顎骨癌はまれですが歯肉や顎骨の周りの粘膜に腫瘍が発生する。自然治癒はなく放置すると拡大し、転位をおこし死亡することもある。
4257 虫歯とは/う蝕とは(むしば、うしょく) う蝕(うしょく、齲蝕とも表記)は口腔内の細菌が糖質から作った酸により、歯が脱灰されて起こる歯の実質欠損。歯周疾患と並び、歯科の二大疾患の一つである。う蝕になった歯をう歯(齲歯)といい、一般には虫歯として知られる。
原因 口腔内には多くの細菌が存在し、これを口腔常在菌というが、この中にはミュータンス連鎖球菌を中心とするう蝕原因菌が存在する。これらは食品、特に砂糖やデンプン等の糖質を酸に変える。糖質の中でも、砂糖の主成分であるスクロースは酸産生能は高く、キシリトール等は低い。う蝕原因菌と酸、食物残渣、唾液は結合し、歯垢となって歯に結合する。 歯垢の中の酸はエナメル質を溶かし穴を作る。一般にう蝕は無痛であり、象牙質に達することにより、象牙細管の露出をみて初めて歯痛を覚えることが多い。。
4258 歯頸部う蝕とは(しけいぶうしょく) 歯の歯頸部(歯と歯肉の境のところ)に生じたう蝕をいい、根面までう蝕が拡大したものを含めることもある。通常は慢性に経過し、水にしみるとか、ずきずき痛むなどの症状が通常は現れず、歯が着色して気づく。
4259 乳歯環状う蝕とは(にゅうしかんじょううしょく) 俗にみそっぱといわれるもの。乳歯の前歯の唇面に広く出てくる虫歯です。乳歯の構造が弱いことや甘味嗜好が強いこと、口の中が不潔で、乳歯にプラークがつきやすいことが原因と考えられる。フッ化ジアミン銀を塗布するが歯質が黒く染まることが欠点。
4260 歯髄炎とは(しずいえん) 歯髄炎はむし歯の炎症が歯髄まで至るものである。原因はむし歯が歯の象牙質まで侵すことで起こる。症状は激痛 。治療初期は、むし歯の治療で治癒する。歯髄切断、抜髄をすることもある。
4261 不正咬合とは/咬合異常とは(ふせいこうごう、こうごういじょう) 不正咬合は上下歯列の不整合や、歯の大きさ、位置が悪いために、正常に咀嚼できないもので。原因は顎の骨の発達不全、幼児期の咀嚼方法、指しゃぶりや、遺伝等である。 症状は
1)上顎前突(上の前歯が突出する)、
2)叢生(八重歯等、歯列や歯の生える位置の異常)、
3)開咬(上下前歯の噛合わせが悪い)、下顎前突(いわゆる受け口、咀嚼不全)、
4)正中離開(上顎の虫切歯のすき間が開く)。
放置により、発音障害、慢性胃腸障害、むし歯、歯周疾患等を招くので、早い改善が必要である。器具を使う矯正治療をする。矯正は、8歳〜15歳ぐらいで始める。幼児期からの正しい咀嚼指導も不可欠である。
4262 出っ歯とは/上顎前突とは(でっぱ、じょうがくぜんとつ) 出っ歯は上の歯が前に出ている噛み合わせのことをいいます。別名、上顎前突と言う。 上の前歯が飛び出ていて、口が閉じにくかったり、笑うと上の歯ぐきが出てしまうことが多い。 上の歯が出ていると、咬み合わせが深くなり、下の前歯が見えなくなって、顎のぐあいが悪くなる場合もある。 前歯が出ているため、歯ぐきが乾いて歯周病にもなりやすい。 上顎が大きいか、下顎が小さいことは、呼吸器系の病気の原因にもなり、子供の頃からの、早めの治療が望ましい。
4263 受け口とは/下顎前突とは(うけぐち、かがいぜんとつ) 受け口は下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせのことで、下顎前突という。 うけ口は、下顎が大きすぎるか、上顎が小さいことが原因で、また内分泌系の病気が関係していることがある。 軽度の場合は、抜歯をせずに簡単に治療する方法もあるが、症状の目立つ方は、手術によって治療することが可能である。
4264 叢生とは/乱ぐいとは/八重歯とは(そうせい、らんぐい、やえば) 叢生は歯が大きすぎたり顎が小さすぎて、歯と顎の大きさの調和がとれないために起きる。顎にスペースが足りないため歯が捻じれたり、重なり合ったりするもので八重歯はその典型。治療は、一般に顎の大きさに合った歯の数にするため、永久歯の抜歯という方法がとられる不正咬合です。
4265 歯槽膿漏とは(しそうのうろう) 歯槽膿漏は歯肉炎が悪化したものである。原因は歯肉溝の歯垢、歯石による細菌感染で歯肉炎が起き、これを放置することで歯槽膿漏となる。ビタミン不足、疲労等による体力低下等が進行を早め、近年、若年層からの総入れ歯が増加している。症状は歯周ポケット(歯の間のすき間)、歯周組織の破壊、歯肉が下がる、・歯茎の出血、膿、口臭など。治療は歯石除去をして正しい歯磨きをする。悪化の場合は、歯肉の切り取りや抜歯をする。正しい歯磨き、バランスの良い食事、規則正しい生活による、総合的な予防が必要。
4266 慢性歯肉炎とは(まんせいしにくえん) 一般に歯肉炎といわれる病気の大部分は慢性歯肉炎です。原因は歯周炎とちがい炎症が歯肉に限定されている。慢性歯肉炎は歯肉の増殖が認められる増殖性歯肉炎と増殖が認められない単純性歯肉炎に分類される。歯肉の表面が剥離して歯肉がむけた状態になる慢性剥離性歯肉炎も慢性歯肉炎の一種です。治療法は歯周炎の治療法と同じく正しいブラッシング、歯石の除去。
4267 急性歯肉炎とは(きゅうせいしにくえん) 慢性歯肉炎が急性化した非特異的症状を示す場合と特異的症状を示す急性壊死性潰瘍性歯肉炎、急性ヘルペス性歯肉炎に分けられる。治療は口に中をうがいなどで清潔に保つことと全身的に抵抗力が落ちていることが多いので栄養補給や休養が有効なことが多い。
4268 歯肉膿瘍とは(しにくのうよう) 歯肉膿瘍は歯垢、歯石の細菌が歯肉に感染し、化膿して起こるものである。 歯槽膿漏や歯肉炎が原因となる。症状は歯肉の腫れ、痛みなど。治療は抗生物質の投与、排膿をする。原因疾患の治療をする。
4269 肥大性歯肉炎とは(ひだいせいしにくえん) 歯肉に生じた炎症がもとになって歯肉が盛り上がったような形態を呈する。歯肉の肥大は歯間乳頭部(歯と歯の間に入り込んでいる歯肉の部分)から始まりその後、徐々に増大し、範囲も拡大する。通常はあまり高度にならないが歯を隠してしまうほど肥大する場合がある。増大すると歯肉溝が深くなり口臭が強くなる。歯槽骨(歯を支える骨)の吸収、歯の動揺、歯並びの不正を生じる場合がある。上下の前歯の唇側(前側)にもっとも頻繁に認められるが、全体にわたってみられることがある。歯のない部分にはみとめられない。治療は局所的な要因の除去を行う。歯石の除去。不良歯冠修復物の修正、除去。これらの処置で消退しない場合は手術。
4270 エプーリスとは(えぷりーす) 歯肉(歯茎)に限局した無痛性の膨隆(でぱったもの)。歯の根元あたりから出来て、有茎性(元のところが細くなっている) ことが多いようです。殆どのものが良性の病気。顕微鏡で覗いて、 病理組織学的には肉芽性・線維性・血管腫性・骨形成性・巨細胞性などに分類する。多くは、歯茎の炎症が原因と言われる。切れば、治るが、原因の除去のために、くっついている 歯を抜くこともある。再発することもある。
4271 義歯とは(ぎし) 入れ歯のことを義歯と呼ぶ。デンチャーとも呼ぶ。基本的にはピンク色のプラスチックで出来てる。歯が全く無い場合を総義歯という。総入れ歯のこと。フルデンチャーともいう。歯が残っている義歯は局部義歯といい、部分入れ歯のこと。パーシャルデンチャーとも言う。基本的には歯が残っていれば金属性のバネを歯に掛けて義歯が安定するようにする。最近ではバネではなく磁石を使って義歯の安定をさせる方法もある。歯が無いところにインプラントを入れて義歯を安定させる方法もある。いずれの方法も義歯の本体はプラスチックです。 汚れ・細菌が付く。デンチャープラークといいます。口の粘膜を滅菌綿棒でこすり、それを培養検査するとカンジダというカビが検出されることが多い。 従って入れ歯洗浄剤の毎日の使用が好ましい。入れ歯洗浄剤にはカビを殺す成分が入っている。
4272 予防充填とは(よぼうじゅうてん) シーラント(予防充填) は将来虫歯になりやすい深い溝のある歯や奥歯の初期の虫歯を発見し治療すること。奥歯の噛み合わせ部分の溝が深い場合は、歯ブラシを行うだけで虫歯を予防することは困難です。虫歯になる前に溝を埋める必要があります。また、奥歯の虫歯が初期の段階であれば、歯をほとんど削ることなく、合成樹脂を埋めるだけで虫歯の進行を止めることができる。
4273 ラミネート ベニアークラウンとは(らみねーとべにあくらうん) 歯の着色がきつい方は、表層のエナメル質を一層削り取り(痛みは有りません)、その後にセラミックスでできた薄いシェル(付け爪のようなもの)を張りつけて、歯を白くする処置のこと。歯を削る量は最小限で、しかも通院回数も少なくて済む。ブリーチング(歯の漂白)だけでは望みの白さを手に入れられなかった方に適応。セラミックスは、変色しないので、白さが長持ちするのが特徴。ただし、健康保険の適応外のため自費となる。
4274 メタルクラウンとは(めたるくらうん) 金属冠で銀歯のこと。歯質の崩壊が大きく部分的な修復が回復が難しい症例に用いる。歯の硬さに近く口腔内で化学的に安定している金合金用いることですがパラジウムを含む銀合金も広く利用される。金属色であるため外観にふれにくい臼歯部に用いることが多い。
4275 ジャケットクラウンとは(じゃけっとくらうん) 前歯で歯の変色だけでなく歯質の崩壊が著しく進んでしまった状態では充填(つめる)したり、ラミネートベニアクラウン接着して修復することが不可能になる。こうなったとき、歯根にしっかりした支台を築き歯冠全体をかぶせて形態、歯並びと色を回復する方法を用いる。そのかぶせるものを総称してクラウンという。その中で歯の色をした材料を用いて全体をかぶせたものをジャケットクラウンという。
4276 セラモメタルクラウンとは(せらもめたるくらうん) 通常メタルボンドクラウンと呼ばれる。メタルクラウンと同等の症例に応用するがメタルクラウンが金属のみで作られるのに対し、外観にふれる範囲のメタル部分に一層だけ歯の色をしたセラミック(陶材)を焼き付けたものです。そのためメタルの部分が完全に隠され外観上自分の歯と変わらなくなりしかも丈夫で前歯にも臼歯にも応用が可能で形態の回復はもちろん、歯質の変色や歯並びの改善にも役立つ。
4277 ブリッジ治療とは(ぶりっじちりょう) ブリッジ治療は、歯を失った箇所が比較的少ない場合に適応となります。 失った歯の部分の左右の歯を削り(橋げたになる)、そこに義歯(人口の歯)を橋をかけるように作りますので、基本的には最低、義歯3本が1セットとなる。ブリッジ治療は違和感が少なく、咬む能力も入れ歯と比べると自分の歯とほとんど変わらないのですが、「橋」の部分の義歯(人工の歯)は、左右から支えられ、乗っているだけの状態なので、食後、物が溜まりやすくなる。また、ブリッジ治療には以下の様な欠点もある。両側の歯を、例え虫歯が無い健康な歯であっても削って犠牲にし、寿命を短くすることがある。 歯の抜けた所の骨がやせる可能性がある。顎の骨がやせると歯並びが悪くなることもある。
4278 接着性ブリッジとは(せっちゃくせいぶりっじ) 接着性ブリッジとは抜けた歯の両隣の歯を橋脚にして、橋をかけたように義歯を接着するブリッジ、という補綴方法の一種。これまでのブリッジに比較して、接着性ブリッジは、接着剤を使用するために、同じブリッジでも、歯を少量削るだけですむ。この方法が実際の治療で適用されるようになったのは、接着性レジン(歯および歯科用合金・陶材に強固に接着する高分子接着剤)の開発に伴い、接着力が向上して、ブリッジに強固な保持力が発揮できるようになったからです。しかし、接着性ブリッジは、どんな場合にでもできるわけではなく、残っている歯の本数や歯質など、様々な条件がみたされていないと応用できない治療法です。
4279 パーシャルデンチャーとは/局部床義歯とは(ぱーしゃるでんちゃー、きょくぶしょうぎば) 局部床義歯(パーシャルデンチャー)は歯肉にぴったりと合った床というものに人工歯を取り付け、クラスプとよばれるバネを使ってほかの歯に固定させる方法です。 取り外しが可能で失った歯が多い場合に適用されます(失った歯が1〜2本の場合はブリッジという方法があります)。 ものをかんだときの負担は床を通じて歯ぐきに直接かかります。床は薄い金属か、レジン(樹脂)でつくられます。 局部床義歯の短所としては、 @バネ(クラスプ)のみの固定なので安定感がないこと A床(歯肉に直接ふれている部分)に慣れるまでの違和感が強い Bバネをかけた歯の清掃が悪いとむし歯や歯周病になりやすい、など。
4280 磁性アタッチメント義歯とは(じせいあたっちめんとぎし) 磁性アタッチメント義歯は取り外し式の義歯に磁石を、口腔内の残存歯に磁石によく吸着する金属をつけ、磁力によって義歯を維持する新しい方法です。利点は残存歯に無理な力が加わらない。 義歯の着脱方向に制限がない為、いろいろな設計ができ適用範囲が広い。磁石は義歯表面に露出しないので審美性が高い。患者さん自身による取り扱いが容易である。
4281 金属床義歯とは(きんぞくしょうぎし) 金属床義歯は入れ歯の主要部分を金属で作った入れ歯です。レジン(プラスチック)に比べて丈夫な素材である金属を使うため、快適で、たわまず、丈夫な入れ歯を作ることが可能になる。金属ならではの薄い仕上げは違和感を少なくし、お口の中を広く感じさせ、熱の伝わりの良さで一層美味しく食事を楽しむことができる。金属床の特徴は薄く快適。違和感も少なく、お口の中が広く感じる。温度が伝わる。熱さや冷たさも味わいのひとつです。金属床は食感としての温度をよく伝えるので、美味しく食事ができる。 丈夫で残った歯にも優しい。 部分入れ歯の場合、残っている歯にばねを引っかけますが、金属床の入れ歯はその残っている健康な歯にあまり負担を掛けない。みた目に目立たない工夫もできる。部分入れ歯を固定するためのバネを目立たないように仕上げることができる。前歯に入れ歯の大きなばねが見えることに抵抗がある方にはお勧めです。修理、リフォームも可能です。万一入れ歯が破損したり、ご自分の歯が抜けたりしても金属床の場合レーザー溶接で修理、補修できますので永く使用できる。
4282 総義歯とは(そうぎし) 総義歯とは、歯が上または下のアゴに1本も無い状態(無歯顎)の時に装着される義歯をさす。但し、総義歯でも歯根を利用したり、人工歯根を利用する場合もあります(磁性アタッチメント、Oリング、インプラントなど)
4283 インプラント義歯とは(いんぷらんとぎし) インプラント義歯にもいろいろな方法がある。簡単にいうとあごの骨に穴をあけて、人工の歯根を埋め込み、その人工歯根に義歯をとりつけるという手順になる。 @ 麻酔をかけ、歯肉を切開し、ドリルであごの骨に穴をあける。A あごの骨に人工歯根と同じサイズの穴を掘る。B 穴の中に人工歯根を埋め込む。 C 埋入して人工歯根が固定されるのを待つ(およそ3,4ヶ月) D 固定された人工歯根に義歯を取り付ける。
上記は骨内インプラントといわれる術式ですが、このほかにも骨膜下インプラント(あごの穴があけられない場合)や、歯内骨内インプラント(歯周病治療などでゆれがひどくなった歯を固定)がある。
4284 急性咽頭炎とは(きゅうせいいんとうえん) 急性咽頭炎は、咽頭粘膜が炎症を起こしたもの。主な原因は、かぜの症状で、他に汚れた空気、ウイルス、細菌感染等がある。症状は咽頭粘膜の腫れ、咽頭痛、のどの異物感、嚥下痛、倦怠感、発熱など。治療はうがいをし、トローチ薬を使う。炎症、感染には、抗生物質、消炎酵素剤を投与する。
4285 慢性咽頭炎とは(まんせいいんとうえん) 慢性咽頭炎は、咽頭の炎症が慢性化したもの。主な原因は、急性咽頭炎の繰り返しである。副鼻腔炎の慢性化で鼻汁が流れ込む、喫煙、汚れた空気等の刺激を継続することも原因となる。 症状は咽頭の赤い腫れ、咽頭痛、のどの異物感、咳など。治療は消炎酵素剤を使う。空気の清浄化、禁煙、うがいが必須である。
4286 反復性咽頭潰瘍とは(はんぷくせいいんとうかいよう) 通常、一般に見られるアフタとは異なってそれほど頻度は多くはないが潰瘍は深く大きいため大アフタ性潰瘍とも呼ばれる。治療が非常に困難で再発しやすくしかも原因不明な疾患です。咽頭の癌や白血病、悪性リンパ腫などの悪性の病気や真菌(かび)症や結核でも同じような潰瘍を起こす。ベーチェット病やライター病のような全身疾患でも咽頭に潰瘍ができる。口腔咽頭を清潔に保つために頻回にうがいをし、鎮痛剤(シロップ)を内服するとともに副腎皮質ホルモン剤の噴霧や全身的投与をするのが有効。
4287 咽頭食道異物とは(いんとうしょくどういぶつ) 誤って異物を飲み込みそれが咽頭や食道に停滞することによっておこる。異物の種類は咽頭では魚骨が最も多く、食道では小児の場合は硬貨、おもちゃ、成人の場合は魚骨、義歯が多い。また、アルカリ電池や錠剤やカプセルのPTP包装の外装のまま飲んだために食道が傷つき非常に危険な異物として問題となる。咽頭の魚骨異物の場合は小さな異物は扁桃に刺さっていること多く簡単に摘出できる。さらに下方の下咽頭にある場合は咽頭を局所麻酔して鉗子やファイバースコープ下で摘出する。食道異物は食道直達鏡という筒状の内視鏡で摘出する。摘出困難の場合は頸部や胸部を切開して摘出する。
4288 上咽頭若年性血管線維腫とは(じょういんとうじゃくねんせいけっかんせんいしゅ) 上咽頭に発生する良性腫瘍で多くは10代の男性に発生する。組織学的には良性ですが発生部位や周囲への進展具合、ときに大出血をおこすので悪性に準じて取り扱われる。性ホルモンのアンバランスが発生原因といわれている。治療は手術で腫瘍を摘出する。摘出困難な場合は放射線療法をする。
4289 咽喉頭神経症とは(いんこうとうしんけいしょう) 強い咽頭痛や嚥下痛はないが非常に長期にわたり咽頭や喉頭の違和感が続きしかも不通の耳鼻科的な診察では病変が認めれない。自律神経系や内分泌系の異常(いわゆる更年期障害など)が強く作用したり、いくつかの病院や医院を転々とする内にかえって、心身症や神経症に陥りまた、極端に癌を心配するあまり病変の強さ以上に症状がますます増悪する。
4290 下咽頭頸部食道癌とは(かいんとうけいぶしょくどうがん) 下咽頭または頸部の食道に発生する癌で40〜60才代でやや男性に多い。我が国では増加の傾向にあり喉頭癌に比べ早期発見が困難で頸部や肺転移も多く予後が悪い。放射線療法、化学療法、手術を併用する場合が多い。手術は一般に頸部のリンパ節を郭清、咽喉頭食道をすべて摘出し、小腸や腹部の皮膚を利用して下咽頭食道を形成する。
4291 嚥下障害とは(えんげしょうがい) 嚥下障害は疾病や老化などの原因により飲食物の咀嚼や飲み込みが困難になる障害をいう。通常、咀嚼した食物を舌を使って咽頭へ送り、嚥下する。その時、軟口蓋が挙上することで、口腔と鼻腔が遮断される。また、喉頭蓋で気管へ蓋をし、嚥下の瞬間だけ開く食道へと送り込む。これらの複雑な運動に関わる神経や筋肉に何らかの障害が生じた場合、嚥下障害となる。
4292 アデノイド増殖症とは(あでのいどぞうしょくしょう) アデノイドは、アデノイド(咽頭扁桃)が炎症を起こし肥大するもの。 原因はデノイドが細菌感染等で炎症を起こし、肥大する。この状態を、正確にはアデノイド増殖症と呼ぶ。症状は嚥下障害、いびき、鼻汁、中耳炎、扁桃炎、咽頭炎、副鼻腔炎、口呼吸、集中力低下。治療は抗炎症剤、抗生物質を使う。合併症が起きる場合は、切除手術をすることもある。
4293 頸部リンパ節とは(けいぶりんぱせつえん) 頚部腫脹をきたす原因には数多くの疾患がありますが、頚部腫瘤の多くは頚部リンパ節が腫脹することによります。首には片側だけでもリンパ節が数十個以上あり、炎症や癌の転移でリンパ節が腫れますが、病変の場所によって腫れるリンパ節群がおおよそ決まっていますので、触診だけでも原病変の部位や悪性の可能性があるのかどうかを推測できます。頚部リンパ節転移の場合の原発腫瘍部位は9割が耳鼻咽喉頭頚部領域にありますので、首のリンパ節が腫れている場合、みみ・はな・のどを視診だけでなく内視鏡ファイバースコープなども使って入念に検査することが必要になる。頚部リンパ節腫脹の原因は耳鼻咽喉・口腔・歯科領域からの感染による炎症性のものが殆どですが、耳鼻咽喉の隣接領域からの癌転移の場合や、肺・食道・乳腺などの胸部臓器や胃・大腸・肝臓・胆管系・膵臓・泌尿生殖器などの腹腔臓器からの遠隔転移、あるいは悪性リンパ腫など全身性疾患の場合もある。
4294 口蓋扁桃肥大とは(こうがいへんとうひだい) のどの入り口の両側にある口蓋扁桃が肥大することにより呼吸や嚥下機能に障害が出る。食事摂取が遅くなったり、上気道の閉塞によるいびきが出る。時に睡眠時無呼吸症候群の原因となる。通常アデノイド咽頭扁桃増殖症を伴うことが多く、この場合日中は鼻閉が強く現れる。口蓋扁桃の肥大は12才頃には自然に消失する傾向にある。周辺器官の合併症や睡眠時無呼吸症候群がなければうがいの励行をし、しばらく様子を見る。合併症や睡眠時無呼吸症候群が原因となっている場合は扁桃摘出術が必要。
4295 いびきとは(いびき) いびきとは睡眠時に発生する粘膜の振動音のこと。いろいろな原因で空気の通り道(気道)が狭くなったり閉塞したときに起こる。いびきというと、他人に迷惑をかけるという点ばかりがクローズアップされるが、実は自分の体が発している危険信号です。いびきをかいて、呼吸が抑制されて熟睡できないと、日中の眠気が現れやすくなり、集中力や記憶力、活力が低下したりイライラしやすくなったりすることがある。さらに、『呼吸が止まる』状態が起これば、酸素不足のために、呼吸器系や循環器系に影響を与えるといわれています(睡眠時無呼吸症候群)。                    いびきの原因は咽頭部の狭窄(扁桃肥大、アデノイド等)、鼻疾患、肥満、アルコール飲用、薬物の服用(睡眠薬、精神安定剤、筋弛緩薬、等)が考えられる。
いびきの防止対策
眠るときの姿勢を横向きに寝たり、枕を低くして気道が狭くならないようにする。体重が増えると、顎や首の周囲も太くなる。当然のどの容積も狭くなるため、いびきをかきやすくなる。ダイエットすることでのどの容積が大きくなり、いびきが減ると思われる。 禁酒(特に寝る前) お酒は筋肉の緊張を低下させ、さらに鼻粘膜を充血させて鼻づまりを引き起こす。その結果、いびきが悪化し、お酒を控えることでいびきが軽くなる可能性がある。
4296 扁桃周囲膿瘍とは(へんとうしゅういのうよう) 口蓋扁桃炎というのは、扁桃炎(俗に いう炎症をすでに繰り返す)か、もしくは初めての方でも起こります。 ところが口蓋扁桃周囲膿瘍は口の中の口蓋扁桃腺の炎症だけでなく、それが一層増悪 した状態。口蓋扁桃周囲膿瘍は口蓋扁桃腺内部の炎症だけでなく,周囲の結合組織に炎症や細菌がどんどん広がる状態が扁桃周囲膿瘍です。膿瘍がひどいとまず食べれない、発熱がすごい、涎も出る、猛烈な痛みということで一部口腔内から膿のたまってる所を切開する。 口蓋扁桃の急性増悪をあまりにも繰り返す場合には口蓋扁桃を摘出する。これが一番の予防です。感染や周囲膿瘍が落ち着いている時に行う。
4297 扁桃摘出術とは(へんとうてきしゅつじゅつ) 頻回に扁桃炎を反復する場合や扁桃が病巣となり、腎炎、リウマチ熱など重大な病気をひきおこすと考えられる場合、扁桃が高度に肥大している場合などに扁桃を切除する手術。
4298 扁桃病巣感染症とは/病巣扁桃感染症とは(へんとうびょうそうかんせんしょう、びょうそうへんとうかんせんしょう) 扁桃が原病巣となり、それ自体はほとんど無症状、あるいは時に症状を呈するといった程度に過ぎないのに、扁桃から離れた諸臓器に二次疾患を引き起こす病態をいう。特に頻度が高いのが掌蹠膿疱症、胸肋鎖骨過形成症およびIgA腎症で、これらは扁桃摘出術の有効性が極めて高いといわれている。前二者は、80〜90%で症状の改善または消失、後者においても 50〜80%で尿蛋白や尿潜血の改善を認めると言わる。他にも尋常性乾癬、アレルギー性紫斑病、慢性関節リウマチ、微熱、ベーチェット病などの疾患でも、上気道炎による症状の悪化や持続性の咽頭痛を伴う場合には比較的侵態の少ない 扁桃摘出術を積極的に試みるべきと言われる。
4299 習慣性扁桃炎とは(しゅうかんせいへんとうえん) 習慣性扁桃炎は本来扁桃に慢性炎症があり、これが何らかの原因によってしばしば急性増悪を起こすものをいう。このような扁桃が、しばしば全身疾患の原因になることがある。習慣性扁桃炎に対する手術適応は小児の場合には、扁桃を腫らす回数は、年4回以上のものとし5〜6歳、小学校入学前に行なうのが良くまたその後の経過も良好です。扁桃を繰り返し腫らしはじめる年齢は3歳頃からであり、多くの場合保存的治療が行なわれる。習慣性扁桃炎が10歳を過ぎると著しく減る傾向にあることから、手術の決定については、一応5〜6歳を目安とする。症例によっては1〜2年その経過を慎重に観察した上で手術を決定するのが良いと考えられている。
4300 睡眠時無呼吸症候群とは(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん) 睡眠時無呼吸症候群は睡眠時に断続的に無呼吸を繰り返すことにより、夜きちんと睡眠時間をとったにもかかわらず、日中に眠気が襲ってくることで、交通事故等を引き起こす、恐ろしい病気のことをいう。この、『無呼吸』になる時間は、眠りが深い時間、すなわち『ノンレム睡眠』の時間によく起こります。 『ノンレム睡眠』時に無呼吸を引き起こすことにより、睡眠状態は『レム睡眠』へと変わります。 『無呼吸』になる回数が多いと、深い眠りをとることができず、いくら睡眠時間を多くとっていても、脳はきちんと休むことができないために日中に眠気を引き起こす。
4301 扁桃悪性リンパ腫とは(へんとうあくせいりんぱしゅ) 扁桃はリンパ装置から構成されワルダイエル輪を形成する。この部分のリンパ球から発症する悪性腫瘍にリンパ腫がある。のどの痛み、扁桃の腫大がある。頸部のリンパ節は無痛性で大きさは母指大以上で通常数個以上の腫大が見られる。放射線療法や化学療法が用いられる。病気が頸にとどまっている間に治療を開始すると治癒率が高く病変が腹部に進行すると治癒率が低くなる。
4302 急性喉頭炎とは(きゅうせいこうとうえん) 急性喉頭炎は喉頭(呼吸器官の入り口)に炎症が起こるもの。原因はかぜの症状の他、タバコの煙、ホコリ、有毒ガス等で起こる。症状は痛み、異物感、声がしわがれる、痰、咳 など。治療はトローチや、抗炎症剤を使う。空気の乾燥を防ぎ、清浄にすることも必要。
4303 急性声門下喉頭炎とは(仮性クループ)(きゅうせいせいもんかこうとうえん/かせいくるーぷ) 夜間に突然起こる、犬がほえるように聞こえる咳。 のどや胸がゼーゼーと鳴る、息を吸うときに苦しく感じる。急性声門下喉頭炎は、小児に多くみられる呼吸器疾患の1つです。ウイルスや細菌などの感染により起きる急性喉頭炎で、特にのどにある声門下腔の粘膜が赤く腫れる。アレルギーにより生じることもある。かつてはジフテリアによる真性クループと、仮性クループを区別していたが、ジフテリアによるものが最近ではほとんどみられないので、 単にクループと呼ぶこともる。首のあたりを冷やし治療を行う。呼吸困難が強い場合は、入院して血管収縮薬のネブライザー、酸素吸入、抗生物質やステロイド剤を静脈注射する。
4304 急性喉頭蓋炎とは(きゅうせいこうとうがいえん) インフルエンザウイルスによる急性喉頭炎のうち、喉頭蓋に高度のむくみや腫れを生じたもの。症状は発熱、強いのどの痛み、ものを飲みこむ時の痛み、ゼーゼーという喘鳴、軽いしゃがれ声。抗生物質やステロイドの消炎薬などで治療するが、重い場合には呼吸困難を起こして死亡することもあり、この場合には緊急の気管切開が必要。
4305 慢性喉頭炎とは(まんせいこうとうえん) 慢性喉頭炎は慢性的な喉頭部の炎症である。原因はほとんどが、急性咽頭炎の慢性化である。汚れた空気、刺激、副鼻腔炎の鼻汁等が誘引となる。症状は喉頭部の痛み、異物感 ・声のしわがれなど。治療は抗炎症剤、トローチ薬を使う。空気の清浄化、禁煙、大声の抑制等、環境改善も必須。
4306 声帯ポリープとは(せいたいぽりーぷ) 声がかすれたり、高い声が出にくくなる。長時間の発声や大声などによる声帯の使いすぎ、またお酒やタバコなどの刺激物によってのどにある声帯が傷つくと、声帯のふちにキノコのようなできものができることがあり、これを声帯ポリープという。歌手、アナウンサー、幼稚園の先生、教師など声を使う職業に多くみられる。予防するには声帯を安静にするしかないが、大気汚染、エアコンなどによる空気の乾燥も声帯にとって良くないので、環境を整えることも大切です。
4307 声帯ポリープ様変性とは(せいたいぽりーぷようへんせい) 多くは両側の声帯全体がポリープ状にぶよぶよして晴れてくる病気。癌になることはない。声帯ポリープと同じ原因でなるが閉経後の女性に多いことから女性ホルモンの関与が大きいと考えられる。入院し、全身麻酔の上、喉頭微細手術をする。
4308 声帯結節とは(せいたいけっせつ) 声帯結節は声帯に小さな瘤(結節)ができるもの。原因は歌手など、常時大きな声、とくに高い声を出す人に多発する。症状はのどに異物感、発生による疲労。治療は大きな声を出さないようにし、喫煙を控えることで、自然に治癒する場合もある。治癒しない場合は、切除手術をする。
4309 小児嗄声とは(しょうにさせい) 声がかれた状態を嗄声と呼ぶ。小児期にみられる嗄声は「小児嗄声」または「学童期嗄声」と総称される。このうち、小児嗄声とは、日本耳鼻咽喉(いんこう)科学会学校保健委員会では「幼稚園から小学校低学年にかけて多発するもので、無理な発声が習慣となり、声帯に炎症を生じて嗄声を来し、慢性の経過をたどるもの」とされている。原因は声帯結節が最も考えられる。声帯結節とは、声の多用や乱用により、声帯への刺激が持続し、声帯の中央部が腫れる、あるいは部分的に厚くなった状態で、多くの場合、左右の声帯に対称的に形成される。声帯にできた「ペンだこ」のようなもの。治療は小児声帯結節は声変わりの時期になると自然に治ることが知られているので、原則的に手術などの外科的治療よりも保存的治療を優先させる。声の衛生を守るため、声の使い方に注意をして声帯に負担をかけない発声をさせるようにします。
4310 喉頭狭窄とは(こうとうきょうさく) 多くは後天性ですが先天性のもの(喉頭横隔膜症など)もまれにある。後天性狭窄は外傷手術または炎症後の瘢痕、変形により喉頭腔が狭くなったもの。外傷性の場合は多くは交通事故、労働災害、切創による喉頭への直接外傷、喉頭異物、腐食剤誤嚥によるもの。術後性のものは喉頭直達手術、上位気管切開後に見られる。炎症性のものは喉頭粘膜の潰瘍性変性、または喉頭軟骨膜炎治療後にみられる。治療は手術による。
4311 喘鳴とは(ぜいめい) 喘鳴とは狭い気管を通る空気によって作られる口笛のような高い音のこと。 喘鳴は呼吸困難の兆候である。子供の場合、呼吸器系の感染症にかかると、息切れの前兆として喘鳴が起こることがあります。 喘鳴が最も顕著になるのは息を吐くときですが、息を吸うときと吐くときの両方で起こることもある。喘鳴は気管支(胸の奥に位置する気管)から発せられる音です。一般的原因は喘息、気管支拡張症、細気管支炎、気管支炎、胃食道逆流疾患 、ウイルス感染(特に2歳未満の幼児の場合) 、肺炎 、肺気腫(慢性閉塞性肺疾患、 特に呼吸器系の感染症にかかっている場合)、 喫煙、、薬の服用(喘息患者はアスピリンの投与後に喘鳴が起きやすい)など
4312 喉頭軟化症とは(こうとうなんかしょう) 喉頭上部の軟骨が軟らかすぎるために吸気時に喉頭蓋や披裂部が喉頭腔に引き込まれて喘鳴、呼吸困難を生じる。未熟児に多く乳児の喉頭異常の75%を占める。喉頭の発育の遅れによる一時的機能障害が多く成長とともに治癒する。いわゆる先天性喉頭喘鳴症の大部分を占める。まず先天性喘鳴をおこす他の疾患との鑑別が重要である。
4313 声変わり障害(こえがわりしょうがい) 声変わりは、第二次性徴(いわゆる思春期)にともなって起こる正常な生理的現象です。男子にも女子にも現れ、3〜11か月ほど続く。男子は14〜15歳頃に始まり、女子はもう少し早い時期に起こるが、男子のほうがはっきりわかる。喉頭が前後左右に急速に成長し、男子ではのどぼとけが前の方に出る。声はつやがなくなり、しゃがれることも多く、高さも不安定となり、まれに、高い声の時期が長期間続いて声変わりらしい時期が現れなかったり、変声期のしゃがれ声がそのまま残ったり、変声期バスと呼ばれる異様に低い声が続いたりと、声変わりが順調に行かないことがある。これを声変わり障害と呼び、発声の矯正が必要になる。原因は、変声期に声を無理に出したり使いすぎたりするためですが、心理的な要因もある。
4314 心因性失声症とは(しんいんせいしっせいしょう) 30才以上の女性に多く見られる。急に声が出なくなる。声がでなくなる原因は心理的な要因によるものが多い。心理的に厳しい立場に立つとき、欲求が満たされないとき、または心理的な葛藤があるときに発症します。患者の性格が周囲への依存性が強く、自己顕示性があるなどヒステリー性格がある場合が多く、ヒステリー性失声症ともいわれる。原因となる心理的因子を見つけ、よく理解することから治療が始まる。発声の訓練と心理的療法の治療を開始する。治療効果が高く比較的早く治る。
4315 反回神経麻痺とは(はんかいしんけいまひ) 反回神経麻痺は声帯の動きを司る反回神経が麻痺する。喉頭部や脳の障害が原因となる。症状 は声がかすれる、誤飲、呼吸困難など。治療は原因疾患を治療し、ステロイド剤等を投与する。声帯矯正の手術をする場合もある。
4316 喉頭癌とは/喉頭がんとは(こうとうがん) 喉頭癌は、頭頚部癌の中では最も発生頻度の高いがんの一つです。男女比は10:1で、圧倒的に男性に多い。部位でみると、声門癌が最も多く、次いで声門上部の癌で、声門下部の癌は極めて少ないです。 発症原因は、たばこに尽きるといっても過言ではない。声門癌は、嗄声(させい:しわがれ声)の症状から始まる。また、痰に血が混ざることもある。声門癌は早期から自覚症状が現れるので、早期発見しやすい。声門上部癌は咽喉頭部の違和感から始まり、次第に嚥下時の痛みや耳に放散する痛みが現われ、嚥下障害や呼吸困難症状を呈す。また、声門癌は、頸部リンパ節への転移は少ないのに対し、声門上部癌は、リンパ節転移を多く認め、頸部リンパ節の腫脹が初発症状である場合がある。声帯上にある初期の癌に対しては、喉頭直達鏡を挿入し、顕微鏡で観察しながらメスで病巣を切除したり、レーザーを用いて癌を焼き切る。これで腫瘍が小さくならないか、または再発した場合、さらに、進行がんに対しては手術が行われる。
4317 食道潰瘍とは(しょくどうかいよう) 食道潰瘍は食道に潰瘍ができる病気。原因は最近増加している、薬剤カプセルの食道停留等、物理的な原因以外に化学的な原因の場合もある。胃液、十二指腸液の逆流の場合もある。 症状は食後の胸やけ、げっぷ、嘔吐、胸骨部分の痛みなど。薬物療法として、制酸剤、抗潰瘍剤、粘膜保護剤等の投与を実施する。逆流が原因の場合、手術をすることもある。
4318 食道裂孔ヘルニアとは(しょくどうれっこうへるにあ) 食道裂孔ヘルニアは横隔膜にある食道裂孔がゆるみ、胃の一部が胸郭内に入り込んでしまうものを言う。 原因は高齢者に多いため、横隔膜の筋肉の弛緩が原因と言われる。また肥満、妊娠等による腹腔内圧上昇が原因となる場合もある。症状は胸やけ、げっぷ、嘔吐 、腹痛など。食道下部の括約筋が働かず、胃の内容物が食道へ流れ込んで、流動性食道炎を合併する場合がある。治療については自覚症状等がない場合は治療は不要だが、食道炎を合併した場合は、抗潰瘍剤や制酸剤等の投与。手術をする場合もある。
4319 食道狭窄とは(しょくどうきょうさく) 食道狭窄は、食道が狭まり、飲食物が通過困難となる状態である。 【原因 Cause】 食道にできた腫瘍、潰瘍、炎症による瘢痕が原因で起こる。中には、腐食性食道狭窄と呼ばれ、塩酸、硫酸等の強いアルカリ性や酸性腐食剤を飲んでしまったために起こるものもある。 【症状 Symptoms】 ・嚥下困難 ・嘔吐 ・脱水症状 ・栄養障害 腐食剤を飲んだ場合、他の症状が出たり、瘢痕が進行する等、重症化することがある。 【治療 Treatment】 原因となる疾患がある場合、その治療が優先する。狭窄自体は、拡張器等で広げるか、ひどいときは手術ををする。腐食剤を飲んだ場合は、洗浄して中和剤を投与する。
4320 食道異物とは(しょくどういぶつ) 異物(コイン、魚の骨、義歯、釘など)や食事片が食道の内腔に詰まったり食道壁に刺さった状態。とれない場合、専門医を受診して、摘出してもらう。原則的には食道鏡を用いて異物の摘出をするが、異物の種類や部位 によっては、摘出が困難なこともあり、稀に食道外切開により摘出しなければ ならないこともある。 その他、圧迫による呼吸停止、食道壁の穿孔による縦隔気腫、縦隔膿瘍、 頚部蜂窩織炎などを併発して、重篤な状態になることもある。
4321 食道損傷とは(しょくどうそんしょう) 器械とくに医原的損傷や化学的損傷はその原因が判明しているが突発的におこる特発性食道破裂は暴飲、暴食、飲酒、爆笑などの後に激しい悪心、嘔吐などの急激な腹圧の上昇に伴い、食道内圧の急上昇によっておこる食道壁の突然の破裂で多くは食道の下方で横隔膜の上部の左側に発せする。器械的損傷はふつう絶食し、非経口栄養(中心静脈栄養)、および強力な非経口的化学療法ではほとんど保存的に治癒しますが大穿孔の場合は手術が必要。
4322 マロリー・ワイス症候群とは(まろりー・わいすしょうこうぐん) 嘔吐によって腹腔の内圧が急激に上昇し、胃の噴門部近くに裂孔ができ、そこから出血する病気。多くはアルコール摂取後の嘔吐や悪心のため、何回も苦しみながら吐いたあとにみられる。しかし、咳(咳嗽)、くしゃみ、腹部打撲後や内視鏡検査時などに生じることもある。吐血、下血、心窩部痛などを伴う。
4323 食道癌とは/食道がんとは(しょくどうがん) 食道癌は胃癌や大腸癌などと比べるときわめて予後の悪い癌です。高齢者に多く,かつ解剖学的にリンパ節転移や隣接臓器(大動脈,肺,気管支など)浸潤を起こしやすいことが一因です。組織学的に扁平上皮癌であり,放射線への感受性が高く,シスプラチンが有効であることから,手術療法に加えて放射線治療や多剤併用化学療法を組み合わせた集学的治療が各種試みられる。 治療は手術による。手術は,癌の占拠部位によって術式が異なります。
1)頚部食道癌   
頚部食道・咽頭切除・頚部リンパ節郭清、胃管または遊離空腸による再建
2)胸部食道癌   
開胸による胸部食道切除、縦隔リンパ節郭清   開腹による腹部食道・胃噴門部切除・腹部リンパ節郭清、頚部操作による再建および頚部リンパ節郭清
3)腹部食道癌   
左開胸・開腹による下部食道・噴門部切除・リンパ節郭清
4324 食道肉腫とは(しょくどうにくしゅ) 食道の非上皮性の悪性腫瘍です。きわめて稀な病気です。発生場所は食道の下部に多く、種類は平滑筋肉腫(50%)、悪性黒色腫(40%)の順に多い。どちらも発生の原因は不明です。症状は食べ物が飲み込みにくい、つかえるなどの嚥下障害が見られる。平滑筋肉腫は早期に外科手術する。転移がなく根治切除できれば比較的よく完治する。悪性黒色腫は早期に全身に転移するので手術より化学療法で治療する。食道肉腫には転移のないものと食道壁に浸潤性に増殖してときにリンパ節に転移を伴うものがあり、後者の予後は不良である。
4325 慢性胃炎とは(まんせいいえん) 慢性胃炎は、胃粘膜の状態によって、
1)表層性胃炎
胃粘膜表面で軽い炎症のある状態 びらん性胃炎 炎症により胃粘膜表面がえぐれた状態
2)萎縮性胃炎
胃粘膜の炎症が長く続いたために胃粘膜全体が萎縮し薄くなっている状態の慢性胃炎
3)肥厚性胃炎
胃粘膜表面が正常より厚く見える状態
と分けられます。 そのうち一番多いのは萎縮性胃炎です。 また、最近では胃粘膜に何の異常も見られないのに慢性的に胃の不快症状を引き起こす、NUD(Non-ulcer Dyspepsia:潰瘍のない消化不良)も見られる。
4326 急性胃炎とは(きゅうせいいえん) 胃に急激な炎症が起こる病気で、胃の病気の中で慢性胃炎と並んで一番多い病気。安静にし、食事に気をつけていれば2〜3日で治るが、暴飲暴食などを続けていると、慢性胃炎になることがあるので、早めの手当てが大切。 症状は、暴飲暴食などが原因の場合、みぞおち周辺に重苦しい痛みがあり、吐き気やげっぷが出る。食中毒などからきた場合は、下痢や嘔吐を伴う。ときには、吐血することもあるが、ショック状態に陥ることはない。食中毒の場合には高熱が出る場合もある。 多くの人が一度は経験する二日酔いの場合、胃の痛みや吐き気は急性胃炎の症状が起きていることのあらわれである。
4327 胃酸過多症とは(いさんかたしょう) 胃酸過多症は文字通り胃酸の分泌が多すぎる病気である。病気とはいえ、正確には症状と呼ぶほうが近い。原因 は睡眠不足や過食、過労など、胃に負担をかけることで起こる。あるいは胃腸の病気(胃炎、潰瘍、へルニア等)も原因となる。症状は胸やけ、胃もたれ、げっぷ ・胃液の逆流など、酸の多い症状が見られる。治療は胃への負担を避けること。刺激物の摂取や過労にならないように気をつける。胃液の中の塩酸を中和するために、重曹や酸化マグネシウムなどの薬剤を服用する。
4328 幽門狭窄症とは(ゆうもんきょうさくしょう) 幽門狭窄症は胃の出口付近、十二指腸につながる部分を「幽門」といいます。幽門狭窄症とは、この部分が厚くなり通りが悪くなり、胃の内容物が腸への移行が障害される病気です。原因は
1)胃の出口の幽門部に胃癌が発生しそのために狭窄ができる。
2)潰瘍による狭窄の場合。
3)幼児および幽門筋肥大による狭窄
4)隣接臓器による圧迫ないしは癒着による狭窄
5)神経症などによる幽門けいれんによる狭窄。
嘔吐による水分の欠乏、電解質バランス喪失を補正するための点滴。原因はどうあれ多くの場合は手術による狭窄を除去することが原則です。
4329 空気嚥下症とは(くうきえんげしょう) 空気嚥下症は食事のとき等に頻繁に空気を飲み込み、げっぷが多くなるもの。多くは胃神経症が原因となる。症状はげっぷがとまらなくなることが多い。治療は 原因として、精神的なものと特定された場合は、薬物療法や心理療法を行う。
4330 胃癌とは/胃がんとは(いがん) 胃癌は世界的にも日本人に最も多いがんのひとつです。最近では内視鏡での診断技術が上がり、早期で見つかることが多くなってきた。早期の段階で発見できれば、治癒率が高い。胃癌には大きく2種類のタイプがある。一つは症状が進行すると塊のように大きくなっていき、肝臓に転移しやすいという特徴を持つ、分化型と言われるタイプです。  もう一つは、がん細胞がばらけてひろがり、深く浸潤すると線維化といって硬くなりスキルスがん(硬がん)とよばれるもので、胃壁の外までがんがすすむとおなかの中にがん細胞がばらまかれて腹膜転移をおこしやすい未分化型と言われるものです。未分化型は、はじめから未分化ですが、分化型のなかには進んでいくに従って未分化型に変わってくるものもある。胃癌の治療は、現在日本では全国どこでも共通の治療ができるように治療のガイドラインが作られて、それに従った治療をする。
4331 スキルス性胃癌とは/スキルス性胃がんとは(すきるすせいいがん) 通常の癌細胞と比べ癌間質(線維成分)が多量な癌組織からなる胃癌を指す。胃癌の多くが腺癌であるため硬性腺癌とほぼ同義語で胃癌の1/3を占める。肉眼所見は癌が広範囲にびまん性に浸潤し明らかな腫瘤や潰瘍形成を伴わないものです。代表的な肉眼型は胃体部の巨大皺襞型、移行帯付近から発生するびらん浸潤型、幽門部から発生し硬化・狭窄を生じ水筒状となる狭窄などがある。スキルス性癌はきわめて進行が早く、癌性腹水や胸水、遠隔リンパ節転移を伴う状態で発見されることが多く一般的に予後が悪い。リンパ節転移が高いため根治のために病巣を完全切除する。非治癒切除例には抗ガン剤(MTX/5FU、MMC,シスプラチン)による化学療法などが試みられる。
4332 胃肉腫とは(いにくしゅ) 胃肉腫は胃の粘膜上皮以外に発生する悪性腫瘍である。胃平滑筋肉腫が最も多い。40代以上の男性に多く発症する。 症状は初期には自覚症状がないが進行すると腹部痛、吐血、下血、しこりなどがでる。治療は手術療法、化学療法を実施する。
4333 急性胃腸炎とは/急性腸炎とは(きゅうせいちょうえん、きゅうせいちょうえん) 急性胃腸炎は胃や腸に急性の炎症がおこった状態のことで、激しい下痢、腹痛、嘔吐、血便、発熱、食欲不振などの症状があらわれる。 原因は感染性のものと非感染性のものとがある。
1)感染性
食べ物から細菌などに感染すると、下痢などの症状が起こる。また、抗生物質を服用したあとに、一時的に腸内に有害な細菌が増える「菌交代現象」により起こることもある。
食中毒の主な原因菌と原因ウイルス
黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ 、赤痢菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌 (0-157)
ウイルス最も多いのがロタウイルス
鼻かぜなどを引き起こす「アデノウイルス」が急性腸炎をおこす場合もある。細菌性のものかウイルス性のものか区別できませんがいずれにしても安静にして水分を補って免疫力を高めれば1週間以内におさまる。
2)非感染性
細菌以外の原因で起こり急性胃腸炎の中で占める割合は低い。卵やそばなどの「食物アレルギーによる腸炎」や「虚血性腸炎」などがあげられる。虚血性腸炎とは腸の血流が一時的に悪くなり、腸の粘膜に出血性の炎症がおこる病気で、高血圧や便秘の方にに多く発症する。主に腹痛や下痢、血便などがおこり、ほとんどは一過性ですがまれに広い範囲で腸の血流が滞ると、腸管が壊死することもある。
4334 虚血性大腸炎とは(きょけつせいだいちょうえん) 虚血性大腸炎は大腸の動脈の血栓や血行障害で、大腸に潰瘍や壊死を起こすもの。心筋梗塞や狭心症、高血圧症、動脈硬化等、血行障害の病気を原因とする。このため、中高年に多く、高齢化とともに、発症が増加する。症状 は腹部の急激な激痛、血便など。 ほとんど数日でおさまり、壊死まで進行するのは稀である。 治療は輸液、抗生物質を投与をし、絶食して安静にすれば、数週間で治癒する。壊死や大腸狭窄が進行している場合は、切除手術をする。
4335 クローン病とは(くろーんびょう) クローン病(Crohn's Disease)とは大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)という。  クローン病も、この炎症性腸疾患のひとつで、1932年にニューヨークの内科医クローン医師らによって限局性回腸炎としてはじめて報告された病気。  クローン病は主に若年者にみられ、口腔にはじまり肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍(粘膜が欠損すること)が起こるが、小腸の末端部が好発部位で、非連続性の病変(病変と病変の間に正常部分が存在すること)が特徴。それらの病変により腹痛や下痢、血便、体重減少などが生じる病気。
4336 腸閉塞とは/イレウスとは(ちょうへいそく、いれうす) 腸閉塞(イレウス)は腸がねじれて、腸管がふさがり、通過障害を起こすもので、腸ねん転とも言う。主な原因は、開腹手術による腸閉塞である。腸が閉塞される単純性イレウスと、これに血行障害が加わる複雑性イレウスがある。症状は吐き気、嘔吐、腹痛、腹鳴、ガス、大便が出ない、発熱 、脱水症状、ショック状態など。治療は抗生物質投与と腸管内圧を下げる処置をするが、複雑性イレウスや改善されない単純性イレウスは手術が必要。
4337 後天性巨大結腸症とは(こうてんせいきょだいけっちょうしょう) 後天性巨大結腸症は、結腸の拡張により、ひどい便秘となって、腹部が膨れ上がるもの。原因は代謝異常、平滑筋障害、中毒性大腸炎等の疾患の他、ストレスや下剤の乱用である。症状は吐き気、嘔吐、腹部膨満、ひどい便秘など。治療としては原因となる疾患があるときは、その治療をし、それ以外は便秘治療となる。人工肛門を形成する場合もある。
4338 先天性巨大結腸症とは(せんてんせいきょだいけっちょうしょう) 先天性巨大結腸症は先天的な原因で、便が移動せず、腸が拡張して、腸閉塞の状態になるものである。原因は、腸管の神経細胞の先天的な欠損で、腸が正常に機能しないためである。新生児の5000人に1人に発症すると言われる。症状は嘔吐 、腹部膨満 、がんこな便秘など。治療はまず浣腸をし、生後6ヶ月以降に手術をする。
4339 腸管癒着症とは(ちょうかんゆちゃくしょう) 腸管癒着症は腸管の外側の炎症や外傷によって腸管が癒着し、通過障害等が起こるもの。 原因は、胃がんや、胃や十二指腸の潰瘍、虫垂炎等内臓疾患の開腹手術、子宮筋腫、帝王切開である。腸管内だけでなく、腹膜等、隣接臓器間でも起こる。 症状 は腹痛 、腹鳴 、腹部膨張感、食欲不振 、便通異常、不眠 、倦怠感 など。治療は通過障害が起こると、再手術となるが、基本的には消化のよい食事をする等の日常生活の一般治療である。
4340 腸間膜動脈閉塞症(ちょうかんまくどうみゃくへいそくしょう) 腸間膜動脈閉塞症は小腸、大腸の栄養補給機能の血管が狭くなったり閉塞し、腸管が壊死するものである。心筋梗塞や心房細動、リウマチ性心臓病等を原因とする。症状は腹痛、嘔吐、発熱、大便、ガスが出なくなる 、血圧低下、チアノーゼ、意識障害など。 処置しないと、生命の危険がある。治療はできるだけ早い手術が必要である。腸管の壊死は、発症後1日で起こる。
4341 大腸憩室とは(だいちょうけいしつ) 大腸憩室は大腸の壁の一部が膨らんで、袋状に外に突き出したものである。もともと、筋層繊維が弱くなる高齢者に多かったが、繊維質の少ない食事になって、若い年齢層にも増えてきた。憩室自体が問題になるよりは、その中に胃腸の内容物が入って合併症になる場合が問題である。炎症が起こるのが憩室炎で、進行すると、腹膜炎を起こし、さらに進むと狭窄ができる。他に、内容物が血管を傷つけることで起こる憩室出血もある。
1)症状
憩室炎・・・発熱、腹痛
憩室穿孔・・・発熱、腹痛、嘔吐、腹部膨満感
憩室出血・・・下血
2)治療
憩室炎は抗生物質を使う。憩室穿孔で出血や狭窄等がある場合は手術をする。
4342 吸収不良症候群とは(きゅうしゅうふりょうしょうこうぐん) 吸収不良症候群は栄養素のうち、脂肪を中心として、たんぱく質、ビタミン等、各栄養素が吸収障害を起こし、栄養失調となるもの。原因は胃腸手術によって、消化管が短くなったり、肝臓等他臓器の疾患を原因として起こる。症状については胃腸切除の場合は、食事回数を増やすことで栄養増加をする。栄養剤、ビタミン剤も補給する。他に原因となる病気があれば、その治療を行う。
4343 結腸過長症とは(けっちょうかちょうしょう) 結腸が異常に長く、移動性に富んでいて成人に多く見られる。結腸全体あるいは部分的に見られる場合があるがS状結腸に最も多く、上行結腸、脾彎曲部、下行結腸にもみられる。便秘が主要症状で一般に下痢や浣腸剤の乱用がかかわっていると考えられる。
4344 慢性便秘とは(まんせいべんぴ) 慢性便秘は大腸内に便がとどまり、数日以上も便通がない症状が日常的に起こるもの。 原因は便秘は病気によって起こる場合と、下記1〜3のように病気以外で起こる場合がある。
1)弛緩性便秘
結腸の緊張がゆるみ、便が結腸に長時間とどまることにより水分が吸収され、便が硬くなることで起こる。
2)直腸性便秘
薬物や不規則な排便習慣などにより直腸の神経が鈍くなり、排便が困難になるもの。
3)けいれん性便秘
自律神経の調整がうまくいかず、S状結腸がけいれんを起こし、便が通りにくくなることで起こる。大腸がん、大腸ポリープ、大腸憩室、子宮筋腫の病気があると、腸の内径が狭くなり、便が通りにくくなり便秘になる。症状 は不快感、腹痛、腹部膨満感など。治療 については慢性便秘の原因が病気である場合は、その病気の治療を行う。それ以外の場合(上記1〜3)は、食生活の改善や規則正しい排便習慣などにより完治する。
・豆類、いも類、野菜類など、食物性繊維を含む食べ物をを多く摂るよう心がける。
・便意は朝食後に催すことが多いため、朝ご飯を食べたらトイレに行く習慣をつけると良い。
・朝起きたら、冷たい水か牛乳をコップに一杯飲む。
・腸を活動させるため、適度で定期的な運動をして血液の循環をよくする。浣腸も有効だが、使用しすぎると直腸神経が麻痺し、直腸性便秘の原因となるので要注意。
4345 大腸癌とは/大腸がん/大腸ガン(だいちょうがん) 大腸癌は従来、日本人には比較的少ない病気でしたが、この20〜30年間に急速に多くなった病気です。その原因は食生活の変化で高脂肪、高コレステロ−ルと欧米化したためです。この数十年間に大腸癌は癌における死亡原因の上位を占めるようになった。大腸癌は大腸の小さなイボ(ポリ−プ)が大きくなってできますが、その約8割は直腸、S字状結腸といった下部大腸に発生するので、下部大腸の検査が大切です。便の表面に血液がついたり、排便後に出血することがあり、痔からの出血と誤ることがある。また、大腸癌で大腸が狭くなると、お腹、とくに下腹が張ったり、便秘と下痢をくり返したりすることがある。大腸癌、大腸ポリ−プの表面からは目に見えない出血があり便の中に出てきますので、この目に見えない出血を見つける便の検査“便潜血反応”をするのが大腸癌を見つける有効な検査です。陽性の場合、約半数の方に大腸ポリ−プ、癌などの異常があり、レントゲン検査、あるいは内視鏡検査を受ける必要がある。大腸癌を治療するには、病巣をきれいに切除することが大切で、一般的には、手術によるリンパ節を含めた広範な切除が必要です。大腸癌の中でも直腸癌の場合には、従来、人工肛門を作る場合が多かったのですが、最近では、手術手技の進歩により、半数以上の方では人工肛門を作らずに済むようになった。大腸癌の治療成績(術後5年間生存できる確率)は、早期の方ではほぼ 100%、進行癌でもリンパ節転移を認めない方では75〜80%と比較的良好ですが、リンパ節転移のある方では50〜60%と不良になり早期発見、早期治療が最も大切です。
4346 急性腹膜炎とは(きゅうせいふくまくえん) 腹腔内の細菌が腹膜に感染して炎症を起こす腹膜炎のうち、急性に起こるものである。原因は十二指腸潰瘍や虫垂炎の穿孔、女性性器の疾患や流産等が原因となって、細菌が侵入して起こる。死亡率が高く、緊急手術を要する。は症状は腹部の激痛、腹部硬化、嘔吐、冷や汗、ショック状態、腹部膨満など。治療は開腹手術をする。
4347 骨盤腹膜炎とは(こつばんふくまくえん) 骨盤腹膜炎は菌感染の炎症の波及によって起こるもの。原因は大腸菌、ブドウ球菌、クラミジア等の菌感染による、子宮内膜症や卵管炎、虫垂炎等の炎症の広がりで、二次的に起こる。症状は激しい下腹部痛、高熱、寒気、ふるえ、吐き気、嘔吐、下痢、便秘 など。慢性期には癒着による下腹部のひきつり、鈍痛、腰痛など。治療は抗生物質、消炎・鎮痛剤等で治療する。
4348 直腸炎とは(ちょくちょうえん) 直腸炎は直腸の炎症で、粘膜がただれてしまうもの。主な原因は食中毒や下痢である。症状が長引く場合は、がん、大腸炎等の疑いがある。症状は下血、下痢 、粘血便、腹痛、発熱、体重減少 、貧血など。治療は薬物療法で、ステロイド剤、サルファ剤等を用いる。保存治療が中心で、治癒までに長期間を要する。
4349 直腸ポリープとは(ちょくちょうぽりーぷ) 直腸ポリープは直腸粘膜にできる突起物である。ポリープには、管状腺腫と絨毛腺腫の2種がある。管状腺腫は、きのこ状で、2センチ以上になるとがんになる可能性がある。こぶ状の絨毛腺腫は、がん化の危険は低い。 症状は肛門奥に異物感、残便感 がん化すると、血便が出ることがある。ポリープが大きくなると、肛門から排便のときに脱出する場合がある。治療は肛門側からの切除手術か、奥の部位は内視鏡による切除をする。粘膜に浸潤する場合は、がん手術に準じる。
4350 直腸脱とは(ちょくちょう) 直腸脱は直腸の外側筋層と粘膜が一緒に外に出てしまうものである。原因は肛門や直腸の筋肉が弱まるためで、出産経験のある40代以上の女性に多発する。幼児は、排便時のいきみすぎで起こる。 症状は直腸の部位が、3、4センチから10センチ程度、肛門から飛び出してしまう。 治療は普通は手術を要する。幼児は排便習慣の改善で治癒する。